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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第一部 アルムの村編
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わたしのかんがえた さいていのきち(サイズ)

「さてと、オリマーとジール。早速お仕事」

「「アイアイサー ボス!」」


 双子設定のオリマーとジールは、仲良くスキップしながらこちらに来る

 というかこの二人、暇してると踊ってたり歌ってたり飲んでたりと陽気だ


「マイベースの設置をしなきゃいけないのよ

 場所はこのへんからこのへんね」


 仮想ウィンドを開いて、ガフ君とバルロイに地図上でも確認してもらい

 正式に貸与許可を得た土地のエリアをハイライト表示にして示す

 

「それでね、地上には、居住施設となるそうね・・・・

 二階建てくらいの、石造りの湖畔の静かな宿みたいのを建てて欲しい

 崖から突き出したウッドテラスもあると景観的にいいと思う

 ウッドテラスから崖に面した、折り返し階段を湖面まで下ろして

 そこに釣りとか遊覧用のボート程度の桟橋もつけといて

 で、本体はこの崖の中を基点とした地中に基地部分を作る

 崖の一番下の水面付近には、偽装扉をつけてドックにして

 運用想定艦はフリゲートまででいい」


 グーデリアンがいくつか検討していたプランを戦術リンク経由で示す

 オリマーとジールは私の話と提示されたプランを検討して

 このプランをベースにボスの意見を取り入れると、このくらいでと

 建設期間と必要資材等を各プランごとに細かに提示してくれる


「それとね、地上部分が南に結構あるでしょ

 地下からの車両の出入り口とその上に立てる偽装施設

 まあ、大きな納屋でいいんじゃないかな? そういうのもいる

 あと、回転翼とVTOLの運用も行いたいので

 普段はそれとわからないように、着陸パッドも配置してほしい」


 VTOLというのは、偏向ノズルという稼動する排気ノズルを装備した

 垂直に離着陸できる航空機の事である。日本語だと垂直離着陸機

 正式名称は Vertical Take Off and Landing Aircraft

 このタイプの飛行機は、どこからでも離着陸できると考える人が多いが

 高熱のジェット噴流を真下に叩きつけるので、アスファルトは溶けてしまう

 下に植物がある場合は火災を引き起こす危険性もあるのでこれも適さない

 また物凄い噴流が出るので、小石等の異物がある場所での運用は

 巻き上げた異物をエンジンに吸い込み故障や墜落の危険性がある

 その為、簡易着陸施設を用意する場合、コンクリートの平坦な場所か

 緊急展開等で使う、耐熱処理を施した着陸パッドという輸送可能な

 簡易専用着陸施設を用いるのが安全と言われている


「ンー、着陸パッドハ、使用時ニ展開式デモイイ?」

「うん、それで構わない」

「ボス、回転翼ノ運用サイズハドレクライマデ?」

「V-22かCH-53Kが運用予想最大サイズのなんだけど

 どっちの方が大きいんだっけ?」

「幅ハV-22ネ。長サハCH-53Kネ」

「じゃあ、35×35m.のパッドでいけるかな?」

「「ソレデ大丈夫!」」


 V-22というのは、ティルトローターという方式で有名な

 プロペラ飛行機とヘリコプターを足して2で割ったような輸送機である

 エンジンごとプロペラが稼動する構造になっており

 真上に向ければヘリのような。水平に向ければ飛行機のような挙動が行える

 そのため、今までのヘリコプターに比べると圧倒的な速度を出す事が出来る

 

 CH-53Kというのは、米国が開発運用している大型のヘリコプターである

 こちらは牽引力がとても強く、155m.榴弾砲を吊り下げて運搬したり

 機雷処理を行う小型艦艇をワイヤーで牽引できるほどの出力を誇る


 V-22は主に兵員の輸送と長距離作戦に対応するため

 CH-53Kは湖で水上軍事力の衝突があった時のために運用を考えている


「とりあえず、上限500人規模の基地で考えておいて

 足りなくなったら拡張対応することを見越した設計でお願いね

 それじゃあグーデリアンに監督権とインベントリアクセス権を付与

 二人はグーデリアンに申請して許可もらって資材とか取り出してね

 現場の手が足りないとかあったら、アルベルトに支援要請してね

 それじゃあ、私は他の用事してくるので、後お願いしますね」

《了解しました!》

「「了解ボス!」」


 仕事を与えられて嬉しいらしく、二人は土煙を上げて

 建設予定地へとフルダッシュで走っていった

 グーデリアン、オリマー、ジール、この三人?は

 既に20回以上の基地の建設を行ってきた経験を持っている

 そのため、過去に設計施設した基地をブロックごとに

 モジュールユニットとして組み合わせ組み立てる建築方式を確立している

 なので、適当に こんな感じ と指示すれば、ほぼ求める物が出来上がる

 彼らと過ごした8年間の経験は、こういう時にとても役に立つ


 そしてこの三人は、癖もあるし仕事がないと馬鹿をしたりもするのだが

 仕事が入って、明確な計画がある場合の作業速度は驚異的である

 特にオリマーとジールは、建築の能力を底上げするため

 小基地を作っては壊す、作っては壊すを繰り返して

 膨大な量の資源を無駄にして半年間鍛え上げをした為に

 サイバー戦闘工兵まで兵士ランクが引き上げられている

 フルボーグの私やサポートロイドのアルベルト等には性能は劣るが

 AI工兵としては限界付近までその能力は成長している

 

 さてと、次は新兵の様子見か

 アルベルトは彼女達の現状の確認と、何を優先で教えるべきかを

 決定するために彼女達と個別に面談を行っているようだ

 面談を受けていない者には、腕立てとスクワットをやらせている

 これは邪魔しないほうが良いなと思い、ガフ君とおっさんの所に戻る


「基地は建設指示だしたので、たぶん上の建物が最初に出来上がるのが

 たぶん、日が暮れる前に出来るかな? まあ、内装は明日だろうけど」


「ははは・・・・もうあきれるしかないな。家が一日で出来るって?」


「そう。石造りの2階建てのこじゃれた洋館ならそんなもんよ」


「俺はこの数日で、人生の価値観が何度も書き換えられて疲れたよ」


「止めいる?」「殺すな!」


 出しっぱなしの椅子に座り、ガフ君に向いて


「本当にこのまま進めて良い? 私が名誉男爵になって

 彼女達にワグナー伯爵が手を出せなくなったら

 このアルム村に対しての嫌がらせや経済妨害があるかもしれないよ?」


「元々、外部からの行商人も少ないですし、経済的な妨害は

 この村にはあまり効果が無いと思います

 嫌がらせについても、バルロイさんがいますから大丈夫ですよ」


「なんせこの件で一番怖いのは、武力衝突と決闘なんだけどな

 そこの心配がさっぱりないので、俺も楽観的に見てられるんだよ

 ということでだ、お前さんは、いつだったら王都に出発できる?」


「へ? 王都?」


「そうだ。討伐部位をもってギルドにいって、収めて実績を作る

 それから2日程度あちらで待機すれば、王城からお迎えがくる

 後は名誉男爵をもらってここに戻る。簡単に言えばこういう手順だ」


「実際はもっと複雑でメンドクサいんでしょ?」


「そこは俺が全部やるから、レイラは宿で飲んでればいいさ」


「あの・・・王都見学とか、買い物とか、ちんぴらと殴り合いとかは?」


「王城から迎えがくるまでは、目立たないようにしてくれ」



 

 




 

 

 

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