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001話

アクセスありがとうございます。

16話を1時間間隔で投稿します。

続きは、反響次第?

 この世界には、ドラグーンと呼ばれる戦闘用ロボットが存在している。


 ドラグーンを操り駆ける者達をドラグナーと呼ぶ。


 そんな世界に転生させられた、1人の青年の物語である。



 帝国歴1357年


 帝都郊外にある村で、鍛冶屋の次男としてこの世に生を受けたバルフレア。その赤子の精神には、こことは異なる世界で生きていた、沖田剣芯という青年が乗り移っていた。


☆☆☆☆☆


 沖田剣芯は、年少期に神童と呼ばれ剣道で向かう者無しと言われていた。


 12歳なり、中学へ入学して漸くした頃……上級生に目をつけられそれらを返り討ちにしていた。


 自分達では手に負えないと思った上級生が、さらに先輩に頼みボロボロにされた事件があった。


 その際に沖田剣芯は、右足に後遺症の残る大怪我を負ってしまったのだ。これまで打ち込んできた剣道ができなくなってしまった。


 3ヶ月の入院とリハビリの結果、日常生活を遅れるまでに回復した。


 ここで止まるような人間ではなかった沖田剣芯は、何をしたかと思えば、件の問題の原因となった上級生のクラスへ乗り込み、自分と同じ様な怪我をさせたのだ。


 当時、かなり問題となった沖田剣芯の行動は、全ては上級生に問題があり沖田剣芯が、罪が問われることはなかった。


 そこに行く着くまでには、かなりのすったもんだがあったのだが、それはこの話には関係ないので、割愛することにする。


 この事件をきっかけに沖田剣芯は、目立つことをしなくなり活発だった少年は、物静かな少年になってしまった。


 高校、大学と大きく目立つことなく卒業し、平凡な会社へ就職しそれなりに忙しい生活を送っていた。


 そんなある日、沖田剣芯は信号無視をして事故を起こした車にはねられ、あっさりと25年の人生の幕を下ろした。


☆☆☆☆☆


 娯楽の乏しい世界で目を覚ました沖田剣芯は、バルフレアと呼ばれた赤子に前世の記憶を持ったまま生まれ変わっていた。


 初めは混乱していたが、体に精神が引っ張られるのか、1ヶ月もしない内に赤ん坊生活も大して気にならなくなってしまった。


 オムツと授乳には、なかなか慣れなかったが、2歳になる頃には自分でトイレを出来るようになり、問題なくなった。


 食事は……美味しいとは言い難かったが、量は食べれたのでスクスクと育つことが出来た。


 10歳になる年に、選別の儀式と呼ばれる、マナ測定が行われた。


 そこで、基準以上の数値を出したため、帝都内にある養成学校に進学することになった。


 養成学校は寮があり、国のお金で運営されているため、全てがタダである。


▽▽▽▽▽


 マナとは、魔法を使うために必要な体内にあるエネルギーというものらしい。生まれながらなして、成長率と限界値が決まっており、帝国では一定のマナを保有している者を学園に集めている。


 魔法とは、マナを触媒としてこの世の理に干渉する手段である。大きく分けて三種類の干渉方法がある。


 1つ目は、詠唱だ。言葉を媒介として、世界に干渉する方法だ。


 この場合の基本となるのは【我が力をもって✕✕】と言った感じで始まる。中二病全開のセリフを恥ずかしげもなく言葉にする方法が、詠唱法式である。


 2つ目は、魔方陣だ。魔方陣の形には決まったものがない。あるのは、マギワードと呼ばれる言語を使って描かれているという条件だけだ。これは、魔道具に使われている物である。


 3つ目は、触媒結晶と呼ばれる特殊な鉱石を使い、マナを注ぎ込みながら一緒にイメージを叩き込む事により、世界に干渉する方法である。


△△△△△


 俺のマナ保有量は、そこそこ多い分類に入るようだ。だけど、俺はあまりいい成績を残したくないと考えていた。前世の苦い記憶を思い出し……右足が痛む感じがしたからだ。


 ただ、勉強できることは素直に嬉しい。この世界の事を何も知らないので、知識を蓄えられる機会は貴重だ!


 養成学校は、戦争に役立つ人間を育てる場所だ。適性を調べるために養成学校へ通い、卒業後は適性のある上級学校に進学することになる。



 帝国歴1368年、この年に上級学校で最凶の問題児と呼ばれる少年が、養成学校へ入学した。



 養成学校へ入学してから1ヶ月……基礎知識を学ぶために座学が中心であった。


 ある程度選ばれた人間とは言え、11歳の子供である。真面目に受けているのは3割いればいい方だと思う。その中でも、魔法の授業だけはしっかり聞いている者が多かったな。


 養成学校に入学して2ヶ月目、実技の授業が入ってきた。


「おい、バル! 一緒に訓練場に行こうぜ!」


 そう声をかけてきたのは、養成学校へ来てから友達になったグリントだ。俺と同じように帝都の外に住んでいたが、選別の儀式の結果ここに来ることになった奴だ。


「オッケー、一緒に行こうぜ」


「そういえばさ、バルは魔法の属性適性どうだったんだ?」


「悲しい事に全滅だったよ。保有するマナの量は多いから、魔道具が中心じゃないかな? 触媒結晶は高価なものだから、俺には割り振られないと思うしな」


「マジで? 属性の適性の何もなかったのか? どうするつもりだよ?」


 魔法には、火・水・風・土・光・闇の6属性が基本となる。複合したりして別の属性を生み出すことが出来るが、それは上級学校での話となる。


「俺は……エンジニアかな? マナは多いんだし適任じゃないかな?」


「あ~ドラグーンの開発か整備士になるのか? どうせなら、ドラグナーを目指せよ!」


「嫌だよ。ドラグナーと言えば、エリート中のエリートじゃないか。貴族が多いって聞くし、俺みたいな平民の出じゃ無理だよ。そもそも、ドラグナーになれるほど俺は優秀じゃないよ」


「良く分かっているではないか。お前ら平民が上級貴族の嫡男と一緒に学べるだけありがたいと思え。お前ら平民には、身に余る夢を見ることは許されない。せいぜい国のために働け」


 俺とグリントは、後ろから聞こえてきた声を聞き顔を見合わせた……その瞬間に無視することを決め、次の実技の授業が行われる訓練場へ走った。


 この国の法律では、貴族の当主以外は平民として扱われるのだが、強い権力を持っている貴族の家族は、当主の力で守られるためこのように貴族の子供が偉ぶることが多々ある。


 そう言った時の対処法として推奨されているのが、言い返さない、その場からすぐに離れると言う物だ。


 言い返すと不敬罪だ! とか言う馬鹿な事を言い出すガキがいるので、何も言わずに立ち去る事が正解とされている。


 無視は不敬罪ではないのか? と思ったが、それは違うらしい。過去に馬鹿な貴族の子供が、自分より優秀な生徒を全員、不敬罪として問題を起こしたことがある。


 その事件から、逃げる無視すると言う手段は平民の最終手段として、法に明記されたのだ。


 確たる証拠も無い状態では、不敬罪には出来ないので言い返しても大丈夫なのだが、それを貴族の当主などに見られると面倒になるため、逃げる無視すると言う手段が推奨されている。


 証拠をでっち上げたり、冤罪がばれた日には、貴族の当主は処刑される。貴族は住人を管理する立場であるため、正しく律さねばならない。なので相手を貶めるような行いは、平民より重い罪とされる。


 貴族だから大目にみられていることも多い。法を遵守すべき貴族がそれを犯すと言うことは、反逆罪として一族全てが裁かれることもある。


 そう言った事情もあり、逃げたり無視したりと言う手段がとれる。


 帝国は封建制ではあるが、皇帝の力が強く隅々まで行き渡るシステムがあるため、俺達みたいな平民でも必要以上にビクビクする必要はない。中世ヨーロッパよりは、住みやすいのかな?

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

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