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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第一部 アルムの村編
15/131

実験台はバルロイ(の短刀)2

 Call to Stormにはカスタムベンチというとても便利な装置がある

 これは武器や防具や一部オプション装備の改造、強化が行える

 野外汎用自動工作機械とその支援設備を一体化したアイテムである

 どこから電源とってるの? こんな簡単に出来るわけ? と

 理解不能な部分はあるのだが、ゲーム時代はそこまで意識したことは無い

 これより高度な製造や武器そのもののアップグレードになると

 マイベースに設置した兵器工廠という巨大な設備が必要になるので

 ゲーム内では、戦場でのオプションの変更と調整程度にしか使われない

 まあ初心者さんとかだと現地で入手した武器を強化して使うかもしれないけど

 だがこの世界においては、この簡易設備であるカスタムベンチで作る物でも

 十二分な性能が得られると思われる。バルロイさんのダガーはその実験台である


「ではこれから作業に入ります。まず、ここにバルロイさんのダガーを入れます」


 ぽい と投入口にダガーを入れると

 ガフ君はワクワク顔で成り行きを見守っている

 バルロイのおっさんはびくびくどきどきちょっと青い顔で見守っている


「次にこちらの投入口から改造に必要な素材を入れます」


 インベントリからいくつかの素材をとりだし、ぽいぽいと投入

 ガフ君は身を乗り出して期待を込めた眼差しで見守る

 バルロイのおっさんは落ち着きがなく体をゆすりながら見守る


「あ、おっさん。鞘も頂戴。シースも作り直すから」

「ああ・・・わかった・・・・」


 明らかに乗り気ではないが、バルロイのおっさんは鞘をくれた

 ダガーを放り込んだベースアイテム投入口に鞘をぽいする


「では、、、成功するも八卦、壊れるも八卦、作業開始」

「いってる意味はよくわからねーけど、成功率半々ってことかそれ!?」


 バルロイさんの文句を無視して作業実行を許可する

 がうんがうん ごきんごしゅん ぷしゅー がんがんがん 

 毎回やたらと騒音が出るが、どんな作業が実際行われているかは不明

 音が響く度にバルロイのおっさんがビクツと跳ね上がる

 バルロイのおっさんの不安を楽しんでいると、突然の閃光


《作業終了 大成功シマシタ 大成功ニヨリ特性ガ付与サレマシタ

  追加サレタ特性 可変属性(但シ闇属性ハ使用出来マセン)》


 カスタムベンチは作業に特化した単機能AIしかないので

 登録された音声データを結果によって組み合わせて再生する

 機械的で感情と知性を感じさせないそのアナウンスを終えると

 カスタムベンチは取り出し口に作業が終わったナイフを吐き出す


「あ、すごいじゃん。大成功だって。これ相当性能あがったよ」

「あ、、れ?・・・なあ、あんた・・形がまるで違わないか?」

「うん、使いやすいように全部変えた。でも、まだ終わりじゃない」

「ん???」


 出来上がったM9もどきをもう一度投入口にぽいする

 インベントリから緑の輝く結晶を取り出す

 武器の強化に使うエーテルスフィアという

 Call to Storm内でエネミーを倒した時に稀に得られるアイテムだ


「なんだそれ? 魔石か?」

「魔石? それは知らない。これはエーテルスフィアってアイテム」


 私のスキルとグーデリアン君の補正レベルで考えると

 強化7段階までは失敗なしで確実に成功するはずなので

 エーテルスフィアを7個、ぽいぽいぽいと素材投入口に入れて

 連続強化 7 を仮想ウィンドから選択して実行する

 カスタムベンチそのものにはデータ表示装置がない

 それは各プレイヤーの画面に仮想ウィンドで表示される

 ガフ君とバルロイのおっさんには、現在何が起きているかは

 音でしかわからない。そのため、バルロイのおっさんは不安気だ

 そして先ほどと比べ物にならない大閃光・・・・・・・しくじったか?


《強化ガ終了シマシタ 成功4 大成功2 超大成功1 強化値+11》

《超大成功ニヨリ 特殊能力ガ付与サレマシタ 能力 イメージリンク》


「・・・・・バルロイさん、あのさ・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・失敗か?」

「・・・・・・・・・・・もの凄い性能になった」

「・・・・・・・・・・・どういうことだ???」

「これ、考えた通りに動くというか軌道が変わる」

「・・・・・・・・・・・・・意味が分からない」


 とりあえず、出来上がったナイフに名前をつけることにする

 仮想ウィンドからリネーム機能を選んで、名前を入力していく

 バルロイはウザイ 消去 バルロイはキモイ 消去

 しばらく遊んでから、適当に思いついた名前を入力して決定する

 バルロニグズ それっぽいが微妙にダサいしこれにしよう

 取り出してみると、予定とまったく違う形の結果物だった

 黒いプラスチックの鞘の筈が、なんか象牙みたいに白い

 挙句にエングレーブみたいな金の華麗な装飾が施されてる

 

「なんだこれ・・・・全然予定してたのと違うぞ・・・・・」

 

 まあ、成功してるし、てか超大成功だし・・・・・・

 性能的に文句は無いだろう・・・まあ見た目が目立つけど・・

 面倒な事を考えるのを放棄して、バルロイのおっさんに渡す

 受け取ったナイフを不安そうに見回してから

 鞘からナイフを引き抜き驚愕の声を上げる


「なんだこれは!! この白金に輝く刀身は!! 聖属性か!?」

 

 あれ? 白?? 輝く?? 黒くて木目模様みたいになる予定なのに?

 見てみると、確かに白金に輝く刀身に金色の装飾が施された

 まるで美術品か式典なんかで使いそうなナイフに仕上がっていた

 隠密用に暗色予定だったのがまるっきり逆だわ・・・・HAHAHA


「まあ、予定してたものとはまるっきり違うわねこれ」

「失敗なのかよこれ!?」

「いや逆で、超大成功したの。予定の3ランク上くらいの物になったっぽい」

「取り合えず・・・・鑑定して確認する」


 バルロイのおっさんは、ナイフを手にとってスキルとやらを発動させたらしい

 なんか集中してるのは分かるけど、スキルってのは私からは確認できない

 しばらくすると、わなわなと震えながら

 カクカクと古い扇風機の首ふりのようなぎこちない動作でこちらを向いて

 焦点の合っていない目で私とガフ君を見回し


「コレ・・・・ゴッズアイテムダ・・・・・」


 単機能AIなみの片言でそう告げると、バルロイのおっさんは気絶した




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