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004話

アクセスありがとうございます。

 それにしても、バカ息子は鎖骨をポッキリ折られた上に肋骨も折れているだろう、そして模擬戦後の不意打ちによるルール違反のペナルティ。ざまぁみろ!


 他の教官たちも加わり、俺たちの戦闘能力の評価が進んでいく。


 どうやら5つに分けるらしい。その中で俺は、一番上のクラスへ行くこととなった……しまった! 日頃の陰湿な攻撃のうっぷんを晴らすため、真面目にやってしまい目立ってしまった。


 後の祭りだ。色々考えるのはやめにしよう。他の事で目立たなければ大丈夫なはず!


 シェリー嬢は、剣術でもトップクラス入りか……天は二物じゃなく、三物を与えてしまったのか?


 待てよ……確かシェリー嬢は、頭もよかったはず。ってことはなんだ? 見た目・魔法の才能・武術の才能・頭脳明晰……天は四物を与えてしまったのか。


 ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから魔法な才能を分けてくれ! 先っちょだけでいいから! って、馬鹿なことは想像しない!


 グリントは、田舎でチャンバラゴッコをしていたためか、ギリギリ上から2番目のクラスに入っていた。


 ちなみに俺にボコボコにされたバカ息子は、グリントと同じ上から2番目のクラスだ。



 初の剣術実技訓練後、帰り道に


「裏切り者!」


 隣を歩いていたグリントが突然そんな事を言ってきた。


「突然なんだよ?」


「シェリーちゃんと同じクラスとかズルいだろ! 次の授業の時にお前は! シェリーちゃんに手取り足取り指導してもらうつもりだな! その役目は俺のものなのに!」


「グリント、あんたキモいわよ! バル君もこんな奴とつるんでると、品性を疑われるから気を付けた方がいいよ。ギャー! 変態が近寄ってくる!」


 俺たちの話を聞いていた女子が、グリントに辛辣なセリフを吐いている。確かに、こいつの言い方はキモかった……もう少し言い繕う事が出来ないと苦労するぞ。


 グリントは、怒っている振りをして女子達に近付いているが、その実……汗で張り付いた運動着が、体のラインを浮き立たせているため、鼻の下が伸びている。


 それがバレて、女子達に袋叩きにされている。本当にバカだな……


 衣服等も支給されているとは言え、この世界にブラジャーのような下着はない。シェリー嬢のようにお金持ちの家であれば、水着のような物をつけているらしい。


 寮に入るような平民では、さすがにそんなものは買えない。なので、盛り上がっている胸の頂には突起があるのが分かるのだ。スケベ小僧のグリントは、それをじっと見てしまう。


 精神年齢が36歳なので、欲情するような事はないが、男の性なのだろう……気になってしまうのだ! 俺は変態紳士じゃないぞ! 肉体は同じ歳なんだから、見るのはセーフだ!


「バル! ひでえな! 何で親友を助けてくれないんだよ!」


「いや……だって、どう考えてもお前が女子の事をエロイ目で見てるのが悪いだろ」


「そうよ! バル君を見習ってもっと紳士になりなさいよ! この変態!」


 女子達からはズタボロに言われてんな。でも助けないぞ! 俺も見ているのがバレて変態のレッテルは貼られたくないからな! だから、巻き込むのだけは止めろ!


 グリントがエロイ目で見ているから、女子からフルボッコにあっているのだが、この世界では上級階級の令嬢でなければ、張り付いている突起が服越しに見えたとしても、恥ずかしがる女子は少ない。


 そういうのを隠す習慣も無いので、その状況が普通なのだ。では、何故グリントがフルボッコにあっているかと言えば……単にスケベ面で女子達の事を見ているからだ。


 グリントも分かってはいると思うが、スケベ小僧でまだ幼く自制が効かないことが問題なだけだ。


 今日も学友たちの馬鹿なやり取りを聞きながら寮へ戻っていく。



 入学してから3ヶ月、実技訓練が始まって2ヶ月が経過した。それまでに細かい話は沢山あったが、まとめれば……バカ息子がウザイ、グリントがエロイに尽きる。


 1年の4分の1が過ぎた頃、1学年の格付けが終了したと言ってもいいだろう。


 不動の一位は、シェリー嬢だ。全ての分野でトップ5に入る好成績を修めている。


 そして俺は、武術系では好成績を修めているが、魔法と座学の成績が至って普通。なので、評価とするとギリギリ2桁に入っている感じだ。


 悪友のグリントは、本人の資質があるのか、2ヶ月で武術の才能がかなり伸びている。魔法の実技は俺よりも上だ。俺には属性適性が無いから、こいつに魔法の成績は勝てないんだよな。


 まぁ座学はボロボロなので、成績は200番台上位と言ったかんじだ。


 知り合いの女子で言えば、ライチだろうか。武術の成績は芳しくないが、魔法と座学は優秀なので100番台後半だ。


 バカ息子は、魔法の成績は良くないが、他の部分では小さい時からの教育のお陰か、上位に食らい付けている。100番台上位と言った所だ。


 ちなみにバカ息子の取り巻きは、良くて400番台上位との事だ。


 そして、トップ30までは、上級階級の面々しかいない。


 それもしょうがないよな。上級階級の子弟は、小さい頃から勉強や訓練をしているのだから、3ヶ月で追い抜かれる方が普通はおかしいのだ。


 まぁ、だいたい上から40以下は、ちょっとした事で順位が変動する位の差しかない。


 俺は陰湿なので、バカ息子が抜けない程度の実力を出している。フッフッフッ、悔しがっているバカ息子を見て、心の中で笑ってやっている。


 グリントよ。笑うのはいいが、自分で勝ってから笑えよ! 勉強すれば勝てるんだから、頑張れよ!


 って言っても、勉強せずに剣や槍を振る脳筋だからしょうがないのかな?


 格付けが終了して何が変わったかと言えば、成績の上下による力関係が形成された感じだね。


 養成学校とは言え、いずれ戦場に出るのだ。実力主義に近いものがある。まぁ、バカ息子は変わらずでかい顔しているんだけどな……何とかならねえかな?


 そうだ、成績が良くなると掃除が免除もしくは少なくなり、自主練へさける時間が長くなる。


 俺の場合は完全免除されているのだが、どうせグリントとつるんでいるので、たまにグリントが担当の時に相方に交換してもらい掃除に参加している。


 俺は、魔法の訓練が出来ないから、その分の時間を違う訓練にあてている形だ。


 特に武術の訓練は陽のある時間ではなく、夕食後から入浴の時間ギリギリまで暗い中で訓練している。


 一般的な方法では無いのだが、暗い中で体を動かす事によって、細部まで意識が行き渡る感覚が好きなのだ。


 30年近く前の、神童と呼ばれていた頃を思い出す。剣術に関しては、ある程度知識があるので基本の型から応用もできているが……槍術や体術は本当に基礎しか分からないんだよな。


 体術は……何となく剣術の動きを真似て出来なくもないが、特に問題なのは槍術だ。


 突き・払い・受けの基本的な三型しか分からんからな。


 同級生に関して言えば、基本だけだと飽きた! とか言って教官に何度も起こられているが、もともと剣道をやっていた俺からすれば、基本を疎かにするやつは大抵強くなれないのは理解している。


 ごちゃごちゃ考えてはいるが、基本の動きは大切だよな。


 今日も入浴の時間ギリギリまで訓練をする。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

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