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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第二部 ワグナーの脅威編
88/131

中年と異界人

「これは不思議な味だな・・・これもあのオレンジの魚なのか?」


「鮭を洗って干したものらしいよ。海水で洗うんだっけかな?

 私も作り方とかそこらまではよく知らないんだけど、味は好き

 よく北海道の友人から送ってもらってたよ」


 七輪を出して、鮭とばを炙って具合がよいのをバルロイに渡す

 しかし今から考えると、やっぱり不思議な事が多い

 今バルロイに出している鮭とばは、ゲーム内でそのまま手に入れた物ではない

 鮭を手に入れた後、基地でアルベルトが加工して保存してあったものだ

 ここで初日に出したハンバーグの種も、ゲーム内のアイテムを加工して

 自分で作って保存しておいたものだ。なんでCall to Stormの世界では

 多少しか意味がないゲーム内での調理があそこまで重視されたのだろう?

 加工して調理して味が変わるということは、それだけで必要なデータが増える

 また、料理に使う素材、配合比、料理人の腕で、明らかにわかるレベルで

 味が変わる、おいしさが変わるというのも、膨大な演算が必要になるはずだ

 そんな機能はゲームにはさして意味がないのに、どうしてここまで食に対して

 過度なほどの再現性や自由度が設定されていたのだろう?

 最初から異世界への転移を目的とした、準備施設といわれても

 今なら ああなるほどね、ハメられたのね と納得できてしまう・・・


「レイラ、寝てる間に悪いがちと勝手に動かせてもらった

 チェニスがこの村にしばらく住みたいんだそうで、内内で許可した

 ただ、陛下の許可が簡単には下りないだろうってことで

 それについて俺が、陛下に進言して許可が下りるように図る代わりに

 ユミア達5人の移住許可を王族が公式に認めるように取引を持ち掛けた

 それと、ザロスは無罪にして俺のとこで預かるってのも呑ませた

 そっちの思惑と違ってたなら悪いんだが、これでよかったか?」


「あー、それ素晴らしいよ。こっちからチェニスにどう提案するか悩んでた

 それを条件に戦争してこいとか言われるかなーと頭抱えてた所なので

 先にそれを取引材料から外してくれたのは本当に感謝だわ」


 テーブル替わりのサンドキャットのボンネットの上に

 インベントリから日本酒の瓶を取り出して置く

 酒枡を取り出して日本酒を7割程注いでバルロイの方に押しやる

 なんでかわからんが、今日は立ち飲みスタイルだ


「なんだこれ? すごいなこの器は

 これ木を加工して組み合わせて器にしてるのか??

 それで酒が全く漏れていないし、すごくいい香りがするぞ??」


「そりゃ升っていって、私の国で昔から使われてる計量容器だよ

 檜って木を使うので香りがいいので、それで飲むのが私は好き

 普段はみんな、コップとか御猪口とかで飲むんだけどね

 祝い事とかだとそういうのを使って飲む事もあるって感じ」


「酒の味も凄いんだが、この容器のほうが衝撃的だ

 木を組み合わせただけで、釘も膠も使っていないのに漏れがない

 これは相当な職人が作った作品なんだろ?」


「いや?? 何時からあるかとかは知らないけど、私の国では

 数百年前からある物で、量産されてたはずだよ

 私の国は基本的に、木と土と陶器で家を作るんだよ

 たぶんそういう兼ね合いからなのか、精密な木工細工とか建築が

 妙に発達した国ではあるみたいね。まあ、もう廃れてるけど」


 機械で加工から生産までしているとか説明が面倒だったので

 そこは説明しないである程度の説明で納めることにする


「バルロイ。帝国とやらは攻めてくるのかね?」


「まあ、十中八九来るだろうな。そのために仕込みをしてたわけだから

 来るとしたら、陸路で険しい山岳地帯をこえていつものルートで

 北西から回り込む形で王都に南進するルートが一つ

 これは山岳地帯の出口を王国が抑えているので

 いつもそこで迎撃戦をやって帝国の南進を阻止してる感じだ」


「この湖を迂回して、西にいってから南に向かうって感じか」


「そのルートがまた意地が悪いのなんの

 険しくて狭い崖路の上り下り曲がりの連続だ

 行軍だけで結構な損害と多大な物資を消耗する

 帝国が王国の領土を攻め取れない原因の一つだ

 挙句にそのルートの出口は湿地帯な上に王国最大の要塞がある

 常時最低でも1万の兵力が張り付いていて、守りを固めてる」


「山越えしてきた疲労困憊の敵が、湿地帯でさらに動きが鈍る

 そこを弓だの魔法だので前進を遅らせながら削り取るって感じか」


「その通り。設置型の大型機械弓とか投石器とかもたんまりある」


「なるほどね。つまり考え方を変えれば、簡単に落とせる要塞か」


「どういうことだ??」


「こもって迎撃に特化。なので弓とか魔法

 あといざ城壁に取りつかれた時の重装歩兵あたりが主体で防御

 それと別に、敵が壊走しだしたら追撃の為の軽装歩兵

 たぶんこんな常備軍の編成でしょ?」


「ああ、見てもないのに良くわかるな」


「おそらく騎馬は湿地帯での運用に向かないのでそこそこしかいない

 偵察と側面攻撃奇襲用に1割いるかどうかだろうね

 んでそこ湿地帯なんでしょ? ならさ

 降雪期の終わり狙って、雪解け水を利用してさ

 魔法なりなんか道具なりで、例年より恐ろしい水量がきたらどうなる?」


「そりゃ、、、砦と町が水浸しだな」


「私なら、その山岳にダムを造る。雪がたまるように、水がたまるように

 それを雪解けのシーズンにあわせて一斉に開放して湿地帯を増水させる

 んで、その水浸しのとこに、毒だの病原菌だのをばら撒く

 そうすりゃ地下水も汚染されるから、水がいっぱいあるのに飲めない

 城塞内の井戸も汚染される可能性がある。まあ層が違うので

 地下水まで汚染がいくかはわからない部分はあるけどね

 私ならそういう方法で、まず外に出れなくして士気を下げる

 毒だの病原菌だのを植え付けた死体も流して衛生面の悪化も狙うかな

 んで、要塞の兵隊は外にでてこないだろうから、それを利用して

 弓だ魔法だ届かない場所に攻略用に拠点を作る」


「随分と外道な手を考えるな・・・・・」


「んで、その拠点までの補給路を確実に確保する。これは金がかかるね

 で、にらみ合いをしながら地下水脈を探して毒と病原菌を撒く

 これで水問題が必ず発生するので、要塞はそのうち兵力が減る

 王国の増援がきたとしても、そんな水浸しで汚いとこ入って

 突撃してくるって可能性は低い

 逆に突撃してくれれば万々歳だ。伝染病の感染者を大量に作れる

 そこで拠点を失ったとしても、戻った兵隊は

 その数倍の味方を殺す可能性がある爆弾になってくれるわけだ

 おそらく損害に対して、伝染病の感染による王国の損害

 この比率は王国のほうが損な数字が出るはずだよ

 だからこれを継続していけば、金と兵があるほうが最終的に勝つ」


 あ、鮭とばがこげかけてるやばい 

 金網から上げて、あちあちを手で割いてバルロイと半分こする

 炙ると柔らかくて香りが立つから、本当にこれ美味しいんだよね


「突撃してこないなら、これで城塞を無力化できる

 んでこの王国への橋頭保を確保して扉の前に立てるわけだ

 あとは水がひいたら、町だ湿地帯だを燃やしながら進み

 病原菌を焼却処理して安全を確保しながら城塞までいって

 残存兵力少ない要塞を落として、破壊するなり占拠するなりすればいい

 占拠するなら大量の石灰と酒をまいて、病原菌を無効化すればいい

 これでこの国攻略のための扉は開けるわけだ。ただ、まあ・・・

 その後の補給路の維持で破綻すると思うので

 恐ろしく金と時間がかかる上に得るものが少なくて大損するだろうけどね

 戦場で勝って戦争に負けるって典型的な例になるだろうね」


「レイラお前、おぞましい手をよくもそうすらすら考えられるな!?」


「この世界の戦争は、土地を得る事に意味がある

 戦争で勝てばお金になるんでしょ? 私達の世界が100年以上前に失った

 金になる戦争がまだ生きている世界だ。だから今言った手はさ

 勝てるけど、目的を達成できない。経済的に損失が大きすぎるので

 たぶん実行する馬鹿はいないよ。損しすぎて勝っても自分の国が亡びる

 なので、チェニスがいっていた水上戦力による南部奇襲をするんじゃない

 王国の裏口であるここを橋頭保にして、北上して王都を目指す

 おそらく牽制と水上部隊による作戦を悟らせない為に

 いつもの北西ルートも兵力は展開されると思うけどね

 王国は北西ルートからの防衛のために、精鋭は北部に足止めされる

 んで、ここから一番近い一定の兵力をもつワグナーはもう使えない

 そもそも今までも、南方上陸の北上ルート使えばいいのに使わないのは

 出来ないという問題があった。おそらく大規模な水上輸送手段の確保

 これが出来なかった。これが出来たということは・・・・・・」


「いうことは???」


「造船技術に大きな進歩があったか

 大量の船を造るための資材確保が何らかの手段で解決されたか

 戦闘力をもつ水上船用の新しい武器が開発されたか

 もしくはこれら全部が達成されたか

 つまり、今までが変わるってことは、相手に何らかの

 技術、経済的な大きな進展があったってことだよ

 私の勘だけどね、大型の安定した船の開発に成功したと思うよ

 それによる、短時間での大量兵力の輸送

 それと水上補給路の確保に目途がついたんだと思う

 ただね、彼らは運が悪いんだよ・・・そう、とても運が悪い」


 私は新たなタバコに火を点け、そらを見上げて口角を上げる

 これが私をここに連れ込んだ奴の一つの目的だったのかもねと思った

 

「運が悪い? どういうことだ?? その手をとられると王国はやばいぞ?」


「私が現れた。木造船だろうが初期の蒸気船だろうが

 この村の絶対防衛圏に入れば何も出来ずに湖の漁礁になる運命なんだよ」


「レイラは水上戦も出来るのか?

 まあ、あの空飛ぶ化け物で上から飛び降りて制圧とか

 あの恐ろしい爆発をもたらす長い筒の鋼鉄の道具とか

 手はあると思うが・・・・・」


「違うよ。相手が船ならこちらも船を、いや、艦艇を投入する

 ブラックホークに追加武装をつけて撃沈するのも確かに手だけど

 あれは武装の搭載量が少ない。大量の船舶を撃沈するには数がいる

 自走砲で撃沈する手もあるけど、あれは地上攻撃用なので

 使用弾薬が船舶の撃沈にはあまり適していない。できないことは無いけどね

 ということで、船舶に対抗するなら同じ土俵の水上艦艇が弾薬費的には良い

 三日もあれば今立っている場所の地下に、艦艇用の施設が完成する

 そうすれば、この世界の水上船舶の撃沈なら容易な艦艇を要請できる

 まあ、あまり殺したくないのでそうならないことを願うけどね」













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