表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第一部 アルムの村編
27/131

被害者と私

「ミミガアアアッ ミミガアアアアアアアアッツ!」 


 おっさんが五月蝿いので

 仕方が無いのでインベントリからアイテムを取り出す


「はい、おっさん。ミミガ」


 沖縄地方でよく食べられている、豚の耳のスライスを取り出す

 それまで叫んでいたおっさんがぴたりと騒ぐのをやめ

 真顔で私を見て口を開く


「違う。あんたの魔法で聴覚が上がってたから

 あの見慣れない武器のでかい音で、滅茶苦茶頭が痛いんだよ


 ところでその見たことがない肉はなんだ?」


「たぶんそうだと理解はしてた

 でもここでボケないときっと世界の摂理に反すると思うの


 あ、これ私の国の南方地方の郷土食材でミミガ」


「あんたの世界の摂理ってどういう基準なんだよ!


 そうか、それ美味そうだから今度食わせてくれ」


「んで、痛いの治ったの?


 こりこりした食感で美味しいよ。ちょっと癖あるけど」


 妙な阿吽の呼吸で2重会話をしておっさんの様子を確認する

 どうやら音による激痛からは開放され、今は問題がないようだ


「ああ・・・なんでかしらんが、あんたがボケたら治った

 というか、あんたがボケたら魔法が解除されたみたいだ」


「私に感謝してひれ伏してもいいのよ?」


「誰の所為でああなったと思ってんだよ!」


《インベントリへのアクセスが、私の意図しなかった魔法とやらの

 解除フラグになってる可能性があるな。それかボケるか?

 いや、武器を収納して戦闘モードを解除したからかもしれない

 どれにせよ、グーデリアン君が再起動したら少し調べないとね》


「はあ・・・さてと・・・現実逃避し続けるのも限界があるか

 Aランク冒険者、疾風のバルロイに質問がある

 あそこで肉体にかなりの変異を生じさせて壁に埋まっている

 攫われて苗床にされた女性達を、助ける手段はあるの?」

 

 あえて二つ名まで声にだしてバルロイのプロ意識を一瞬で引き戻させ

 部屋右側の壁に半ば埋まるようにして呆けた顔をしている

 手足が退化し、腹部と乳房が居様に巨大化し

 ヒヒヒ フフフ ハハハハハ としか声を発しない存在

 恐らく、元は美しかったであろう女性達について

 どうしたらいいのかさっぱりわからないので、バルロイに意見を求める


「・・・・まあ、俺が同行するっていったのはこれもあったんだよ

 あんたに彼女達を殺せるか? たぶん、それは無理だろう

 残念ながら助ける手段がここにはない

 だから殺すのが彼女達の尊厳を守る唯一の手だ」


「待てバルロイ。 ここにはない と言ったね?

 つまり、何処かにその手段は存在するという事よね?」


「そうだな、確かに存在はする

 女神の奇跡か デングリ教の最高位司祭の奇跡の代理

 このどちらかを用いれば治る可能性はある

 だから、手段はあるが手に入らない。そういうことだ」


 バルロイの返事を聞いて、インベントリを改める

 40個・・・多いのか、少ないのか・・・・

 ここで5個を使えば残りは35個・・・補充は不可能

 だが、ここで使わない決断をすれば彼女達は死ぬか

 この姿のまま放置されて飢えて死ぬ事になる

 この先も同じケースに遭遇したら使うのか? 

 そんな判断基準でこの先いつまでもつのか?

 考えることは色々あるし、理性は死を与えるべきと言っている

 でも感情は使うべきと言っている

 迷った時は・・・・・・・己で責任を持つ直感で選ぶべき


「バルロイ、助ける方法があるから手伝って。手順を説明する」


「そういやあんたは女神の遣いか・・・奇跡でも使えるのか?」


「バルロイ。私にとって女神は倒すべき敵。滅すべき敵

 関係者みたいに二度と言うな。次は、無いよ?」


「す・・すまない。二度と言わない」


 インベントリからSPメディパックを取り出して、バルロイに見せる


「これは私の持つアイテムの中でも、補充が効かないうえに

 ストックも40個しかない、とんでもない貴重品よ

 その代わり性能は凄まじいの一言な代物

 心臓が停まりかけだろうが、意識が辛うじてある程度だろうが

 とにかく、生きてさえいれば、一瞬であらゆる状態から健康な状態に

 肉体を回復させた上に、異常状態からも回復する

 この異常状態からの回復で精神的な異常からもおそらく回復する

 つまり、体が元に戻り、健康になり、心が壊れてるのも治る

 そういう特別なアイテムよ。これを使う」


「・・・・・・・・・・・鑑定してもいいか?」


「かまわない。というか、鑑定してどう見えたか教えて欲しい」


 バルロイが意識を集中して鑑定する

 そして真っ青な顔で見えた何かを伝えてくる


「あんたの言った性能よりもっと恐ろしい性能だよ

 魂の煌きがある存在をあらゆる状態から瞬時に癒す

 と出た。そして価値については、鑑定不能と出た。初めてだよ

 正に、奇跡のアイテムだよ。存在が知られたら戦争になるな」


「わかった。この存在については私とバルロイだけの秘密ね

 ガフ君には何れ話すけど、しばらくは秘密にする」


「アルムの名にかけて誓う。この秘密をお前以外に話さない」


 インベントリから再びアイテムを取り出し

 SPメディパックの隣に並べる

 本来は死亡に繋がるショック状態の兵士を治療する

 状態異常回復パックの一つ、鎮静剤パックだ


「被害者女性の救助手順をこれから説明する

 まず、私が被害者女性にSPメディパックを使用して

 肉体と精神の異常を回復する

 回復した被害者は一瞬で現状を正常な知性で認識し

 パニックになる可能性がある


 そこで、回復した被害者にこの鎮静剤パックを使用する

 鎮静剤パックを使用された被害者は、意識不明状態になる

 この状態は最大で360分程持続する

 頬を叩いたり、大声で呼びかけたりすれば

 持続時間終了前でも意識を回復させられる


 意識不明状態による直接の副作用はないけど

 意識を失う際に転倒等の怪我で被害を受けることはある

 バルロイには、意識を失った被害者を

 ここにくる途中にあった兵舎のような部屋に移動させて

 比較的綺麗なベッドに安静に寝かせてやってほしい

 以上、質問はある?」


「特に質問はない。大丈夫だ」


「じゃあ、行動を起こす前に必要なことを先にしよう」


「ん? 他に必要な行動?」


「この場所の安全の確保と、安静に寝かす場所の選定と掃除よ」


 





 






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ