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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第一部 アルムの村編
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警戒心<食欲

「ガフ君、ちょっと話があるのだけど良いかな?」

 

 私はポケットからハンカチを取り出して顔を拭くと

 ガフ君に歩み寄ってそう告げた


「はい、大丈夫です。何かありましたか?」


「テントを設営したことで、仮陣地を設置したと認められたみたい

 それで、今後の基地建設に必要な人員の派遣要請が行えるようになったの

 新たに何人か、私の部下をここに呼び寄せても良いかなって確認

 ただ、人の形をしているけど人ではない。説明が難しいけど・・・・

 貴方達と全く変わらない人の形をしているけど、おそらく魂がない

 人の形をして、人と同じように考えて動ける、道具みたいな存在」


「それは・・・ゴーレムってことですか?」


「この世界にもゴーレムっているのか・・・それに概念は近い

 ただ、普通に人と全く同じ形をしていて人と同じように動く

 おそらく会話も人と変わらないのでゴーレムだと分からないと思う」


 PTD(携帯型戦術デバイス)を取り出して、私が見ている映像を映し出し

 ガフ君に差し出して映像を見せる。バルロイも横にきてそれを見る

 液晶の上に、白髪をオールバックにして左目にモノクローム眼鏡をかけた

 執事服に身を包んだ温和そうな初老の男性の姿が映し出される

 髪も、眉も、口髭も丁寧に手入れをされていて、上品な雰囲気がある

 画像を回転させて背中を見せる。背中の中ほどまで垂らされた白髪が

 一本に束ねられ、控えめな黒いリボンで纏められている


「私が最初に作成した、サポートロイドのアルベルトって個体

 基本思考パターンは執事タイプで、性格は温和で常識人

 室内での戦闘、防諜及び諜報、資源管理、基地運用を重点にして

 AIという、人間でいえば頭にあたる部分を成長させてる」


「この爺さんが、部下なのか? 使えるのか?」


「室内戦闘で同じ条件であれば、10回やれば3回私が負ける

 アルベルトなら、私不在時のガフ君の護衛を任せても安心できる」


「こんな上級貴族の執事みたいな人が、レイラさんに一応勝てるんですか?」


「真面目に私も訓練するときは、彼に手伝ってもらってる

 身内贔屓なしで、サポートロイドとしては限定条件なら強い固体だと思う

 それにアルベルトは私より能力が圧倒的に高い部分が一つある

 執事能力と基地運用能力の兼ね合いで、料理が私の数倍上手い・・・・・

 私がいた世界のAI料理コンテストで、3年連続1位を獲得してる・・・・」


 ガフとバルロイの体に、落雷が落ちたような衝撃が走る

 あの料理より 数倍 上手い だと・・・・・


「呼んでください!」「すぐ呼べ、今すぐ呼べ!」「現金すぎるだろおい!」

「「「「「ランバートン様、今すぐその方をお呼びするべきです!」」」」」

「貴様らは聞き耳立ててないで与えられた命令を実行してろ!」


 なんだこの、ゴーレムなのかと警戒してたはずの二人が

 飯作るの上手い とわかった瞬間、掌返したような対応は

 この世界、飯作るのうまけりゃ、世界征服できるんじゃないのこれ?


「じゃあ、許可でたから呼ぶからね! 飯につらてちゃって・・・

 グーデリアン、ユニット派遣を支援要請して

 対象ユニット サポートロイド アルベルト 至急でお願い」


《了解であります! アルベルトの派遣を要請します》


「ん? レイラ、誰とはなしてんだ? グーデリアンって誰だ?」


「アルベルトみたいな、AIっていう、人工知能っていうそうね・・・

 人が作り出した人と同じように話せるけど、人ではなくって

 計算がとても凄い存在があるわけよ。私の頭の中にそれが入ってる

 まあ、こういう言い方すると、頭がおかしくなってて

 幻聴と話してると思われるだろうから、今まで言わなかったんだけどね」


《マスター、支援要請が認可されました。アルベルト、出現します》


 目の前に、白い太い線で縁取りされた6角形の曇りガラスのような物が現れ

 それが結晶が成長するかのように目の前で立方体を形成していく

 ガフ君、バルロイ、ユミア、レミリア、パノン、サラ、アエルは

 始めてみる不思議な光景に視線を釘付けにして注目している


「なんだこれは・・・魔法じゃない、魔力は感じない・・・」

「なんか不思議ですけど、綺麗ですこれ」


《マスター、アルベルトの配属が正常に完了しました》


 六角形の謎の物質で構成された立方体が下から崩れるように消えていく

 全てのヘックスが消失した場所には、アルベルトが目を閉じて立っていた


「アルベルト、貴様の現状を報告しろ」


「ああ・・・その声はレイラお嬢様・・・三日ぶりでございます

 自己診断プログラムに異常なし。システム正常。マシーンボディー正常

 いつでも、レイラお嬢様のお役に立てる万全の状態で御座います」


 アルベルトはゆっくりと目を開くと、といって糸目なんだけどね彼

 優雅な動作で一礼をして、右手を下げて左手を胸に当てる

 アルベルトがこの姿勢をとっているのには理由がある

 アルベルトは左手の袖口には複数の投げナイフを

 右手の袖口にはアストラ社のプレッシングピストルを携行している

 つまりいつでも、襲撃に対応するための姿勢なのである・・・・


「早速で悪いけど、グーデリアンとデータリンクして現状を確認して

 これから貴方には、マイベース設置を手伝ってもらうのと

 あと、後ろの5人の新兵の教育をお願いすることになります

 それと私と同率の優先率で、こちらのガフ君の護衛もお願いします」


「畏まりました、レイラお嬢様」


 アルベルトが女殺しと他プレイヤーから呼ばれた品のよい笑みを浮かべ

 足音一つ立てずにガフ君の傍に行き、優雅に一礼する


「ガフ様。本日より、レイラお嬢様の命により

 貴方様の護衛を勤めさせて頂きます、アルベルトと申します

 何かお困りの事や雑用等ありましたら、何なりと申し付け下さい」


「あ、はい! こちらこそ、宜しくお願いしますアルベルトさん」


「ガフ様。上に立つ者が下の者に敬称などつけてはなりませぬぞ

 どうか、アルベルトと呼び捨てでお願い致します」


「あ・・・えっと・・すみません・・アルベルトさ・・あっ」


 アルベルトはこれには苦言を呈せずに、微笑みで応える

 こういう風にまともに育つAIもあるんだよねー・・・・


「レイラ、あの爺さんとんでもなく強ぇだろ?

 身のこなしが只者じゃねぇ。それに仕込み武器何個あんだ?」


「さぁ・・・私もアルベルトの仕込み武器の数は知らないわ

 ただまあ、バズーカだの対戦車ミサイルなんかは持ってないはず」


「なんだその聞きなれない武器は?」


「どっちも下手な城の城門くらいなら、一撃で吹き飛ばす武器」


「そんなもんまであるのかよ・・・・」


「いや、アルベルトはそういうのもってないって

 ただ・・・私と同じブラストナックルもってるから

 城門とかなら、パンチでぶっとばすんじゃないかな?」


「そっちの方が余程こえーよ!」

 

 なんか妙にガクブルになったおっさんはちとほっといて


「アルベルト。インベントリのアクセス権限を私が撤回するまで付与する

 んで、後ろの5人の飯盒炊飯の見回りと指導お願い

 あ、あと、私の作ったお味噌汁、手直しいるならしといて

 それと、久しぶりにアルベルトの入れた珈琲のみたいから淹れて」


「畏まりました、レイラお嬢様」

 

 アルベルトは再び微笑んで一礼した



 

 

 

 







 



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