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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第一部 アルムの村編
33/131

被害者とおっさん(実験台)

「というわけでだな・・・・・」


 おっさんが昨夜、3人で話した現状の予想について4人に話す

 このままだと折角助かったのに、あまり良い未来が待っていない

 昨日この話を一緒にした、ユミアさんも改めて話しを聞いて表情が暗い

 4人にいたっては、先程の食事で少し盛り返した気持ちが萎えていって

 絶望に向かっているのがはっきりと分かるくらい気落ちしていた


「まあでも、しょうがないのかもね。村もないし、皆死んじゃったし」

 一番年少のレミリアさんが、どこかさばさばとした感じでそういった

 他の4人がギョっとした顔でレミリアさんを見る

「あ、でもさ。これでお姉ちゃん、あの豚と結婚しなくて良くなったじゃん?」

「ぶ、豚って・・・確かにカニス様はやせてはいなかったけど・・・・」

「偉そうでぶくぶく太ってさ、愛人沢山いる人と結婚しても、良いことないよ」

「それは・・・そうですね、ここで隠す必要もないですね。その通りよね」

 レミリアとユミアの姉妹は、絶望の中から妙な希望を見つけたらしい


「大体さ、サーラとパノンも好きでもない商人とかと結婚きまってたじゃん

 あれだって、結婚っていっても第3婦人とか第5婦人だったんでしょ?」

「そうね・・・長が行商人を増やしたいからってそういう縁談が進んでたわね」

「税が厳しかったですからね。商人とのツテでもなければ、村の未来がね・・・」

 サーラとパノンが暗い顔で頷きながら、望んだ結婚ではなかったことを打ち明ける

「皆ごめんなさい・・・私が父を止められなかったから・・・・」

 ユミアは申し訳なさそうにさらにうな垂れて二人に謝る

 サーラとパノンが慌ててそれを打ち消すように、ユミアは悪くないと言葉を返す

「皆には内緒にしていたけど・・・私は副村長の3男と結婚が決められていた」

 アノンがそう言うと、4人が驚いた顔でアノンを見る

「あの性格悪くて嘘ばっかついてたアイツと結婚決まってたの??」

「そう。結婚相手がいないから、孤児の私で我慢してやるから有難く思えって」

 

 なんだこのドロドロした人生劇場は・・・

 この世界なんか、ろくでもない人生が貴方の未来に待ってますばっかだな・・・

 

「あんま言いたくなかったけどさ、私ももうそういう話きてたんだよね

 ワグナー伯爵のとこに、礼儀習いで奉公の話決まりそうだったんだよね」

 レミリアの爆弾発言に4人は一斉にレミリアを見る

「貴方はまだ14歳でしょう!」

「しょうがないじゃん。あの変態伯爵がお父さんにそう命令したんだから

 従わなかったら来年の税は9割にするって言ってたから、受けるしかないじゃん」

「そんな・・・・」

「それにほら、ゴブリンの苗床にもこの年でもなれたじゃん?

 だからそういう事も出来る年齢ってあの変態も思ったんじゃない?」

 爆弾発言を連発するレミリアに、4人が絶望的な視線を向ける

「でもでも、体完全に元通りじゃん? 実際にああいう事あったけどさ

 私達と、ランバートン様と、バルロイ様が黙ってれば、誰もそれ分からないじゃん?」

「レミリア、貴方って子は・・・・」

「んでんで、ランバートン様。これから私達をどうするの?

 伯爵に引き渡すとしても私はランバートン様に感謝してるから恨まないよ

 化け物にされちゃって、もうこのまま死んじゃうんだなーって思ってたけど

 美味しいものも食べられたし、ランバートン様が伯爵に付け狙われるのも嫌だし

 本当にそれでもいいよ私。だけどお姉ちゃん達は逃がして欲しいの。だめ?」


「引き渡すつもりはないんだけど。貴方達はしばらく私の指揮下に入ってもらう

 しばらくこの事件の記憶が薄らぐまで、アルム村からはまず出れないし

 アルム村の中でも他の住民との接触も控えてもらうことになる

 衣食住に関しては私が保証するし

 その間に私の部下として必要な教育も受けてもらう

 ただ、甘くはない、はっきりいって厳しい訓練と学習が待ってる

 それと、髪色、髪型、そこらを変えてもらう可能性もある

 変えたとしても、何れ問題がなければ、元に戻すけどね

 さて、これが私が貴方達を保護するための条件だ。どうする?」


「髪型は兎も角、髪色を変えるなんて出来るんですか??」

「まあ、実演してみるよ。ってことで、無駄飯喰らい出番だ」

「あ? え? 俺??」

「無駄飯喰らいの自覚はあるのね。そこの椅子に座って目閉じてて」

「いやちょっとまって、なんで俺? いやなんか怖いんだけど結構?」

「食った分は払え。別に打撃訓練の的でもいいけど?」

「ぐ・・・後で元に戻せんだろうな??」

「気が向いたら戻してあげるわ」

「あんたの気分次第なのかよおい!」


 おっさんの文句を無視して、力技で椅子に座らせる

 騒ぐおっさんに、また腹に一発食らうか? といって黙らせる


「絶対目開けないでよ。目に入ると視力落ちたりするかもしれないから」

「そんな危ないなんかするのかよ!」

「だから、目あけなけりゃなんも危険なんてないから」

「俺・・・本当に無事に村に帰れるのかよ・・・」


 もう出し惜しみはなしだ

 インベントリから潜入工作セットのパックを取り出して

 おっさんのブラウンの髪、眉、睫を手早く金髪に染め上げる

「なんか酸っぱい匂いがする!」と騒ぐおっさんに、黙れと一喝する

 次にパックからはさみをとりだして、グーデリアン君の支援の下で

 雑にまとまったシャギーな感じで少し刈り込み

 眉毛も少しそって形を整えてから、化粧道具を取り出す

 風呂にはいってないのか顔はあまり綺麗ではないので

 追加でインベントリから蒸しタオルとハンドソープを取り出して

 ハンドソープを顔にぬりたくってから蒸しタオルで汚れを落とす

「なんかいい匂いモガアアアア」と叫ぶオッサンを無視して作業を進め

 サイコナイフで無精ひげを綺麗に剃って、薄くファンデーションを塗り

 光沢を抑えた微かに赤色が入った口紅を選んで唇に塗る

「ほい、できたで」おっさんに大きめの手鏡を取り出して渡す


「・・・誰この、美男子?」

「美男子は真っ向否定してやるが、バルロイ、あんたの顔だよ」

「うそだろ? どこの貴族様だって顔してんぞ??」

 おっさんは顔をいろんな表情にさせて私の腹筋崩壊を誘いつつ

 手鏡をせわしなく動かして自分の顔を確認している

 作業と結果を目の当たりにした5人は、呆然とおっさんを見つめている

「おっさん、今度は机の上に頭を端っこからだしてうつぶせに寝てくれ」

「え・・あ、はい・・・」


 おっさんと5人で机の上を片付けて、おっさんが机の端から頭をだして寝る

 「絶対目あけんなよ!」と釘をさしてから、水をとりだして頭にぶっかけ

 「つめた! なに!?」騒ぐおっさんを無視して専用シャンプーで洗う

 眉と睫もきっちり洗ってから、再び水をぶっかけて洗い流す

 収納箱から昨日出した予備のタオルを1組取り出して

 大きいタオルで水気を乱暴に吸い取り、小さいタオルを肩にかけ

 おっさんをひっくりがして顔の水気と化粧をふき取る

 

「ほれ、終わった。鏡でみてみ」

 少し刈られた髪と整えられた眉毛は元にもどらないが

 作業前よりは綺麗になった普段のおっさんの顔がそこにはあった


「・・・・ほんとすげーな・・・一瞬で別人になってまた元通りかよ」




 









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