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007話

アクセスありがとうございます。

「んっ? 体が痛い。なんだこれ?それにここは……救護室か? 確か、シェリー嬢と模擬戦をしていて、シェリー嬢が身体強化を使っているのに気付いて……」


 その後は、自分にもできないかと思って、やってみたらできたんだっけ?


 その後は……何があった? シシリー教官の声が聞こえてきた気がして、背中に衝撃を感じたんだったか?


「やっと起きたか馬鹿者!」


「あっ、シシリー教官。ここ治療室ですよね? なにがあったんですか?」


「そうだな。簡単に言えば、お前は自分のマナに酔って暴走しかけたんだ」


「マナに酔う? 暴走? 何ですかそれ?」


「どう説明するべきか……とりあえず、1つ言えることは、身体強化は理論上誰でも使う事ができるが、マナの操作が未熟な内にやってしまうと、マナに酔ってしまうのだよ」


 と、前置きをして身体強化について話してくれた。


▽▽▽▽▽


 本来、身体強化とは、マナを全身に駆け巡らせる事によって発動することが出来る技術である。


 だが今は、全身にマナを満たす事が大切だと教えている。


 マナは普段、体の隅々にまで存在しているが、意図的に動かさない限りそこに存在するだけの物だ。


 身体強化によって全身が普段感じていないマナを感じとるため、体がマナに酔うという現象が起きる。お酒を飲んで、思考能力が落ちる状態に似ているため、酔うという表現が使われるのだとか。


 そして、酔っていると力加減が出来なくなるので、その状態を暴走と呼んでいる。


△△△△△


 俺は、身体強化をしたことにより、見事に酔ってしまい暴走しかけたようだ。


 それにいち早く気付いたシシリー教官が、俺を止めてくれたらしい。かなり手荒なら方法でだが……


 俺の全身が痛いのは、シシリー教官の手荒なら方法のせいで出来た傷のせいのようだ。


「身体強化が使える人は多くないのに、なにも知らない君が使えるようになってしまうか……バルフレア、武術の訓練の時には使うなよ。身体強化の訓練をしたいなら、シェリーに手伝ってもらうといい」


 ??


「意味が分からないって顔をしているな。シェリーも責任をかんじているようだ。もともと、あいつが身体強化を使わなければ、お前が気付かなかったんだから、あいつのせいだからな」


 シェリー嬢が使わなかった、俺が使えるやうななるわけ無かった。暴走させた責任は、シェリー嬢が責任を持って教えろって事か?


 でもさ、シェリー嬢ってさ……武術や魔法に関しては、天才肌っぽいけど、教えるのは得意なのだろうか?


「どうしてもと言うなら、私が手取り足取り教えてやってもいいぞ?」


 余裕のある大人の女性っていう感じがする。でもさ、俺は11歳のガキだぞ! シシリー教官って、まさか! ショタコン!?


「あいたぁ!」


「失礼なことを考えてたな?」


 なんと! シシリー教官にも思考を読み取る能力が!?


「んなわけあるか! 君はたまに物凄い分かりやすい表情をするから、バレバレだぞ」


 おかしいな。しっかりと隠しているつもりだったのにな、思ったより隠せていなかったようだ。でも、女子の山の頂を見てしまっているのはバレてないのは助かる。


「ん? バルフレアは胸に興味があるのか? 触ってみるか?」


 え? 考え事をしていたつもりが、視線がちょうどシシリー教官の胸付近だったみたいだ……あっ、教官もブラみたいなのしてないのか、山の頂にポッちが! って違う!


「健全な男の子なので、胸に興味はありますが……今は考え事をしていただけですよ」


 あんまり誘ってくると、ショタコンの疑いがかかりますよ?


「だから、痛いですってば!」


「お前が失礼な事を考えるからだろうが。それに、私には魅力が無いとでも言いたいのか?」


 だからそれですってば! ショ・・・おっと危ない、睨まれたよ。


「どうせ、魅力があるとか答えたら、エロガキとか言うんですよね? そんな分かりやすい罠にはかかりませんよ!」


「……まったく、面白くないな」


 茶化すような表情だったが、急に真剣な顔になって、


「バルフレア。暫くは気を付けろ。身体強化を使う時は注意するんだぞ。模擬戦でなければ、酔うだけで済むだろうが、注意するんだぞ!」


「サー・イエス・サー」


「馬鹿者が、早くしないと飯の時間が終わるぞ! 急げ!」


 マジか! 慌てて寮へ戻って、何とか食事にありつけた……おばちゃん、連絡があったのか取り分けてくれていたみたいで助かったよ。下手したら飯抜きだったわ!


 今日は何もせずに風呂入って寝るか。




 んんっ! 空がまだ暗いな。気絶して寝たせいもあってか、早く目が覚めてしまったようだな。


 昨日できなかった自主トレでもするか。ここのシャワーって、自分で魔道具を動かすなら入っていいって話だからな。


 木剣だけもって寮の外にでる。


 地球にいたときも、たまに朝早く目が覚めたときには、こうやって素振りをしたもんだよな。


 体の動きを確認しながら、筋肉の動きや流れをイメージしながら剣を振るう。


 あれ? これって昔やってた訓練だったよな? 身体強化の訓練にちょうどいいんじゃないか?


 昨日の感覚を思い出し、マナを全身に駆け巡らせる。


 あ~思ったより楽に出来たな……昔の剣道の稽古のお陰かな?


 昨日は、突然身体強化ををして、酔ってしまったんだろうな。初めて試したことだししょうがないか? ゆっくりとマナを全身に流し、体に慣らしていく。


 1時間程素振りを続けていると、陽が上ってきた。シャワー浴びて飯でも食うかな。


 食堂に一番乗りではないが、いつもより早い時間だな。


 食堂で食事をしている寮生達が、昨日の事を聞きたそうにしているが、戸惑っている様子だ。


 正直どうごまかそうか考えていなかったから、下手に声をかけられるよりましだな。




 寮から座学の教室へ向かう途中に、寝坊をしたグリントと遭遇した。食堂でなんとか手に入れたと思われるパンを咥えていた。喉につまらないか?


「おっはー。昨日は大丈夫だったか? 教官が叫んだと思ったら、いきなりお前が気絶してたし、何事かと思って心配してたんだぞ」


「その心配が俺に向いていたら泣いて喜ぶ所だが、お前の心配に俺は入って無いんだろ? シェリー嬢が怪我してないか? とか、そういうことが心配だったんだよな?」


「当たり前だろ? なんでお前の事を心配せにゃならんのだ! お前なんて殺したって死なんだろうが!」


「はぃはぃ、薄情な親友がいて俺は嬉しいですよ。昨日は、マナのコントロールをミスって酔ったらしい。詳しい事は俺にも良くわからん! 知りたかったら、シシリー教官に直接聞いてくれ」


 俺がそう言うと、聞き耳をたてていた連中もグリントも顔をそらしていた。知りたいけど、シシリー教官に直接聞く勇気はないらしい。


 詳しい事は、分からないということにして、教官に丸投げしてやる。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

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