洗脳?
「で、グーデリアンとアルベルトの結論は?」
「恐らく、マスターの予想通りかと。新兵ランクの最低限の教育が
既に施された状態にあると思われます」
「レイラお嬢様と、グーデリアン殿のご推察通りかと思われます」
グーデリアンの声が周囲に聞こえないと、独り言の危ない人なので
なんかいい方法ないかね? とグーデリアンに相談したところ
過去のPen-Gooooo!コラボイベントで獲得したルームグッズに
ペンギン型スピーカーがあるのでそれを使ってはどうかと言われ
とりあえず、アルベルトの左肩にのっけてもらうことにした
無理です、あれを私が肩にのっけるとか精神的に無理です
「つまりなんだ、レイラの部下になると、いきなり最低限の
炊事能力とか戦闘能力とか覚えられるってことか?」
「戦闘については確認してないからまだ不明
ただ、行軍能力、連帯意識、炊事能力は確認できた」
目の前には炊き上がった5人の白米がある
返しと蒸らしについてはアルベルトに指導してもらったが
基本的な炊き上げについては口出しをさせていない
出来栄えは、個々の用意した火元の影響による誤差程度らしい
「まあ、うちらはとりあえずご飯にするわ」
アルベルトに食器の用意と缶詰の用意をやらせて
私は少し遠くから5人の動きを観察している
言葉をさして交わしていないのに、何故か連携している動きがある
ふと思いついた事があったので、思考伝達でグーデリアン君を呼ぶ
《グーデリアン、戦術リンクの思考伝達って監視できる?》
《可能です、マスター》
《彼女達が思考伝達を経由して何らかのやりとりをしてるか監視して》
《了解で・・もう発見しました。たしかに、それらしき通信があります》
《やっぱりか。私の指揮下にはいると、戦術リンクにもアクセスできるのか》
《元の世界ではAI兵に自発的な意思がなかったので、見落としていました》
《そこは仕様が違うから仕方が無い。彼女達を一つの小隊として仮定して
小隊内通信的に何か通信が行われているかで観察してみて》
《了解です・・・当たりですね。頭にナンバーらしき思考パルスがある通信が
ごく短時間、作業等が活発になると頻繁に行われている形跡があります》
《となると、彼女達の体内にナノサイバーがあるか確認できる?》
《共振周波数でピンを打って確認します・・・少量ですが確認されました》
つまり、ナノサイバーを体内に何らかの方法で取り入れてるってことか
経口摂取による吸収? インジェクター等による注入? 前者だなこれ
《・・・・私がインベントリから出した食べ物に含まれてるか確認して》
《先程の共振周波数でそれらを確認しています。マスターが出した飲食物
には、ナノサイバーが微量に含まれて居ます》
《これらを摂取して人体に悪影響を与える可能性は?》
《皆無です。またマスターが懸念されているような洗脳等には使えません》
つまり、私の出した食べ物を食べれば、ナノサイバーが体内に入る
で、指揮下に入った場合は、戦術ネットワークにアクセスできる
つまり体内のナノサイバーが、脳のシナプスなんかも部分利用して
思考伝達を行う送受信機能を形成すると・・・・・
んでもって、それを経由して、知識の追加がされるわけか・・・
《どうして洗脳には使えないの?》
《ナノサイバーが行っているのは、戦術ネットワークへの送受信機能
を脳の既存の組織と未使用領域を用いて付与することです
また、その送受信機能をつかって、知識の上書きではなく追加
本を読んで得た知識のような、体験型ではない追加を行っています
その知識は浅い影響力の表層記憶に追加されているようで
人格への影響は軽微だと推測します》
《つまり、私の所為で彼女達の尊厳は侵害されていないでいい?》
《人生への影響という意味でしたら回答しかねますが
戦術ネットワークとのアクセスが可能になったことで
趣向、人格、思想等への影響は誤差レベルであると考えます》
《ん、安心した。有難う。でも継続的に観察をして影響を報告して》
《了解しました》
グーデリアン君との思念伝達を終えて気付いた
私はなんで、そんなことを推論できたんだ?
そこまでサイバーとか脳に詳しい知識はない。ただのOLだった
つまり私も、何かしらのレベルで、知識に干渉は受けてるってことか
ま、フルボーグで指揮官なら、それに必要な知識が書き足されたか・・・
そして今のやりとりから、私の求める答えをかなり推論して先回りして
必要な推論と検証を行っていた、グーデリアン君も影響を受けてるねこれ
仕様が変わったからこうなったのか。誰かの思惑なのか、もやもやする
「ランバートン様、朝食の準備が出来ました! 早く早く!」
レミリアの声で思考迷路から現実に戻る
「ごめん、ちょっと考え事してた。今いくから」
さすがアルベルト、既にテーブルと椅子も配置してくれてる
私は席に着くと、配膳された朝食を見渡した
ご飯が盛り付けられた飯盒の蓋 カップに入れられた味噌汁
それと牛肉の大和煮の缶詰が人数分に、2個の沢庵の缶詰
「初めての飯盒炊飯できちんと炊けたみたいね。よく出来ました
この組み合わせが、野外炊飯での標準的な食事の1パターンです
今後は定期的に野外炊飯の訓練も行うので、覚えておてね」
「「「「「はーい!」」」」」
「では、いただきます」
「「「「「いただきます!」」」」」
ガフ君と違って、疑問を抱かずに いただきます か・・・・
知識の強制的な付与、これは今後、吉と出るのか凶と出るのか・・・




