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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第一部 アルムの村編
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バーガータイム

 グーデリアンが設定した昼食ポイントに到達する

 このでこぼこした草原の中でも比較的高度がある丘の上だ

 ここなら周囲を見渡して警戒もできるし、万が一の防衛も楽だ

 

 何も指示していないのに、全員が丘の外周を見るように座り

 各自が各々の担当エリアを警戒するように地面に座る

 私を含めて6人いるので、一人60度の警戒担当らしい

 指揮下に入るか? ときいて了承しただけでこれか

 ゲームの能力と異世界の法則で非現実的な状態になってるなほんま


「ランバートン様~♪ お昼は何が出るんですか???

 あの朝のとろとろ熱々のご飯みたいな美味しいのがいいです!」

 

 レミリアがテンション高めで期待の篭った媚びるような声色で聞いてくる

 この14歳、ほんっと凄いわ。昨日まであんな状態だったって忘れかけるわ


「そうね・・・久々にあれ食べたいから、あれにしよ」

 

 大して考えもせずに、昔のイベントで大量に手に入れた

 BomBomバーガー戦場ランチパックを人数分取り出す

 確かこれあれだ、米陸軍とBomBomが業務提携した記念イベントのやつだ

 トリプル炭火焼きマスタードバーガー

 マイルドチリパウダー付きポテトLサイズ

 ワンハンドアップルパイ

 バトルフィールドコーラLサイズ

 これらがセットになりパックに収納されたランチパックだ

 厚紙で作られたパックを全員に配り、開け方を教える

 中の小分けの箱もそんな感じで開けてねと説明して

 牛乳パックのようなコーラへのストローの刺し方を教える

 にしても全部が全部でかいなこれ・・・さすがUSサイズだ


「たぶんね、このポテトを揚げたのと、このパンにお肉挟んであるやつ

 これたぶん、ピリピリって口の中で辛いと思うんだよね

 苦手で食べられそうにないなら言ってね。なんか別のもの探すから

 あ、それと、この細長いのはデザートなので、最後に食べてね」


 あ、もう聞いてないわこれ。皆肉食獣系の目してるわ

 こりゃ辛くてもたぶん食うだろ、匂いでこの反応なら


「では、いただきます」


 私がポテトに手を出した瞬間、全員が一斉に食べ始めた

 まあ・・・反応はもう各位様々・・・ただまあ、うるさかった

 叫ぶ、転がる、踊る、祈る、飛び上がる、何故かアエルは歌いだす

 ハムスターかリスかお前ら?と思うレベルで口に突っ込んで食べる食べる

 そしてコーラを飲んで炭酸にやられて悶絶する者や鼻から噴出す者

 コーラの初撃でダメージをくらいつつもすぐに順応して飲み干していく者

 まあ、まずいということはなさそうでよかったよかった

 私がバーガーの半分も食べきらないうちに、彼女達はほぼ食べつくした

 

 しっかしこのインベントリって本当に便利よねー・・・

 バーガーもポテトもパイも熱々なのに、コーラはキンキンに冷えてる

 それが一つのパックになってるのに別温度で保管できてる

 これあるいみ、魔法より凄いんちゃうか? と思いながら食を進める

 それにしても、たまに食べるジャンクフードはほんま美味しいわ

 最近、ファーストフードの営業時間内に帰宅なんてできなかったし

 昼は社食でミーティングしながら食べてたので、食べてなかったわ

 今頃会社どうなってんだろ。無断欠勤3日目か・・・・・

 戻れたとしても解雇だよね解雇・・・結構頑張ってきたんだけどな・・・


「あ・・あの・・ランバートン様・・・おかわりとか・・出来ますか?」

 いつのまにか、思考に耽っていた私の元にパノンとアエルが来ていた 

 てかあんた達、まだ食べるのあの量食べて!? 体重とか大丈夫なわけ?

「あることはあるけど、この後まだ7キロ弱歩くけど大丈夫なの?」

「そこは大丈夫です! あの・・・とても美味しくて・・・その・・・・」

「まあ、大丈夫ならいいわ。欲しい人は二人だけ?」

 レミリア、ユミア、サーラが一瞬にして私のところまできた

「全員ね。まあ、食べ過ぎてお腹痛くしないようにね」

 インベントリから同じものを人数分だして渡す。ほんまよう食べるわ


 結局、私が食べ終える前に、全員が2個目を食べ終えた

 君達の胃袋どういう構造してんだ? これ普通の女子なら残すぞ

 5人はだらしなく、警戒の色とかさっぱりなしで丘の上に寝転がっている

 幸せそうなだらしない顔をして、空行く雲を眺めて満腹を堪能している

 

「お姉ちゃん、こんな美味しいもの食べたの初めてだよ私。すごい幸せ」

「私もそう思う。これって本当は夢じゃないのかなって思ってる」


 レミリアとユミアの姉妹は、くっついて寝転がってダラダラしている

 パノン、サーラ、アエルは、川の字になって寝転がってダベっている


「孤児の私が、こんな美味しいもの食べて良いのでしょうか・・・」


 アノンはがっつりお替りを先導してしたくせに、今更なことを言っている


「もう村は無いし、私達はもう新しい人生を歩んでるからいいんだよきっと!」


 普段はあまり喋らないパノンが、何故かポジティブ熱血系になって答える


「うちの村って今考えるとほんど酷かったよね。特に食事と女性の扱い」


 サーラの言葉にアエルとパノンは うんうん と同意をする


「でもね、あの村長おかしいよ。自分の娘二人も商品みたいに扱ってたもの」

「そうだよね・・・悪女の嫉妬でほとんど女性が居なくなったのに

 自分の娘を全て外に出すっておかしいよね? 婿取らないでどうするんだろね」

「どうするも何も、もう村が無いから問題なくなっちゃったけどね」


 ん?? ニルン村も悪女の嫉妬にやられてたのか? 

 確かに、苗床が彼女達だけっておかしいわ。もっと出産に適した年齢の個体

 20~30歳くらいの女性の被害者がまったくいなかったわ


「レミリアはちょっと奇抜な所はあるけど良い子だし

 ユミアは皆のためにいつも一生懸命働いてくれていたし

 村が無くなって逆によかったのかもしれない。あの子達、自由になれたもの」

「うん・・・ちょっと悲しいのはあるけど、そうかもしれない」

「ごめんなさい、私は正直に言えば村に愛着がないから、良かったと思ってる」

 

 ニルン村の村民、村への愛着度低いわ・・・・

 村が壊滅したことで、何かの拍子で思い出して悲観するかと思ってたけど

 

「さてと、そろそろ休憩は終わり。10分後に出発するから

 いまのうちに緩めたボタン掛け直しといてよ

 あと用足しなんかはいまのうちにしといてよ」

「「「「「はーい!」」」」」

 










 



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