前触れ
少しBL要素入るかもしれません(-_-;)
予めご了承下さい
満月が見え隠れする。
生暖かい風が辺りの草木を揺らしている。その温さが不気味な雰囲気を醸し出していた。
井上春樹は風の動きと共に、ある“やつ”の動きを悟っていた。
目を瞑り、気配を読む。頭の中に仲間の声が聞こえた。
ーーー俺の所に来ている。そのまま挟み撃ちだ。
親友で幼馴染みでもある、若松千秋だ。
離れていようと、脳自体に術を送ることで会話出来る俺ら『霊媒師』だけが持っている術だ。
霊。人や動物の死後であると言われている。この世に未練を残した霊程、怨みを晴らすため、何をするかわからない。
俺達は、まだ中学生だが生まれつき霊媒師の血を受け継ぎし者で、通常の学校に加え夜には霊媒学校に通い修行を重ねていた。
通常学校が終わると、帰宅し霊媒服に着替えて今度は霊媒学校へ登校する。
霊媒学校の日課を詳しく言えば、4時から6時が授業。6時から7時に夕食。7時からノルマを果たすための実技となる。
実技を行うペアは師匠(通常学校でいう先生)外国人バランスをみてつくる。二人一組が基本だ。
俺の相棒は昔っから秋で、これから先も変わる気はない。
これは『霊媒師』を題材とした、4人の青春の物語である。