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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第一部 アルムの村編
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おっさんと私の悪巧み

「俺は事実を全て証言する。そしてお前がその討伐部位を全て提出する

 俺は第二王子と付き合いが少しあるので、裏からも働きかける

 その褒章として、お前が名誉男爵になって彼女らを保護する

 これなら下手に口出しできなくなるんだよな」


「それ、私とこの村にとってどういう利点があるの?」


「これだけの成果を出したら、陛下は褒章を与えなきゃならない

 そこで、レイラの今後に役立つものを貰うわけだ

 名誉男爵は爵位はあるが領地はもらえない、ようするに身分保障だ

 一応、王国から給付金が毎年出るので、食うに困らない金も貰える」


「会社とかの名誉職みたいなものかな・・・ちょっとまだ理解できてない」


「名誉男爵を授与されただけでは、大した意味はないんだが

 名誉男爵を授与された上で、ガフに雇用された場合はこれまた別でな

 正規の貴族に雇用された名誉男爵に対しては、私兵の所有が認められる

 といっても、ガフは男爵なので男爵雇用の名誉男爵だとそうだな

 200名までの私兵の所有ってところだろうな」


「給付金が出て兵力の所持が認められるなら、国防義務が発生しない?」


「その私兵は雇用主の領地の警備、治安維持にあたるというのが建前だ

 よほど大きな、国が滅びる可能性があるような戦争にでもならない限り

 名誉男爵の所有兵力は戦争に借り出される事はない

 領地がないので、国防の義務が正規貴族より重くない

 物資輸送の護衛や人手として出兵しろって話はあるかもしれないながな」


「雇用主の正規貴族が兵力を所持していない場合は?」


「うちの場合はそれが問題になる

 その場合は配下の名誉男爵の兵力を正規貴族が借り上げて

 出兵義務を満たさなければならなくなる。ここが問題点の一つだ

 それと、おそらくレイラの兵力は恐ろしく強いと思うんだ

 それがもし陛下の耳に入れば、勅令で召集がかかる可能性がある」


「私の兵隊の強さか・・・・

 たぶん、5000も呼べば3日で国土を灰に出来るよ」


「3日で制圧でなくって、灰にするか・・・恐ろしいなそれは」


「基地防衛要員に2000 基地の運用要員と補給要員に1500

 航空機の保守整備要員に1500 航空機要員に500

 これだけ呼べばたぶん、一個航空団で6ソティーも出撃さえれば

 この国の主要都市全部を灰燼に帰すことが出来るよ

 ただ投入するのが戦略爆撃機前提なので、コストが悪いけどね」


 おっさんは生唾を飲み込むと、水を飲もうと手を伸ばして

 さっき頭からかぶって空であることに気付いて途中で手を止める

 インベントリからトマトジュースのボトルを取り出して渡す


「これは? 真っ赤だな?」


「トマトって野菜を加工したジュース。個人で好き嫌いがあるけど

 飲んだ後には水分と塩分とビタミン補充が出来て私は好き」


「ん? 面白いな。スープのような飲み物だがスープではない

 俺はこれ気に入ったな。飲みやすくて美味い」


「話戻すけど、200であってもおそらく、この村の防衛であるなら

 そうね・・・湖上からの同時攻撃がないと仮定して・・・・

 この街道方向からの侵攻の防衛でなおかつ敵に航空支援がないとして

 迎撃防衛戦に限定していいなら、6000~8000は楽に防げるかな?

 基地が完成して基地機能が使えるなら、おそらく2万までは防げるかな?」


「200人で6000を防ぐだと! 基地が出来れば2万!?」


「私の世界の100年くらい前の戦闘記録で面白いのがある

 アフリカという地域の部族民が反乱を起こそうとしたの

 現地にいたのはその地域を植民地支配していた英連邦の

 英国本国から派遣された守備兵の3人だけだったみたい

 彼らは事前に反乱の情報をつかんでいたので、陣地を構築して

 ありったけの武器と弾薬を集めて防衛線を決意した

 彼らには、連射が効くマシンガンという武器があった

 それも、水で冷却しながら長時間うてる、水冷式のモデルが

 彼らは夜から朝まで、侵攻してくる反乱勢力を迎撃し続けた

 反乱軍は統率もなく、また銃を持っている者は少数だった

 朝日が昇り、反乱勢力が撤退した後に残っていたのは

 5000を超える夥しい数の死体だった。お終い」


「・・・それ、一人で何人殺した計算になるんだ?」


「端数面倒だからはしょるけど、1666人」


「そいつらは伝説の英雄とか勇者とかの類か何かか?」


「ううん、ただの、英連邦の一般兵。ただ、冷静だったってだけ

 戦術と装備と基礎教育レベルが遥かに違うとこういう結果になるのよ」


「レイラの話でなければ、俺はさっきまでの話を

 全て酒の席での法螺話と片付けて心地よく寝れたのにな

 だがおそらく、事実だ。それも控えめに評価しての事実だろうな

 あんたの気分次第で、この国・・いや、世界は破滅もあり得るか」


「私、好んで戦闘はあんまりしないよ?

 攻撃されたら攻撃する 攻撃される可能性があるなら先に潰す

 友好的な相手には友好度に応じて友好的に

 友人や親友と認めた相手には、損得ある程度無視での交流を

 これが私の基本ロジックなので、別に全てを壊したいわけじゃないし

 攻撃されたとしても状況的に仕方ないなら、無力化で済ますよ?」


「それは理解している。そうでなければ、俺は今生きていないはずだ」


「そういうこと

 よし、決めた。ガフ君に迷惑かけるの嫌だし

 あの子に変な交渉で変態と接触させるのもなんかやだ

 バルロイ、名誉男爵の案で進めて固有兵力を正式に村に配備しよう」


「いいのか? あんたが嫌いそうな、他の貴族との付き合いもあるぞ?」


「それが私の選んだ結果から課された、私がすべき義務なんだと思う

 兵力を配備できて、あの子達も王様のお墨付きもらって保護できる

 私が不在のときでも、村を守ってくれるAI兵がいれば私も安心できる

 覚悟は決めた、名誉男爵のプランでいく」




 










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