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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第一部 アルムの村編
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実験台はバルロイ(の短刀)

「なんだ、つまりだ、あんたは違う世界からこっちに迷い込んだ。と?」

「頭壊れてるんじゃないのか? と思われるだろうけど、たぶんね」


 なんか、いつのまにか普通にレイラさんとバルロイさんが話しをしてる

 普通にというか、数年来の友人みたいに妙に馬があってる・・・・


「あんたが嘘や隠し事で言ってるとは思ってないさ。だがな・・・

 それが本当なら、あんたは女神か邪心の思惑でここに来た事になる」

「女神に邪心? そいつらの居場所教えて。戦略弾道弾打ち込むから」

「どっちも神様だぞ? そう簡単に居る場所なんて分かるかっての」

「誰なら知ってるの? そいつ脅迫してでも聞き出して打ち込む」

「あんた、両極の神ですら喧嘩売るのに躊躇無しかよ・・・・・・」


 あれからレイラさんは

 「昨夜あれだけ痛めつけたから口の中大変でしょうから」と言って

 バルロイさんのためにあまり噛まないで良い簡単料理を作ってくれた

 オレンジ色の魚の切り身を焼いたものをスプーンで細かく崩して

 朝食べたおかゆの残りにいれて温めなおして

 最後に黒い液体を少したらしてからバルロイさんの前に出した

 ううう・・・これも美味しそうだよ・・でももう食べられない・・・


「しっかし、ガフがあんだけ叫んだ訳が身にしみて分かったよ

 なんだあんたの料理は? こんな旨いもん食ったことねーぞ?」

「むさ苦しいおっさんに褒められても全然嬉しくないもんなのね」

「だから俺の扱いが雑すぎんだろあんた!!」

「そう思うなら顔治してよ顔。その顔じゃ無理だわ」

「あんたが蹴りまくったから腫れてんだろ!」

「違うそこじゃない、もう基本骨格とか肉付きから完全再形成で」

「滅茶苦茶失礼なこと言ってるの分かってるかおい!」


 ランクA冒険者 疾風のバルロイ

 バルロイさんは隠密、偵察、罠設置と解除でこの王国でも有数の冒険者だ

 人によっては、その名前を聞くだけでバルロイさんを崇める人もいる

 なのにレイラさんは、まるでそこらへんのオッサンみたいに扱ってる

 なんだかそれが面白くて、僕は必死で笑いを堪えている


「あ、そういえばさ、おっさん。返したダガーもっかい見せて」

「ん? ああ、これか? 結構な業物だから刃とか欠かすなよ」

 

 レイラさんはバルロイさんのダガーナイフを受け取ると

 窓から差し込む光にかざして んー と言いながら刃を観察する


「これさ、ボッたくられてない? これで業物って、嘘でしょ?」

「な・・・付き合いが長いドワーフの鍛冶師に作らせてる

 料金を多く取るような奴じゃない

 実戦でフルプレートも場所によっては貫いてる

 これ以上のダガーを求めるのはこの国では無理って代物だぞ?」

「それ本当なの? ってことは材質と加工の問題かこれ・・・・

 おっさん、腫れた顔への見舞いとして、これもっと良くしてあげる」

「あ? あんた何する気だ?」

「私が再加工してあげる」

「お前本気でいってんのか?」

「まあいいからいいから、外でさっさとやってくるわ」

「おい待て! やめろ! 壊して戻せなくなったらどうする気だ!」


 レイラさんはおっさ・・・バルロイさんを片手で抑えながら

 玄関から外に出て行ってしまった。急いで僕は追いかけた

 バルロイさんはダガーを取り返そうとレイラさんに掴みかかるけど

 あっさり片手でとめられて、なげられて、ころばされてと

 なんか縛られてた時とあんまり変わらない扱いを受けてた・・・

 

「あーもううっさい、鬱陶しい、うざい! 

 わかったわかった、前より性能低下してたら、これあげるから」


 レイラさんは インベントリ っていってる見えないどこかから物を出して

 ぽい って地面にそれを投げた

 ゴズッ 物凄い鈍い音がした 重そうな音がした

 レイラさんが地面に放り投げたのは、どうみても金塊だった・・・・・


「あんた・・・これは・・・なんだ??」

「金塊 10キログラム 不純物ほぼ無し 私達の世界では真金って呼ばれてる」

「不純物がない・・・10キロの・・・金の塊だと?? 冗談だろ???」

「そなもん調べれば嘘かどうかわかんじゃん、てかうっさい、集中させて」


 バルロイさんはシーカーのスキルの一つで、物品鑑定を持ってる

 やっぱり気になるのか、バルロイさんは金塊を持ち上げて、スキルを使った

 次の瞬間、バルロイさんはガタガタと震えて金塊を大事そうに両手で持ち直す


「本物じゃ・・・・古代王国最盛期の遺跡から出るレベルの・・・・

 まじりっけがない・・・本物の純粋な金塊じゃ・・・・・・・・」

「バルロイさん・・・それって・・・・凄い価値なんじゃ・・・・」

「これ一つで・・・この村全ての年収を・・・遥かに越える・・・」

「ええええええええええええええ!?!?!?」

「二人とも五月蝿い! ちょっとこれから集中するから黙って」

「はい・・・・・・」

「わ、わかった・・・・」


 レイラさんはまたインベントリから何かを取り出す

 今度のはなんか今までのより遥かに大きい

 僕よりちょっと大きいくらいな炉みたいなもの

 なんか鉄で出来たみたいな台みたいのに

 よくわからない何かがいっぱいくっついてるもの

 これであのダガーに作業をするみたいだけど

 いつ見ても、どこにこんなに色々入ってるか不思議でしょうがない


《グーデリアン。このダガーの材質測定》

《スキャン中 おや? 未確認の元素を計測!》

《あ、それはすばらしい。データとサンプル採取しといて》

《記録完了。どうもエネルギー伝達効率が良い新素材のようです》

《で、これをエネルギー制御と機械制御なしで高性能化するには?》

《タングステンの芯の上にダマスカス合金で全体を形成は如何でしょうか?》

《あー、それブレードがかっこよくなるよね? それでいこっか》

《未知の合金は表面コートに使われてますので、同じようにコートしましょう》

 

 使用素材については大体決まったけど、あとは形とか機能か

 どう使い手が運用するかで形状とか目的は変わってきちゃうからどうしよ

 まあ、こういうのは変態だけど知識豊富なグーデリアン君に相談しよう


《うん、それでお願い。基本形状はどうしよっか?》

《バルロイ氏のシーカーという職業は、恐らく工兵や斥候に近いと考えます》

《たぶん動きとか見てると、戦闘メインってよりそういう技術支援系だよね》

《ですので、サバイバルナイフかM9バヨネットのような物が利便性が高いかと》

《んー・・・じゃあさ、M9のグリップの中にもしっかり芯とおして空洞やめてさ》

《なるほど。収納性を排除して信頼性を向上させたM9ベースにするのですね?》

《シースとの併用でワイヤーカッターになるのは彼の仕事にも役立つと思うしね》

《この性能ですとワイヤーではなく、鉄格子でも切れるので役立つと思います》

《あとはグリップが空洞じゃなくなるから、グリップの下に打撃用の突起とか》

《気絶させるのに適したゴム素材系の打撃素材をつけるのはどうでしょう?》

《あー、シーカーってアサシンみたいなこともするかもか。それ採用》

《着剣装置は必要無いと思いますので、そこは省略して簡易化します》

《うん、それでいこう。製造データ作ってカスタムベンチに転送して》

《了解であります》

 










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