接触 1
王都まで11キロちょいの地点に着陸した私達は
ここから王都まで時間をかけて歩く気がないので
ザロス君を私がおんぶ。レミリアをバルロイがおんぶして
身体能力異常者による高速走行で付近まで走ることにした
「あばばばばばばばば・・・馬より早いってなんですか貴方は!」
「バルロイ様はやーい! すごいすごいすごい!」
「レイラちょっと速度落とせや! 重くてつれーんだよ!」
「バルロイ様酷いです!! 私重くないです!!」
「男なら黙って走れ酒飲み中年!」
土煙を上げながら10分程疾走し、そこで二人を下ろす
二人を下ろして、駆け足で王都までいこうとしたところで
ザロス君が腰が抜けてまともに歩けないことが判明
仕方が無いので私とおっさんで手足をもって運ぶ
「たくだらしねーな・・・お前それでも騎兵かよ?」
「・・・もう何も反論する事が出来ませんが、貴方達は異常ですよ・・・」
「んなこといってもねぇ・・・後ろの14歳はぴんぴんしてるけど・・・」
「・・・ふふふ・・・どうせ私なんて・・・
少女にすら意志も・・・肉体も・・・劣った・・・ゴミですよ」
「おい、そろそろ着くぞ、流石に自力で歩け!」
ザロス君を下ろして、一通り身だしなみを確認する
私、ザロス君、レミリアは、Call to Stormの世界の服を着ているので
非常に質がいい。まあ、どこぞのお貴族様のレベルだ
それに対しておっさんは・・・・・・・
「なあ、バルロイ、申し訳ないが、匂うし、ボロいし、なんとかならんか?」
「・・・・・・・・お前らのその服が異常なんだよ・・・・」
おっさんはふてくされて、つかつかと門に向かってしまった
これ不審者としていきなり矢を射掛けられたりしないだろな? と不安になる
「停まれ! 夜間は王都への門は閉鎖されている。ここを通ることは出来んぞ!」
案の定、結構な距離からバルロイがみつかって、門の上にいた兵士に大声で警告される
「聞いてくれ。俺はAランク冒険者の疾風のバルロイだ。緊急の要件があり王都に来た
Aランク冒険者は夜間の王都に対する入退許可がある。確認してくれ」
「疾風のバルロイ・・・龍喰らいのオルムのパーティーだったあのバルロイか!?」
「そうだ、ってその声はミゲルか。久しぶりだな!」
「久しぶりどころか6年は会ってないですよ!
今確認のために部下を遣りますので
もう少し進んでそこで待っていて下さい!」
すげー・・・なんかバルロイって普段ぱっとしないけど
騎兵のときもそうだし、今もそうだが、この国じゃ本当に英雄なのね
でもタダ酒集るし飯も集るし、英雄ってそういうもんなんだろか?
門の脇にある小さな通用門のようなものが開いて、2人兵隊が出てくる
兵隊は一応規則なのか、武器を抜いて油断せずにバルロイに近づくと
バルロイが首から取り出した、ネックレスのようなものをもって
一度通用門のような場所の中に戻って姿が見えなくなった
10分くらいすると、また戻ってきて
「確認できました! ご無礼をお許し下さい」
と、二人がバルロイに膝をついて詫びをいれていた
「後ろに居るのは俺の同僚と連れだ
あの女がレイラ。俺と同じでレイドック男爵に仕えている
そこの男がザロス。ワグナー伯爵に仕えている騎士だ
そこのちっこいのがレミリア。レイラの侍女だ
この4名の夜間緊急入場の許可を貰いたい
緊急の要件があってどうしても王都に入る必要がある。許可もらえるか?」
「はっ! バルロイ様が身元を保証されておられますので
全く問題ありません! 通用門からになりますがお入り下さい!」
兵士に案内されて、ぞろぞろと通用門から中にはいる
通用門の中は扉が4重になっていて、万が一ここを突破しようとしても
中で足止めされて上や横から攻撃される仕組みらしい
まあ、そうでなきゃ、このちっさい方壊したほうが早いもんね無理に入る人は
「さてと・・・まずは酒場だ。そこに運がよければ目的の人物がいる」
バルロイが足を止めずに早足で歩きながら、目的地についての説明と
これからの簡単な手順を説明していってくれる
「何件か回るかもしれんが、俺のツテがある人物は運がよければ酒を飲んでる
酒場でそいつに出会えれば運よく話が進められる
それが駄目なら城に行く。討伐の英雄の名を最大限に利用する
それでも駄目だというなら、仕方が無いので実家の名を出す」
「それ廃嫡されてたら不敬罪とか詐欺とかならないの?」
「まあ、なるかもしれんな。その時は防壁ぶちこわして逃げるしかないな」
「ここにブラックホーク呼ぶわけにいかないからね・・・
あんたらの反応見るかぎり、食われるパニックで大変なことになる」
「あんなもん何も知らんでみたら、魔物の襲撃だと思われるだろうな」
殆ど明かりもなく、まったくといっていいほど騒音もない静かな夜の町並みを
こつこつと靴が石畳の道を歩く音だけが当たりに響く
あまりに騒音がないので、この足音が驚くほど大きく聞こえる
町並みは中世ヨーロッパのような石造りの建物が建ち並び
奥に行くほど、漆喰のような物を塗った白い壁面の建物になっていく
「なるほどね。入り口付近は可燃物を押さえた上に装飾も最低限
外部からの攻撃に対しての火災対策ってことか
で、中心にいくほど高級物件になっていって、装飾がついていくと」
「まあ、そういうことだ。しかしレイラらしいな、そういう視点で見るか」
「まあ、癖かな。他人の基地にいったら防御から見ちゃうからね」
「ここは基地でなくって都なんだがな」
バルロイが苦笑しながらそういって話を終わらせた
どうやらそろそろ、目的の酒場とやらが近いようだ
バルロイは、とある建物の前で停まるとためらわずにドアを開けた
[煌きのランプ亭] 掲げてある看板にはそう書いてあった
バルロイに続いて中にはいると、カウンターが道路側にあり
奥にテーブル席がいくつか。それと入り口正面左に登り階段がある
たぶん上が宿屋か何らかのサービスをする店なんだろう
バルロイはカウンターに近づくと、指を鳴らして店員を呼んだ
「久しぶりだな、デノス」「お・・・お前バルロイじゃねーか!」
店内にまばらにいた客の視線が一斉にバルロイに集まる
バルロイはそれらに、一瞥だけくれてすぐに視線を店員に戻す
「いつ王都きたんだよ! 本当に久しぶりだなおい!!」
デノスとバルロイが呼んだ男は、カウンターから身を乗り出し
バルロイの肩を左手でバンバン布団をぶったたくように叩いている
これダメージあるんじゃねーか? って思うレベルの勢いだ
が、バルロイは問題ないらしく、愛想ではなさそうな笑いを浮かべて
そのおっさんの右手に自分の右手を差し出して、握手をしていた
あ、この世界は握手って習慣があるのか。と確認できて幸運だった
「都に入ったのはついさっきだ。急ぎの用事があってな
それで聞きたいんだが、チェイマンは来てるか?」
「まだ来てないな。たぶん半刻もすれば来ると思うぞ
5日前にきたときに、こういってたからな
次は5日後にくるからいつものを用意しといてくれと
あいつはほら、巻貝が好きだろ? あれをこの時間に食うには
予め言っといてもらわないと用意できないからな
前になんで無いんだってぷんすか怒ったんで
あんな腐るのが早くて他の客には不人気なもんを
来るかもわからん客のための置いとけるか!って
どなっちまったら、来る日を毎回言うようになったからな」
「そりゃ良かった。どうやらツイてる俺達は
ところでデノス、連れを紹介してもいいか?」
「あああ、こりゃお客様に大変失礼を致しました
どうぞどうぞ、汚い親父の小汚い店ですが
宜しかったらこちらのカウンターにどうぞどうぞ!」
半分冗談めかした言葉を口にして、デノスは私達に手招きした
なかなかこのおっさん面白いな、ま、バルロイの知り合いってことか
「レイラ・ランバートンよ。バルロイと一緒に仕事をしている
こっちはレミリア。私の仕事を手伝ってもらってる
そちらのはザロス。私達とは別の貴族に仕えてる騎士よ」
「あんた、貴族か?」
「苗字はあるけど違う。遠い国の出身なのよ
私はしがない元傭兵で、今はレイドック様のとこの兵隊よ」
「バルロイの嫁か?」「無理、それはあり得ない、勘弁して・・・」
デノスは私の返答に、思いっきり笑って腹を抱えた
「なあ、レイラ・・・普通に 違う でいいだろそこ・・・・」
「想像したらもう口から出てたわ
朝起きて、レイラめしー・・・オレンジの魚の焼いたの頼むわ
昼になって、レイラめしー・・・昼はバーガーとエール頼むわ
夜になって、レイラめしー・・・ガッツりステーキとか頼むわ
夕飯終わって、 レイラさけー・・・エールな、まずあれ頼むわ
これ想像しちゃってさ・・・無理、働け糞野郎って思っちゃったら
自然に口から全力否定でてきたわ・・・・・」
「・・・・・・・否定したいが全く否定できないどころか
その理想的な生活はなんだ、素晴らしいじゃないかと思っちまった・・・
俺、いつからこんな駄目人間になったんだ・・・・・・・・」
その時、入り口の扉が開いて誰かが入ってきた
・・・・・いかん、あれはいかん・・・いけませんぞ・・・・
入ってきたのは、金髪長髪の美形だった
修正履歴
2019年9月12日
グワナー伯爵に仕えている騎士だ = ワグナー伯爵に仕えている騎士だ
(これじゃあ砂漠フィールドのボスです・・・・誤字怖い・・・・)




