王都への道 3
「ランバートン様、私これすっごい気に入りました!」
「これで気に入ったって言うなら、そのうちもっと面白いの乗せたげる」
「もっと面白いのってなんですか!? これより凄いのがあるんですか!?」
「これはね、物とか人を運ぶタイプで、そのタイプとしては性能いいんだけど
操縦に関わる人しか乗せられない上に、武器しか運べない別タイプがあるの
そっちだともっと、自分の思い通り動く感じでね、気持ちいいのよ」
「それはいつ乗せてもらえますか!!
帰り、後ろの二人すててそれにしましょう!」
「基地じゃないと配備できないでしょうが・・・・
というか何の為に王都に行こうとしてるのか忘れてるでしょ?」
「うっ・・・・すみません、ランバートン様」
あれからグーデリアン君の支援の下で、レミリアにUH-60Mを操縦させている
《あのさ、Call to Stormの中のヘリ訓練プログラムあるじゃん?》
《はい、それがどうかしましたか?》
《王都までの設定航路上で、危険がなく出来る部分をさ
その航路上に設定してレミリアにやらせるって出来る?》
《ああ、それは良い案ですな。可能です》
というグーデリアン君とのやりとりの後に操縦を変わったのだが
どうやらこの子は天才肌ってやつらしい。かなり筋がいい
とくに進行方向と機首の方向が違う、回転翼特有の挙動
これへの理解が追いつかなくて、回転翼の操縦をAIに任せる
プレイヤーはそれなりに多いのだが、この子は一発で理解した
それどころかあまりに飲み込みが早いので、グーデリアン君が
「そこで最大加速して180度回頭してバックで全力にしてみましょう」
「はい! やってみますグーデリアン先生!」
という、結構面倒なベクトルがつく機動をさせてみたのだが
一発で全力機首回頭からのバックに入りきっちりカウンターもあてた
その時はキャビンから「うぢゅぅぅぅぅ!」「うびぃぃぃぃぃ!」
という、う行の苦悶しか唱えなくなっている乗客2名の抗議があった
「しっかし、ほんと末恐ろしい14歳ねあんた。一発目でここまで動かすか」
「もっと褒めて良いんですよ? それとご褒美とかあっても良いんですよ?」
「ザロス君の件でもそれは考えないとか・・・
まあ、レミリアだけってのは私の好みじゃないんで、全員に何かをでいい?」
「あ、それは逆に嬉しいです。私も一人だけ特別にとかは少し気が引けるので
でもでも、ガフ様の肌着とかこっそり私だけにくれるのはいいですよ?」
「レミリア、そこのドアから空飛んでみる?」
「ごめんなさいごめんなさい!! 調子にのってましたごめんなさい!」
「てか14歳で12歳の異性の肌着とか欲しがるってさ・・・
レミリア、あんたも立派な変態への道歩んでるわね・・・・・・」
「そんなに褒められると、私困っちゃいます!」
「褒めてない! お前の頭の中どうなってんだおい!」
「マスター。そろそろ目標地域が視認可能です」
「レミリア、高度下げて、200まで。下げたら速度落としてホバリングに
王都15km.以内には接近しないで。小型のUAVだして着陸場所を探す」
「はーい! 高度200まで下げてホバリングですね!」
「グーデリアン、レミリアのフルサポートお願い
やばそうなら操縦すぐ代わって」
「了解であります!」
シートベルトを外して席を立ち、キャビンに移動する
機体がかなりの角度と速度で降下にはいった
こういう時フルボーグは便利だわ・・・よろける気配すらない
が、後部キャビンで青い顔をした二人にとっては地獄だ
急激な降下で妙な浮遊感が追加される上に
降下加速でシートに体を押し付けられて斜め後ろにひっぱられるような
地面で生活していれば体験しない方向へのベクトルが発生したわけだ
さらに顔色を青くさせて、う行の苦悶を唱え続ける二人に
「マジはかないでよ、あと5分くらいだから根性で凌いでよ?」
と念を押す。二人はう行の苦悶を唱えながら、ぶんぶん首を振った
「ランバート様、高度200まで降りました。減速してホバリングしまーす」
「ほいほい、お願いって、うおっ!?」
レミリアは先程練習した、180度回頭を応用してそのまま前傾姿勢を保ち
機体の後ろに向かって進む状態にして、前に推進力を当てる形にして
相殺して短時間で停止させる という荒技を難なくこなした
これはとんでもないGがかかる上に、中の人間には負担がかかる機動である
ふと、キャビンの椅子を見ると、バルロイとザロス君が
口から梅干をぽとっとおとして、泡を吹いて白目を剥いていた
まあ・・・これはレミリアの所為だからノーカンにしてやろう・・・・
キャビンのドアをあけて、ホイストをベルトにひっかける
そのままホイストをグーデリアン君に操作してもらって
10メートルほど下ろして宙吊りになる
インベントリから以前つかった、RIM-43 レッドホークを取り出し
王都方面に向けて、水平より心持下を向けて発射する
ホイストを巻き上げてもらい、キャビンに戻ってドアを閉める
「グーデリアン、人に見つからないで着陸できるとこ探して
可能な限り王都に近い場所がいいけど、これみつかると厄介だから」
「了解しました!」
「レミリア、微速で進んで」「はーい、了解でーす!」
すぐにグーデリアン君が、比較的目立たずに降りれて
降りた後に偽装ネットかければバレにくい場所を見つけてくれる
「レミリア、難しいけど下ろすのやってみる? 」
「やってみたいです! やらせてください!」
「5分以上かかった交代するからね。ま、やってみて」
初回じゃまあ、無理かな? とおもっていたが
恐ろしいほどすんなりとレミリアは着陸させやがった
最後のショックはそこそこ大きかったので満点とは言えないが
この子は明らかに天才的な素質があると思わせる及第点の着陸だった
レミリアにエンジン停止の処理を任せて
先に降りて膠着装置の車輪に車輪止めをかませていく
機体から離れてローターが停止して下がってくるのを待って
偽装ネットをとりだして機体にかぶせてワイヤーで固定する
偽装が終わったところでキャビンの根性なし2人をひきずりおろす
「レミリアはどうする? 一緒に行く?」
「この服で王都の入り口、入れないと思うんですよ・・・・」
「あー・・・服ね・・・ちょっとまって、なんか出すわ」
適当に被服系ガチャの服を出してレミリアに見せていくと
目を輝かせ飛びつかんばかりの勢いで服をがん見していく
その中で、アリスシリーズという不思議の国のアリスをモチーフにした
青いドレス系の服がレミリアのお眼鏡に叶ったようだ
「でもさこれ、スカート膝上だけどこの世界ってそれアリなの?」
「そこなんですよ・・・ちょっとスカートが短いんですよ・・・」
「下にタイツはくってのも無いよなー・・・あ、そうか」
私は自分のみたいな礼服でいいだろ? とおもって
アメリカ陸軍士官礼服を取り出してレミリアに渡した
「まあ、可愛くないけどこれでどうよ?」
「あ、これいいですね。ただ、できたらなんですが・・・・」
「できたら?」「ランバートン様と同じ白がいいです」
「あ、そうね、統一性あったほうがいいわね」
ということで、海軍の1941年型仕官服を取り出して渡す
現行モデルよりスカートが長いのと、タイトではないので
この時代の服に対して、まだマシだと思われるレベルのデザインなので
とりあえず良いのがみつからなかったのでこれで妥協する
「これもスカートが短いは短いんですけど
凄く落ち着いた感じで相手に変な印象与えないので
この白い服は凄く素敵だと思います!」
「まあ、私の世界では古い服だけどねそれも。80年くらい前のモデルか」
「これで80年前の服なんですか・・・ん? 世界??」
「ああ、それについては何れ話すから、今は気にしないでおいて」
「はーい」といって、その場で服を脱ぎだすレミリア
「まておい、キャビンで着替えて来い」
「二人とも気絶してるし
私みたいな子供の裸見て喜ぶタイプでもないでしょ?
だったらここでいいじゃないですか」
気にする事なくすっぽんぽんになって、下着と肌着をつける
ストッキングのはき方がわからなくて手間取ったので手伝う
付属のハイヒールをはいて、歩けるか不安だというので
パンプスタイプの靴をインベントリから漁って渡す
制服を身に着けて仕官帽を被ったところで
マガジンポーチつきショルダーホルスターを渡して
上着を一度脱がせてから装着させる
拳銃は9ミリでいいかとGolck17を渡す
Glock17はオーストリアのGlock社が開発した傑作拳銃で
フレームもスライドもポリマーという化学素材で出来ている
内部はもちろん、金属素材が使われているのだが
金属製のフレームとスライドの銃の場合、どうしても重量が重くなる
それと寒い場所で使用した場合、手袋なしだと皮膚に張り付く危険性がある
元々、銃器メーカーではなく化学素材メーカーだったGlock社が
銃器メーカー特有の古い概念なしで設計、開発した銃だけあって
リリース当時には新機軸と新素材の塊であるこの銃は、酷評された
しかし軽さ、装弾数の多さ、使いやすさ、このバランスが絶妙に良く
それでいて導入コストも優れたこの銃は大ヒットした
特に警察官に評判がよく。仕事中つけていて腰の負担が減ったといわれる
武器というのは常に使うものではなく、偶に必要に応じて使うものだ
これは警察であろうが軍隊であろうが、実際そうなのだ
そのため、軽いというのは、それだけ体力の消耗を減らせる
いつ撃つか分からない状況のために、高性能だが重い荷物をぶら下げて
街中を歩いて警備するというのは、毎日だと肉体にかなりの負担をかける
その点Glockは、軽いし弾も多いし、いざってときも頼りになると
武器を携行する者の必要要素の多くを満たしていたのである
「それの使い方分かる?」
「はい! いつもと同じで持ったらわかりました!」
「それ本当にいいのかね・・・・」
「ランバート様の指揮下に入ってこの能力が付いたことで
私ってなんか変わりました? 今までと同じだと思いますよ
ランバート様はそこを気にしすぎですよ。もし変わったとしても
私は逆に便利だし、それに、それでお役に立てるなら嬉しいので良いんですよ」
「そういうもんかねぇ・・・・・」
こちらの準備が整ったので、根性無しペアに水をぶっかけて起こす
二人は はっ と意識を取り戻し、周囲を見渡して
それから口を開けて中を確認して、何もないことを確認すると
「悪魔の実がとれたああああああ あれはやばかったあああああ!」
「あれは凄まじい味でしたね・・・アレは人の食べ物じゃない・・・」
・・・・解せぬ・・・ただの梅干だろあれ?・・・・
気になったのでパックを取り出してラベルを見るとこう書いてあった
酸っぱさ200倍 タフな漢の超限界梅エスニック風味
・・・・・・二人とも、ごめん・・・・
修正履歴
2019年9月15日
王都15以内には接近しないで = 王都15km.以内には接近しないで




