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「んーー、俺って、バスケ、、嫌い、なのか、?」
そう、1人で呟いたのは電話がかかってきてすぐのことである。
バスケのことはトラウマでは無いけれど悔しいと言う思いは嫌な思い出として記憶されっていた。
でも、思い返してみれば。
別に嫌では無い気がする。
でも、バスケの世界から活動者の世界に来て俺は思った。
バスケの世界より居心地がいいと。
いつの間にか、バスケの世界には戻りたくなくなった。
仲間から裏切られた感覚や、負けた時の悔しさだけが強くなって試合の時の快感なんて忘れていたけれど。
でも、やっぱり活動者の世界の方が居心地が良かった。
辛いことが多いけど、たくさん好きを伝えてもらえるだけで嬉しかった。
ぽこん
メッセージの通知が来て、スマホを見るとゆなからだった。
『樹里くん、次の動画の企画の相談なんだけどね、、、。バスケをやろうと思ってるんだけど、、、樹里くんって元バスケ部じゃなかった?いろいろ教えてもらいたいなぁって思ってるんだけど、迷惑とかじゃない?ていうか樹里くんってバスケのこと嫌かなぁ、あんまり話してくれないから、、、迷惑じゃなければ教えてほしいな。ご検討のほどよろしくお願いします!!』
長々とした文章がゆならしい。
軽く
『いいよ。迷惑なんかじゃないし。リスナーさんが喜んでくれるならなんでもやるって決めたしね。それに、バスケが嫌なのもちょっと克服できたかもしれないんだ。俺にできることならなんでもやるよ!』
と答えておいた。
昔から、少し熱くなってしまうと話す量が多くなる性格だから。
みんなに伝えたいこともたくさんあるなぁ。
いろいろ考えながらベランダに出て真夜中の空気をたくさん吸い込んだ。
夜の空気は涼しくて、少し、気持ちが晴れた。