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孤児院の食事

 洗礼が終わって孤児院に連れられると、窓から見えるのは暗闇のみ。すっかり日は暮れていた。


 私たち4人は貴族出身。貴族出身で孤児院に来るものはいわば『落ちこぼれ』。そんな『落ちこぼれ』の魔力でも、魔力は魔力。少ないながらも魔力を必要とする人たちは多いため、魔力を必要とする商人や富豪に買い取られることも多いらしい。そのときに区別がつくように貴族出身者には青いリストバンドのようなものが配布される。


 と、いうことでリストバンドを配られた私たち4人は同じ部屋に押し込められた。


********


 翌日。


 日が出てきて、みんなが起き出したので、私も目が覚めた。


 目を覚ました私に気づいたザンクは


「おっ起きたな。セレナの分も持ってきてやったぜ」


 と食事を渡してくれる。昨日の夜は何も貰えなかったのですごくお腹が空いている私は、喜んでザンクにお礼を言う。でも......


(これだけ!? 少ないよお)


 ザンクが渡してくれるのは硬いパン一切れと、味のしないスープだけだ。


「少ないよな。みんなこれでどうやって生きてんだか」


 私の表情を読み取ったザンクは苦笑しながら言う。本当にこれだけらしい。


 すごくお腹が空いた私は、ザンクと一緒にすごく少ない食事をゆっくり大切に食べる。そのとき、


「おい新入り。それおれによこせよ」


(えっ、私?)


 みると、ザンクも怪訝な顔をしている。2人して振り返ってみると


「なー寄越せって言ってんだろ」


 体格が特にいいジャイアンみたいな男子とスネ夫みたいな男子が私と一緒にきた女子2人を脅している。


 私は立ち上がって告げる。


「ちょっと、人の横取りするんじゃないわよ」


「なんだお前。こいつらのモノはおれのモノなんだよ。みんなそれで納得してんだよ。なあ、おれはウァンドール=ダリウスだぞ」


(ジャイアン!!)


 セリフまでジャイアンである。懐かしさに叫びたくなってしまう。この価値観を共有できる人がいないのは残念だ。


 ....それは置いとくとして、ウァンドール家はアルデンヌ家に並ぶ上流貴族。だからこそ誇れるんだろう。でも、孤児院にいる時点で誇っていいものではないのでは?


「それがなにか? もう家柄なんか関係ないでしょう?」


 家柄がダリアスの誇りだったのだろう。カッとなったダリウスは私に殴りかかろうとする。


 しかし、ダリウスが私を殴るより早く、ザンクがサッとダリウスを投げ飛ばした。


 ダリウスはしばらく呆けていたが、みんなが注目していることに気づき赤面。


「なに見てんだよ」


 と他の子供たちを睨みつけながら離れていった。


「セレナ、大丈夫か?」


「私は全然だいじょうぶ。ザンクこそ怪我はない?」


 ザンクは私を安心させるようにうなずいたので、ジャイアンに脅されていた2人に声をかける。


 2人はおどおどしながら、


「ありがとう」


 と私たち2人に言い、微笑みかけてくれる。すると、周りにいた他の女の子も嬉しそうに話しかけてくる。ダリウスはこれまで実家の家柄と強さでおどして、ただでさえ少ない食料を奪っていたらしい。


(やっぱり、ご飯が足りないと心がすさんじゃう! なんとか改善しないと!)


 ダリウスについて悪口を言い始めた一部の子供たちを見ながら、私はそんなことを考えた。




この回、あんま実がなくてすみません

食事改善にそんなに時間はかけないつもりです

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