行動開始
「まあ、こんな感じで、必要がある場合は
貴方達も今の貴方達と他人が分からないように
変装してもらうことはあるかもしれない
あまり基地から出ないでしばらくは生活してもらうし
おそらくしばらくは、訓練と学習でそんな暇もないから
変装は必要ないかもしれないけどね」
呆然としている5人+1中年にそう説明する
「給与に関してはしばらくは無給だと思って
というのが、私も昨日この国にきたばかりで、現金がない
アルム村に雇用してもらったのが昨日なのよ
ただ、衣食住に関してはこちらでちゃんと保障する
まあ、もう見せちゃったし、いろいろ物持ってるのは分かるでしょ?
食料と被服に関しては、貴方達が死ぬまで使う分くらい持ってる
住居に関しては、アルム村と土地の貸与契約をしてるので
村長のガフ君が許可をしたらだけど、問題はない
ただ、おそらく許可は出る。村長後継人の意見は?」
「問題ないだろ。居住許可は出るさ
ただ、ワグナー伯爵のとこから正式に移住してこれないので
偽りの名前やらなんやらが必要になるとは思うけどな
あんたの元部下が、あんたを頼ってアルム村に来た
この話でごまかせられるだけの仕込みをしておけば何とかなるだろ
レインミスト公国周辺は少数民族が多くていつも領土争いをしてる
それと別に鉱山の利権争いで小競り合いが多いので人の出入りも早い
あんたが公国周辺で活動してたって話にしたのもそれが理由だ」
「さてと、後は貴方達の決断次第
どうする? 私の指揮下にはいって保護されるか
それを断って自分達で道を探すか
どちらをとっても貴方達の人生、責任は自分で取ることになる」
そう告げて5人の顔を見回す
これ以上の案は今の私では出すことができない
この案ですら、ガフ君なら認めてくれるだろうという、見切り発車だ
アルム村にもガフ君にも迷惑をかける可能性がある
まあ、もしそんなことになるなら、相手は全て私が潰す覚悟はあるけど
5人はしばらく、この話について話し合っていた
思ったより早く結論が出たようで、ユミアが私の方にきて口を開く
「私達はいつかはお日様の下を歩ける未来が欲しいです
家族も友達の多くも、親しくしていた村の仲間も殆ど死にました
だからもう、どうなってもいいと思った事があるのも事実です
でも、ランバート様とバルロイ様は、何も出来ずにただ
道具として使われる日々から助け下さいました
そしてあの醜い体から私達を治して下さいました
私達はこの奇跡を無駄にしたくありません。どうか、お助けください」
「「「「お願いします、どうかお助けください」」」」
「わかりました。ではすぐ行動を開始します
新しい服を用意するのですぐ着替えてもらいます
貴方達が着替えたら、この場の物資を回収してここを引き払います
道がない森林地帯と草原地帯を抜けて街道まで出ます
かなりの強行軍になると思うので、そこは覚悟してね」
「「「「「はい!」」」」」
「バルロイ、先に村に戻って避難所から村人を村に戻して
それと、ガフ君に事情を説明して彼女達の居住許可をもらえるか
先行して確認してきて欲しい。許可が得られた場合は
彼女達が居住可能な施設が借りられるか、ないのであれば
仮設でテントを建てて居住空間を確保するので用地が借りられるか
それらも確認しておいてほしい。駄目ならどっか山にでもいくわ」
「分かった、先に出るぞ」
「出る前に、トラップの解除と破棄をお願い。この洞窟は吹き飛ばす」
「了解だ。おっかねーこと言ってるが聞かないでおく。後で村でな」
おっさんはそういうと、通路にでて入り口の方向へと歩いていった
おっさんの姿が見えなくなったところで、インベントリから装備を取り出す
米海兵隊のグレイデジタル迷彩のBDU一式と、ブーツ、靴下を取りす
指先までカバーするグローブとブーニーハットも取り出す
防弾機能がないユーティリティベストも取り出して、全員に配る
「まずはその寝巻きからそれに着替えて。まずその灰色のを着る
それを着たら靴下とブーツをはいてしっかりと靴紐を締める
後は手袋とブーニーハットを被ってベストを着用して」
彼女達の前に、見たことも無いであろう装備がぽんぽんつまれて行く
それでも彼女達は質問をするより先に、パジャマを脱ぎ始め
言われたとおりに装備を着ようと行動を起こしていた
「銀とか黒のぎざぎざの部分はファスナーっていって
この金具を水平か上に向けておけば上下に動いて閉まってくれる
ベストはこの黒い部分をこのように、穴におしこめば体にとめられる」
この世界にないであろう、ファスナーやプラスチック製の止め具の部分で
多少のもたつきはあったものの、全員が着替え終わるのに15分程度で済んだ
「昨日、バルロイのおっさんがかけてくれたドッグタグは絶対外さないで
それをしていないと入り口にしかけた罠が作動して確実に死ぬ
それと、それを貴方達がしていれば私は貴方達の位置が常に分かる
そいつは私と貴方達の繋がりを示すものだから、大事にして」
全員がドッグタグを首元からひきだして、ぎゅっと握り締めて戻す
「これから水筒を配る。そこに水を用意するから各自で水筒を満たして
上にでこぼこがある丸っぽいふたがあるので
それを右方向に回していけば蓋が開く。閉めるときは逆に回す」
軍用の一般的な水筒を出して、その横にペットボトルの水を出す
ペットボトルのキャップの回し切りはわからないとおもうので開けておく
全員が助け合って装備の装着や水筒の使い方、水の補充等を行っている
同じ村出身者で同じ体験を共有し、同じ立場に追い込まれた者だけあって
勝手に連帯が出来上がっていて予想以上に飲み込みが早い
「私は物資の回収をしてくるから、しばらくこの部屋で歩いたりしていて
ブーツが足に馴染まないで痛い事があるので、歩いて様子をみて」
「「「「「はい、わかりました!」」」」」
この部屋に出したアイテムを回収して、入り口付近の部屋にいく
そこにあった少量のアイテムを回収して、入り口のクレイモアも回収
それから全ての部屋を回り、C4爆薬を適当にしかけてから戻る
「ブーツに問題は?」
「「「「「問題ありません!」」」」」
「じゃあ、もう出発できる?」
「「「「「はい、大丈夫です!」」」」」
おかしい、なんでこの子達、こんなに軍隊調になってんだろ?
まだなんも訓練とかもしてないのに、既に新兵っぽいのなんで?




