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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第二部 ワグナーの脅威編
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聖獣と王族

 ラーメンを食べ終えて20分くらいしたら

 階段の方からどかどかと複数の足音が響いてきた

 ほんとこの空間、振動センサーが全然機能しない

 これたぶん、振動吸収機能でなくって

 ランダムで振動を自分が発生させて探知妨害する何かがあるな・・・

 騒々しい足音を立ててこちらに息を切らして走ってくるのは

 白地に金だ赤だ銀だ青だと、どはでな装飾のフルプレートをつけた

 おそらくこいつらが近衛ってやつだろ? と思われる一団だった


「近衛のお出ましか。俺が対応する」「任せた」


 バルロイが一歩進み出て、胸からネックレスみたいのを引っ張り出す


「Aランク冒険者 疾風のバルロイだ。お前らはチェニスの遣いか?」


「はっ! チェニス様の命により捕虜及び市民移送のために参りました!」


「ご苦労さん。俺と相棒はこの後用事がある。任せていいか?」


「ここは我等近衛が処理いたしますので、どうかお急ぎ下さい

 上でチェニス様がお待ちになられております!」


「了解した。もう行っていいらしいぞレイラ」「了解」


 ハリネズミ君に、「ばいばーい」と挨拶をして歩き出したのだが

 とことこころころとことこころころころごすっ・・・とことこ

 ・・・・あれ、ついてきてないこれ?

 横を見ると、やっぱいた。ついてきてる・・・・


「私達はこれから王都を離れるの。ここに居ないと駄目でしょ?」「うぃーっ!!」

 胸の前でばってんをつくって、ものすっごい否定された

 そしてそのまま、私の足にへばりついてそのまま上りだして

「あ、ちょ、なに!?」 といってる間に、肩にのられた


「バルロイ・・・これなんか、ついてくんだけど・・・・」


「上でチェニスに相談したらどうだ?」「そうするか・・・」「うぃっこ~♪」


 あの気が滅入る長い階段を上る。そこで思いつく 中央吹き抜けだよねこれ?


「バルロイ、先いくわ。頑張ってね」「ん?どうすんだ?」「こうする」


 吹き抜けの中央に立ち真上にジャンプしてブラストスラスターを断続的に使う

 驚く程簡単に最上部に到着しそうになるので、体をひねって階段に降りる


「レイラきたねーぞ! 俺もつれてけ!」「流石に今のを人担いでは無理」

「俺はどーすんだよ?」「走って登る。遅いと置いてくよ」「ふざけんな!」


 バルロイの文句をスルーしてさっさと移動する

 地下3階までは大した構造ではないのであっさりと移動できた

 礼拝堂に戻ると、チェイスとレミリアとザロス君が待っていた


「はいお待たせ。で、これが例の聖獣様。なんか肩に乗られた」


 肩の聖獣様を親指で示して、全員に見える位置に移動する

 チェニスは土下座スタイルでひれ伏し、ザロス君は目を丸くしてる

 レミリアは目を見開いて爛々と耀かせてよだれを流しかけている


「ランバートン様これください! めっちゃ可愛いですこれ!」「うぃきゅ~♪」


「レミリアあのね、これ一応、この国の特別天然記念物みたいなもんよ?」


「特別天然記念物?」「ああ、その概念ないか・・・じゃあ大事な・・生物?」


「なんでもいいんですけど、この子可愛いです。すっごい欲しい・・・・」


「欲しいって言われてもねぇ・・・私の所有物でもないし、許可でないでしょ?」


「そうですか・・・残念です・・・」「うぃっこ~♪」

 

 ハリネズミ君は肩からジャンプして、レミリアに飛びついてするすると床に降りる

 最初に出会ったときのように、もそもそと背中のほうから何かを取り出して

 レミリアに「うぃっ!」と差し出す。またあのバナナだ


「私にくれるの?」「うぃうぃっ!」「ネズミさんありがとう!」


 レミリアは私と違ってなんの躊躇いも無く受け取って

 私と同じようにサイズが変わったことに驚いて、しげしげと見つめる

 ハリネズミ君がむいて食べるジェスチャーをして、食べ物だと理解したらしく

 まったく躊躇う素振りも見せずに食べ始め、美味しいと大はしゃぎする

 それを呆然と見ていたチェイスが、顎あ落ちるんじゃね?って表情になる

 イケ面が盛大に台無しになっているが、それすら気にならないようだ


「それは黄金の果実・・・伝説の聖獣様に認められた者に与えられる・・・」


「あ、そうなんだ。滅茶苦茶美味しかったよ。バナナ苦手なんだけどね私」


「本当にこれ美味しいです! なんかクリームみたいにとろける感じです!」


「あんたクリーム食べた事あんの?」


「訓練中にオヤツでアルベルトさんがケーキくれました!」


「あー、なるほどね。アルベルトは本当、若い子に甘いわね・・・」


「君達は事の重大さが分かっているのか!! 

 黄金の果実を与えられたということは、君達は聖獣に認められし者としてだな!」


「いや、別に、ただのバナナだし。ねぇ?」「はい、美味しかったですよ?」


 チェニスがイケ面を完全に投げ捨てて、頭をかきむしって悶絶しているが

 当のご本人の聖獣様とやらは、レミリアにつんつんされて喜んでいる


「ほら、聖獣様も喜んでるし、いいんじゃない?

 それよりこの聖獣様とやらどうすんの? ついてくるんだよ」


「それはそうだろうな・・・ランバートン殿は女神様の使徒

 聖獣様を呼び起こした者。付き従うのは当然だろうな・・・・・」


「そうなの? じゃあ、それで問題がないならいいけど

 後で国王陛下とかから、国の大事な聖獣様を攫ったとか言われない?」


「そういう馬鹿なことを言う教会関係者と貴族は居るかもしれぬが

 言った所でどうなる? 女神様の使徒であるランバートン殿を止められるのか?」


「そのさ、法で問題になろうがあんたの武力は阻止できないから仕方ないみたいの

 バルロイもいってたけど、私そんなに暴力でなんでも解決じゃないんだけど」


「しかし事実だ。残念ながらそれが現実だ

 表の50を越える死体を見てきたが、あんな死体は見たことがない

 それでいてランバートン殿は怪我をした素振りもないどころか、疲労すらない

 そんな相手に法を持ち出したところで、何の意味もないだろうな」


「まあ、引っかかるところはあるけど問題がないならそれでいいんだけどね

 私はとっととアルムの村に帰って、村の防衛と開発に従事したい

 まあ、その前にアーミーゴブリンの討伐証明箇所だなんだ提出して

 名誉男爵とやらを頂戴して固有兵力の所持許可を貰うけどね」


「何を馬鹿なことを・・・名誉男爵? ランバートン殿、見当違いだ」


「あ、アーミーゴブリン程度じゃもらえない?」


「逆だ。今回のワグナー伯爵の件が事実だと確認されれば

 王家の反逆を阻止した英雄になる。それに女神様の使徒であり

 永く眠りに眠りに就かれておられた聖獣様を起こされたのだぞ?

 望めば何でも手に入る。それを名誉男爵とは・・・・」


「いや、名誉爵位がいいのよ。正規爵位もったら領地運営とかあるじゃない

 私はこの世界に攫われてきて、初めて手を差し伸べてくれた

 ガフ・レイモンド男爵の助けになりたい。それだけなのよ

 英雄だ、名誉だ、権力だに興味は無いのよ。面倒なだけだから

 ただ私の能力を生かすのに固有兵力の公式な所持許可が欲しいだけ」


「そういうことか・・・ならば、レイモンド男爵にも何かしら与えられるだろう

 おそらく伯爵に格上げされて、ワグナー領が下賜されるであろうな

 いやまてよ・・・レイモンド伯爵に女神様の加護の刻印が認められたら

 公爵もありえるかもしれんな・・・・・」


「あのさ・・・12歳の男の子にどんだけ負担背負わせるわけ?

 村の運営だって大変だってのにそんな面倒おしつけてどーすんのよ?

 ガフ君に負担あんまかけて泣かせたら、国滅ぼすよ?」


「冗談なのか本気なのか分からないところが怖い話だな・・・」


「レイラてめぇ・・・ぜぇぜぇ・・・滅茶苦茶疲れたぞ・・・・」


「バルロイお早い御着きで。では皆、出発!」「まて休ませろ!」


 全身汗だくで息を上げているバルロイを誰も一瞥もせずに

 皆は立ち上がって移動を開始した


「おまえらふざけんな! 俺はあの階段を「そんだけ怒鳴れるならまだ行ける」」


 私の言葉でバルロイは項垂れたまま歩き出した








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