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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第一部 アルムの村編
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胸騒ぎ

「ま、もらうもんもらって、しばらく地盤固めして

 安定してから王都の見学と買い物はすればいいか」


「まあ、そういうことだ。それにまだ少し先の話だしな」


 おっさんと大雑把なこの先の予定を話して曖昧な段取りの確認をしつつ

 ユニットを呼んで指示を出してしまったため、何気に遣る事がなくなった

 

《オリマー、ジール、上の建物ってどれくらいで出来そう?》


《昼過ギマデニハ、建物出来上ガルネ!》


《デモ、ウッドデッキハ夕方マデカカルネ!》


《ウッドデッキを後回しにして、内装を夕方までに出来る?》


《《頑張ッテ仕上ゲルヨ!》》


《じゃあ、内装を夕方までに仕上げでお願い

 あの子達、屋根のあるとこに入れてあげたいので》


《Oh! 住メル所マデ! テキーラ飲ンデ頑張ルヨ!》


《貴方達、酔うと脱ぐから程ほどにしといてよ?》


《大丈夫ネ! オ酒ニハ負ケナイ!》


《インベントリにある家具類は好きにつかっていいからそれで手間省いてね

 あんまり高級すぎる仕上げにしないで、落ち着いた雰囲気でね》

 

 嘘こけ、二人ともしょっちゅう基地内のゴミ箱のとこで寝てただろ

 と思いながらも、言わずに思考伝達通信の相手を切り替える


《アルベルト、戦闘知識が添付されてるか確認したい

 彼女達に小銃を渡して一通りの説明して使えるか見て

 与える小銃の選択は任せる。実包は配布しないように

 で、それが終わったら建設の支援に回って

 夕方までに居住可能に上物仕上げて入居したいんだわ

 あと昼食は、ガフ君と相談して、現地食材をなるべく使って

 現地の食材を可能な限り簡単で美味しくする料理でお願い

 備蓄物資ばかり使うわけにもいかないからね》


《畏まりました、レイラお嬢様》


 もどってる、お嬢様に戻ってる。突っ込むと揉めそうだからもういい

 しっかし、体がある配下が3人きただけで、物凄い楽になったわ

 ただ不安があるとすれば、ワグナー伯爵の動きか

 既にニルン村の壊滅からは最低でも一ヶ月は経っている

 ただこれも、あの洞窟の中でユミア達がそう思った時間なので

 実際にニルン村が壊滅してからどれくらい経過しているかは不明

 そしてその情報が一切、アルム村に来ていない理由も不明

 そもそもゴブリンの巣穴だった洞窟は、アルム村の近辺にある

 ここから大体、12キロの距離・・・・あれなんかおかしい?

 ニルン村の場所ってどこ? ここよりあの巣穴に近い?


「バルロイ。ニルン村ってのの場所はどこ?」


「ん・・・あ?・・・えーっとだな、ここから西に街道を半日だな」


「・・・バルロイ。何故、あの洞窟のゴブリンは、ニルン村を襲った?

 アルム村のほうが圧倒的に近いんじゃないの?」


「・・・・・・・・言われてみればそうだな。ここならあそこから

 ゴブリンどもの足でも3時間程度だな? なんで遠いニルン村に?」


「村が壊滅した事実も情報がこない

 ユミアが言っていた話からすれば、村が襲われたのは一ヶ月は前

 この一ヶ月の間に、このアルム村に、外から人は来たの?」


「馴染みの隊商のターフが来ただけだ、仕入れだけして帰ったな」


「つまり、ニルン村の生き残りが万が一にも来ているかの

 情報収集の為に派遣された人間は、来た気配が無いのね?」


「・・・・レイラ、どういうことだこれは? 何かがおかしい」


「でしょ・・・目の前の事にばかり気を取られて、全体が見えてなかった

 あのゴブリンの巣穴には、バルロイが言った古代のなんとからしい

 苗床になった何か、もしくはその残骸、それらが無かった

 そしてユミア達は、肉体が変異していたが出産をした気配がない」


「どういうことだ?」


「醜い体 とは彼女達はいった。でも、化け物を生んだ は言っていない

 あの状況で強い記憶に残るなら、体の変異は絶対だ

 だが、まだ人間の好いた異性とのそういった経験もないのに

 異種族に行為を共用されて子を産んだのなら、それも強く残るはずよ

 それらは無意識に、自分がされた被害として口に出るはずよ・・・・」


《アルベルト。ユミアにこちらに来るように伝えて》


《畏まりました》


 何かがおかしい、それが何か欠片もまだ見えてこない

 

「ランバート様、お呼びですか?」


「ユミア、悪いが傷を抉るかもしれない質問をする

 もしかしたら重要な事かもしれないので、申し訳ないが答えて欲しい」


「大丈夫です。何でも聞いてください」


「貴方達の中の一人でも、ゴブリンの子を妊娠するか出産するかした?」


「・・・・・・そういえば・・・いえ、一人もそれはありません

 それどころか、肉体はあんなにされましたが・・・その・・・・」


「妊娠に結びつく行為をされたこともない?」


「・・・・はい・・・そうです・・・・」


「バルロイ。この村に、14~20歳の年齢の娘はいる?」


「いや、いまは居ない。他の村の手伝いや出稼ぎに出ているのはいるが」


「それはいつから?」


「一番遅かったのはカレナだから・・・2ヶ月半ってところか?」


「ユミア、あのネズミ顔のバルロイも分からない魔物

 あれについて何か記憶はある?」


「えっと・・・あの魔物は、一番大きなゴブリンとよく一緒にいました

 それでよく、何かを話したり、一緒にお酒を飲んだりしていました」


「話の内容について何か単語でも覚えていない?」


「えーっと・・・えーっと・・・・あ! 帝国について何か言っていました」


「内容は覚えていない?」


「距離が遠かったので聞こえたのは、帝国めって叫んだくらいで」


「わかった、嫌な事を思い出させてごめんね。これ、後で食べて」

 


 インベントリからチョコバーを取り出してユミアに無理やり握らせる

 私の表情から何かを察したのかユミアは何も聞かずに戻っていった

 考えろ、考えるんだレイラ・ランバートン。頭でずっと警鐘が鳴ってる

 何か分からないけど、間違いなく面倒な事になると私の勘が警告してる


《アルベルト。サプレッサー付の銃を使用していい

 今すぐ、5名の新兵に戦闘訓練を開始して。最低限、陣地防衛線

 これが出来るように最短で仕上げて。何度も命令を変えてごめん》


《畏まりました! 直ぐに訓練を開始致します!》


《オリマー、ジール、ドラッグスタビライザーの使用を許可する

 使用薬物の制限も合わせて解除する。最大限の効率で作業を行って

 建設中の上物を早急に完成させて立て篭もれるようにして

 村人全員が入れるように地下の拡張も合わせてやって

 そっちに追加のユニット回すから悪いけど頑張って》


《《イエスマム!!》》


《グーデリアン、追加で工兵を2ユニット派遣させて

 出現地点はオリマーの最寄地点でお願い

 出現したら即座にオリマーとジールの作業を手伝わせて》


《残念ですが、仮ベースではあと1名までの計4名までです》


《なら1名でいい。とにかく急いで作業を進めさせて》


《回収されたランクが高いユニットでよろしいですか?》


《タイゾウ・ホリイがいたら、彼を派遣して》


《了解しました。タイゾウ・ホリイを支援要請で派遣します!》





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