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守護神/異世界乙女ゲー転生=Re:mix.100  作者: ペイントロイド
第一章:守 護 神 は 悪 魔 に 変 わ る
19/22

2ノ界:#6

一度、ホームズと辰也の会話を中心に話を作ったのですが。

それよりも少女たちの話を入れたほうが遥かにずっとイイ!!

―――と考えイチから修正…


大変遅くなりましたが次から問題の地上に降りて獣人(亜人)が暮らす村に降り立ちます。

そこでまた新しい女の子が2人現れ、この世界の歪さを見せたいと思います。


序章: ま い は み ん な を 笑 わ せ る 道 化

の誤字脱字も酷かったので、修正。お話もわかりにくいと気付き、それも修正。

挿絵も乗せたかったので乗せる事にしました。。。

大幅とは言いませんが、ちょくちょく変わってますので、

新しい新年もどうぞよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください!

 父であるワトソンと母メアリー・モースタンには、オレンジ色の髪にクリっとした美しい目を持った愛らしい娘、カーレンが生まれた。

二人は初めて生まれた娘を劇愛して、常に幸せを夢見ていた…しかし、ある事故が起きてから。

それは一生叶わないものだと気付いてしまう。


カーレンが生まれてからというもの、ワトソン家の周辺に奇妙な事件ばかりが度々起きるようになり、カーレンが街を歩いてる最中。古ぼけたレンガのアパートにピアノを運送していたが、運送中にロープが切れ、カーレンの頭上へと真っ直ぐに起きてきたのだ!

メアリーはカーレンを守るために身を乗り出し、カーレンは切り傷で終えたのだが、母は重症で動けない体になってしまう…


 幸せな家族であったワトソン一家に影が差していた時。ワトソンの親友であり、名探偵のシャーロックホームズは今回の事故も単なる偶然ではなく、必然によるものと断定し。

「群集心理による無意識な殺人衝動」であると断言する!


この事件も、周りにまつわる事件も、何一つとして同一人物の行動でもなければ、知り合いでも何でもない赤の他人同士であった。そして動機や理由は“無い”。

しかし、まるでカーレンを狙って偶然にも周辺が荒れ、事件が多発していたのは事実である。

シャーロックホームズは、このままではカーレンは取り返しのつかないまでの危害に襲われる確率は確かだと考え、彼女を中心とした“安全地帯”を作ろうと技術者と管理者を総出で動き出した。


『シャーロックホームズ、どうかカーレンと同じように泣く少女たちを守って欲しい』

『約束しよう、ワトソンくん。必ず、カーレンも彼女たちも。守ってみせる…!』


 ―――何年もかけて完成した天空城。

そして何者にも侵入を揺らない“結界”を施し、選ばれた優秀な教師5人を乗せ、彼女たちが社会へと戻れる日まで、教育していった…しかし。シャーロックホームズは見落としていた。

“シャーロックホームズもまた、彼女たちに危害を加える存在の一人だと言う事を”―――


……

………。

映画は勿論。様々な娯楽の中で彼は使われ、彼を示すトレードマークのパイプをくわえ、右手でそれを支えては大きなポンチョにロングコートの茶色一色のスーツ姿で、それはそれは頼もしい姿だった。


しかし、シャーロックホームズは“ある事故”をきっかけにカーレンの前でも姿を現わすことをやめ。

あの時、俺やアリスの代わりにねずみを出した無礼の理由を、丁寧に話した彼の顔はとてもやるせない顔で満ちていたのが、目に焼き付けて離れない。


シャーロックホームズから“悲しくも守れなかった少女たちのリスト”を特別に見せてくれた。


まだあどけない少女と…乙女ゲームを知らない俺ですら知っている顔の少女も乗っている。

シャーロックホーズは完璧な名探偵だが、全てを守る力を持っていないばかりか。

自分ではカーレンを守れないと話す…


だが、さっきの戦闘で。

全員無事に生きて、守ってくれた事にホームズはいたく感動し、俺をすぐに信頼できる人物だと判断してくれたそうだ。彼は俺に、本来乙女ゲームの主人公であった彼女たちを“ハッピーエンド”に導いて欲しいと改めて、頭を下げてくれた。



―――俺は…。

 気づけばもう時は早く進み、青かった空は暗く日が落ちていたので。

シャーロックホームズには悪いが「少しだけ。時間をくれ」と口にして校長室から背を向けて去った。

だから、彼の顔はあの時だけで。

傍にいたねずみも、それほど問い詰めることはなかった…


「長く話して悪いね。でも、どうしても君じゃなきゃダメなんだ。

彼女たちの為に僕たち“親族共々”。愛する娘を護ってやりたいんだ…理解を、お願いする」

たつーお休みっ!アリスちゃんが部屋を作ってくれたから、今日はゆっくりしてね!

おやすみ~!」

「…おやすみなさい…」


俺は校長室から5m離れると、もう二人の気配が薄まり、少しだけ肩の力が抜ける。

すぐに同意する為に、様々なやり方をするだろうと考えたがそれもなし…

まあ進展もなく7週間いるよりも、俺は明日にでも答えを出し。

進展しないと何も出来ないのは確かだ…


(それに…スキルで付けられた攻略キャラの欄が付けられていると言う事は。

もう自動的に役割が決定したようなものだ…)


 まだ名前のない…?

……剣の付喪神つくもがみの少女は、俺にしか扱えないほどの魔力を喰う剣と話していた。

せっかく自分を使うことが出来る存在を見つけたのだから、そんな簡単にあきらめることはなさそうである…彼女も意外と意志を曲げなさそうだ。

これはもう。俺が折れるしかない…か…


「あ゛ああああああああああっクソッ!何故こんな事になるんだっ!

ねずみめっ!何か隠していると思っていたが、まさかこんなものを隠してたのかっ!

俺は彼女まいがいるからそうゆうオプションは必要ないって“前から言ってるのによ”ぉっ!くそっ!くそっ!糞がっ!」


頭を掻きむしり、自分が犯したわけではないが罪悪感で意味不明な苛立ちが募る。

心をかき乱されるのは嫌いだ!常に感情に振り回されず、平常心のままで癒やされた日常を見ていたいタチなので、今回ばかりは取り乱さず負えなかった。

今度は気を落ち着かせたいがために、自分なりにダークブルーに変わった景色を廊下の窓から見ながら、大きく息を吐いて落ち着かせる。


(まいがいれば客観的に見れるのに…まいがいればストレス発散で撫で回して、ムニムニぎゅっぎゅして、セクハラ出来るのに…)

「―――辰也、終わったらしいな」

「ん…っ」


 生徒会長であるスノーホワイトと、カーレン、しかもアリスにまでばったり…いや。俺が出るのをずっと壁に寄りかかったまま待っていたようで俺を見つけるや否や、俺にゆっくりと近づき「お疲れ様」と気にかけてくれた。


「一日目にして色んな事をしたから気が立っているのだろう。

辰也、頑張ったな」

「…そう、だっただろうか」


(…まいへのセクハラの話は聞かれてないだろうな?)


「…そうでしょ?学校に来てからすぐに自己紹介して、突然獅子王組と戦って、女の子とイチャイチャしまくっての!校長室に行ってたもんね!そりゃあ疲れるでしょうよっ!」

「そうだな…アリスとも会話したりしてたしな。

濃厚すぎる一日だよ」


アリスがふんっ! と嫌味ったしくそっぽ向くので、俺も反撃するように嫌味で返す。

今思い返しても、とても一日目とは思えない事を俺は天空城で活動していたのかと思えないほど、様々な事をした…

たまに一日が長いことがあるが、今日はそんな日だったらしい。


スノーホワイトは軽く俺の肩をぽんっ と叩いたら、まるで寄り添うように俺の耳元で囁く。

吐息が耳をくすぐり、ついぞわっ と体が強張る。

この感覚は敵に対しての「ぞわり」ではなく、どこか体の部分に熱が火照りそうな、そんな感覚だ。失礼ながらスノーホワイトから香る石鹼の匂いで、彼女が行ってきたであろう場所を生々しく連想してしまう!


「今なら女子たちが入った露天風呂に、ゆったりと入る事が出来るぞ?

彼女たちが入った風呂はほのかに甘い花の匂いがして、疲れた心も癒すほどの効果がある…くれぐれも。

のぼせないようにな、男子くんっ」

「なっ…」

「ちょっと!何赤くなってんの!

どんだけ女の子に飢えてるのよ!この淫獣はっ!」げしっ!


「だから、入るなら今だ」と伝えられただけなのに、くらりとやられそうな甘い声だ。

これは完全にからかっている!それが理解出来ているのに、体は自分の感情と反してつい相手が望む反応を返してしまうのは、少し悔しさを感じた。

アリスはお決まりの如く俺の弁慶の泣き所を蹴って、またふんっ! と前よりもオーバーに拗ねる。痛えよっ!馬鹿っ!


「もう夜遅いんだから、とっととアンタの部屋に行ってから入りなさいっ!

二人とも!今日はありがとう、おやすみっ!」

「ああ。おやすみっ」

「あ…ちょっとまって…」


最後にカーレンが俺に近づいて、眉を下に下がったまま不安そうに問いかけてきた。

……俺はやっぱりカーレンは「可愛い」と考えてしまう。


カーレンをアニメで見た時も、かなりツインテールを揺らしては。蹴り技を使ったり、ホームズと共に様々な顔を見せていたのをまいと共に、つい釘付けになったものだ。

彼女の笑顔や照れた顔は、初々しい花の少女そのもので、きっと実物を見たら何度も見たくなる笑顔となるだろう。

そんなカーレンの丸っとした潤んだ瞳が悲しそうに、小さな唇を動かす。


「―――おじさんは、元気そうだった?」

「…ああ。校長から今後ともよろしくと言われたよ。まあ適当に、ほどほどに、考えておくとするよ」

「よろしく…?」

「“仲良くしてやってくれって事だ”」


カーレンはそれだけを聞いて、少しだけ俯き。納得してくれた。

本当に彼女とはあれから顔を出すことはなかったのだろう。

様々な理由や事情を考える事も出来たが、アリスがグイグイと俺の腕を引っ張っては急がせるので、辞めた。


アリスは身長もあって小学生くらいに見える。

彼女たちと同じ制服のはずなのに、幼さを強調されてると誰かのお下がりに感じるものだ。

仏の心で見れば…まあ、駄々をこねる子供と思えば〜…


「ほら、この階段を登って突き当りにあるから、ちゃんと覚えなさい!女の子の部屋に間違って入った〜って、言い訳しても跡形なく消し炭にするからっ!」


………。

やはり可愛くない…見た目はまいの好みだろうけど、お人形のように肌が透き通っていて、頬が薄桃色に火照って愛らしいけど、可愛くない奴…


「アリス」

「なに?トイレならさっきの通りで過ぎたけど?」

「違う違うっ、この学園の生徒の人数って何人くらいなんだ?」


「あれ?紹介されてなかったんだ。

生徒は15人で、アンタを入れれば16人になるわ。

さっきいた生徒会長の“スノーホワイト”に、副会長の“カーレン”でしょ。アリスに、“早乙女なでこ”。あと大人しくてやや金髪と黄緑の間ぐらいの髪色の子がー…」

「“ミスコンティ”ーか?」


「そう!…もしかして会話した?

ミスコンティーは男性恐怖症だから、アンタだけ会うのは駄目よっ!アンタは他の男共とは違うって知ってるけど、それとこれとは別だからねっ!!…それと。アンタの部屋の家具を持ってきてくれたのが“ベルベット”って女の子なの。

明日お礼しに一緒に行くわよ。」


「―――解った。ありがとう、アリス…」

「な、何よぉ…突然しおらしくお礼するなんて!やめてよねっ!

でっ!アンタに料理を振る舞って上げたのが“みどり”さん。私達よりも少し年上よ。料理がとても上手なの!美味しかったでしょ!」


「(あの…料理が…美味い…?)あ、ああ…うまかった…」

「で、横ロールのすんごい髪型の子が“エリザ”で。

赤が特徴的な大人しめな子が“ガーネット”。

ポニーテールで、放送委員をやってるのが“なつめ”。

やたらツンケンしてて、クールな感じの子が“ドロシー”。

薄紫っぽいショートボブの不思議ちゃんが“天音あまね”。

あと、嫌味っぽくってお高く止まってるのが“ゲルダ”。

あっ…それはゲルダには内緒ね!


で、濃いピンク色の髪に。目元を隠してるのが“名無し”ちゃんって言うんだけど…皆はそれじゃ可哀想だってことで“ナナミ”ちゃんって、呼んでるわ…


―――…その、辰也…」


「ん?」

「剣の魂機物グリムを名前だけでも決めてあげよう?

あの子。誰にも必要とされず、粗末な扱いを受けてるみたいでしょ?きっとアンタが、アンタだけがあの子を扱えるのよ。

剣だって、誰かに必要とされていると感じたいから、あの時も貴方にベッタリしてたんだと思う。


アンタとしてはたまたま使ったとしても、あの子にとってはとても嬉しかった事なのよ。


剣を使わないなら、守り剣でもいいじゃない!

側においてあげるだけでもあの子の心を癒やすと思うの!ひとりになるよりも…絶対に、良いに決まってるから…!」


アリスは熱く語るその顔に、足を止めて見入ってしまう。

今にも彼女が泣き出しそうで、どれだけあの剣の少女に感情移入しているのかを伺えた。


 確かに、簡単に受け入れたほうが楽だが。

俺は現実に帰る事を頭に入れている…

だから、長い目でみたら。俺は主には向いていない…しかし、少しの…間でなら―――


「少しの間でなら…なる…」

「!!」

「仮として、だ。俺はな…俺は、現実に帰る。

まいという、彼女を助けたら…」

「―――彼女…?」

「あ…?」


 突き当りまで来て自分の部屋となる場所で足を止める。暗闇で暗くなっているのかと思っていたが、部屋が焼け焦げ、黒くなっていたことに目を丸くし、固まる。

それには当の本人も動揺し、真っ黒になった場所に一人ですんなりと入っていった!


「お、おい!危険だぞっ!」

「これは…“マチルダ”ねっ!!」

「ぇ?」


俺は焼け焦げた室内を見てハッ、と今まで暴れた人物達の顔を思い出す。―――獅子王組。

アイツらくらいしかやりようがないと…一瞬に思い立ったが、アリスからはあの時学園集会で異論を唱えた少女。“マチルダ”の名が上がる。


獅子王組アイツら6人全員倒すと、棺桶ごと突如消え失せ。消滅したのかと思っていたが、ある女教師(OLのような普通の人)が「彼らのアジトか、協会・宿に戻ったんでしょうね。死ぬと、そこに戻されるみたいだし…」と言っていた。

だからわざわざ奴らをとっ捕まえて、阿保をしでかしたのかを聞き出すのは、もうしんどいっ。


だから獅子王組でも。

マチルダでも、今はどうでもいい心境になっていた。


寝室はどうするかを考えないとヤバイとわかっているが、疲れた身としてはこれ以上考えるのを拒否しており、危機感が生まれない。


(これだと、もう外で寝るしかないかな…テントでも借りるか…)


「…辰也」

「はぃ↑」

「少し考えておくから、アンタは風呂に入ってらっしゃい…」


アリスはこめかみにシワを寄せ、人を寄せ付けないオーラを出している。これは、アリスでも怒りが頂点に達してしまい、言葉がでないのだろう。俺は丁寧に静かに疲れた体を温めて、明日を迎えてからでもいいかと思い立つ。


(しかし…災難さってまた災難とは…)


次の事はアリスに任せて、ステータスバーで写した地図を見る。

食堂につく前に校舎を案内してもらっていたが、校舎内の案内はしてもらわなくてもこれ一つあれば場所や人の位置など把握できて便利なものだ。

ではどうして見て回っていたのか。まあ…親切を買うのも、礼儀というものだからな。


……

………。


「少女たちは世界から異端児として嫌われ、居場所のない少女たちばかりであった。

その理由は、少女たちだけは何故か“死んでも生き返らない”体になっているという、

ただそれだけの理由だ。


この世界の住人たちの死は、現実世界とは違う死であり。

生を手に出来るのは神の思し召しがあるからという価値観で出来ている。

なので一度死んだら生き返らない少女たちを、世間は嫌い。

親族と、ホームズの関係者である選ばれた五人の女教師と共に。空に浮遊していた残骸の石を集め、作り上げた城を建築し、少女たちが普通の生活が出来るまで、ここで生活している。

しかも“外部からは城を見ることもなく、侵入することも出来ない結界を施している”、か…。


獅子王組はどうやって侵入してきたのか。

少し、攻略と共に探ってみるのも面白いかもしれんな」


 俺はやっとの思いで露天風呂に浸かり、身と心を開放する。

体の重みが徐々にほぐれ、瞼も落ちそうになりながらステータスバーを閉じて天を見上げ、ため息を落とす。天空城だけあってか、二つの月がより大きく見え。星がダイヤモンドの如く輝く絶景に、贅沢な時を感じていた。


「ここに日本酒でもあればなぁー…」

「yes。日本酒はありませんが、お水ならココに…」


とくとく と俺の隣でガラスの器に水を満たすと、純粋で穢れを知らない真っ白な肌がこちらに…


「おいまてっ」

「yes。やっと見つけました…様々な場所を見て回ってたのですが、なかなか見つからなかったので。

地上に行ったのかと考えてしまいました」

「せめて…せめてっ!何かを着ろっ!!!てかまたがってくるな!!!」

「?マスター、どうして同様しているのですか?

殿方は女性をハベラセ、混浴を好むのだと聞いたのですが…」


どっから聞いたその話はっ!!エロおやじかっっ!!?

本当に乙女ゲームの主人公かってくらいの王道ラノベばかりしやがってここはァ!

俺は巻くものがまだ使用してない自分のタオルを渡し、距離を置く。

こっちだって丸腰状態であり、肉体あっての身としては警戒せずに負えない!


「いいか!この際ハッキリと述べさせてもらうぞっ!女の子がそう簡単に男性に肌を晒していいものじゃない!どこからそんな無駄な知識を得たかはこの際関係ないが、女性というのは慎ましさを持ってこそ!

なので混浴しにきたり、肌を男性の前で晒すようなことは絶対にやめろっ!!

自分の身体を大事にしろっ!!

男性は汚い野獣だと思って、警戒しなさいっ!!

わかったかぁ!?」


きょとんっ とした顔のままだったが「yes。マスター」と口にして、タオルを巻く。

本当にわかってほしいのに、彼女はそれでも風呂から出ないままだ!

どういえばわかってくれるのか…!


「おまえ…ぁっ」


何か名前を口にしようと思ったが、そういえば名前がなかったことに気が付く。


「名前か…そうだな…」

「!名前。くれるのですか?」

「なんて名前をしようか…

 …

 ……

 ………。


悪いんだけど、出ていってくれないかなぁあ!?」


「NO。マスターの背中は…私がっ洗う!」


 距離は確実に開ける。

彼女にはどうしても出て行ってもらうために疲れた頭をフル回転させ。構えていたが…

脱衣所からガラガラッと何者かが開ける音を左耳で確実に聞き入る。

それと、ガシャンガシャンっ! と鉄の音も入っている…どう考えても露天風呂しにきた様子ではない!


「誰だっ!!」


「辰也ぁああ…!お前が…、獅子王組を入れたスパイだな…っ!!」


銀色の鉄の鎧に、少女の声が聞こえる。

重そうな動きと馬鹿そうな姿には、思わず力が抜けそうになるが。本人から確実に殺気を感じた。

この学園には女子しかいない。

そして、あの寝室の件をパッと思い出しこの人物の正体をすぐに理解した。


「貴様のせいで、どれだけの被害を被ったかっ!!皆を騙せてもこの私は騙せないぞっ!

詐欺師めっ!この“マチルダ”が、貴様と決闘を申し込むっ!!」

「ココで…か?相当急な決闘の申し込みだな」


「いや。学園内の武道場で正々堂々と行ってもらう!今なら降参し、速やかにこの学園から去れっ!

私とて無駄な殺生はしない主義だ、獅子王組と組み、いったい何が狙いだっ!

私たちを小馬鹿にして…何が楽しいっ!

男性など…男性など信用できぬっ!!ココにはっ、ココにはお前がいるべき場所など…ないっ!!」


ボアスピアソードの剣先がぶるぶると震えている。

これは怒りはどうかは知らない。

だが、彼女は俺に恐怖している…。これは表情を見なくてもわかる…


彼女たちがあの一度の結果を見て、心を許すことに俺は違和感を感じていた。

だから、今でも牙を向けてくる少女は自然に見える。

いや…理解ある人ならすぐに理解してくれるかもしれんが…現実ではそう簡単ではない…


「―――控えなさい」

「なにっ!?」

「マスターはあのゴロツキと同等に見るとは、愚かな…マスターは貴方がたを助けた恩人です。

それを見誤るとは…っ!」


彼女が立ち上がると、温泉で濡れていた銀髪が真っ直ぐに伸びる。

彼女の目線がまさしく剣の如く切り裂きそうな視線が、ギラリとマチルダを刺す。少しでも動いたら体が真っ二つにされかねん程までの、マチルダに対する敵意に俺が見間違いをしてしまうほどの危機感を感じた。あれほど幼い少女の見た目に反して、これほどの禍々しい気を出すとはっ!


マチルダも思わない相手からの敵意に体制が崩れ、しっかりと落としていた足元が少しのづれでズッ! と滑り落ちる音と共に、鎧の身体が足元から温泉の中に落ちて、全身が沈んだ。


「きゃぁ!」

「マチルダ…!」


 鎧にお湯が入り込み、簡単に上がることが出来なくなっている。

すぐに上げないと命が危険だと判断して、とっさに鎧を外そうとするが簡単には外すことが困難だ。

俺は躊躇する事無く大きく息を吸い、潜ってでも鎧を少しづつ外していき、彼女をやっとの思いで温泉にあげた。鎧を外すと制服姿が現れ、それも水を吸い上げ余計に重くなっていた。


「マチルダ!おいっ!マチルダっ!」

「…」

「マスター…」


マチルダは完全に水を飲み過ぎたのかもしれない、意識もなければ息を吹き返さない!

俺は「クソッ!」と苛立ちを抑え込んで、自分が知っている知識を生かして気道を確保し、人工呼吸を行うことにした。


あけましておめでとうございます!

技術不足で、いくつかおかしなことばかり起こしてしまいますが、どうか温かい目でご覧いただけると幸いですm(_ _)m

趣味でちょくちょくやっていこうと思っていた小説ですが、ご覧いただき、しかもブックマークまでしてくださる方がいて本当に感謝感激ですっ!

これからも精進して頑張っていきますので、小説共々よろしくお願いいたします。


2018/1/2:登場人物紹介*メインキャラ【現実世界編】※挿絵付 修正更新しました。

2018/1/2:プロローグ:中二病展開を夢見ても現実は見失わない! 修正更新しました。

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