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「わぁ。すごいなー!お母さん、このせんしゅ、何してるのー?」
「“バスケットボール”っていうスポーツだけど、興味あるの?実里。」
「うん、おれ、バスケットボールしてみたい!」
「じゃあ、小学生になったらバスケクラブに入ってみようか。」
バスケに興味を持ったのは、幼い頃。保育園に通っていた頃だった。
家族で見ていたテレビはオリンピック。
みんなでわいわいオリンピックを見るのが家でのルールのようなもので、楽しく見ていた。
そんな中見たオリンピック。
バスケ選手がかっこよかった。
俺は、バスケに一目惚れした。
小学生になった俺は、さっそくバスケクラブに入った。
「お願いします!」
最初は体力作りから。
低学年はまだ試合はさせてもらえなかった。
でも、ルールを覚えながらルールに則ったゲームをしたりした。
小学3年生になって、やっと本格的にバスケをやらせてもらえるようになった。
「今日から試合に参加する実里さんです。」
「よろしくお願いします!」
元気いっぱいに響く俺の声と、かっこいい先輩の姿は忘れられない。
初めての地区大会は最初の試合で敗退してしまった。
悔しかったが、その試合は初めて感じた“たのしい”という感情はいつもとは違くて試合に出るたびにその“楽しい”を味わっていた。
楽しかった。
本当に、楽しかった。
こんなに楽しいことはこれまでに無いくらい。
自分はバスケに人生をかけてもいいと思った。
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