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その力核兵器を持つに等しい。

世界は常に問題を抱えてる。そうそれは人類が人類となった時から始まっているのだろう。

 国同士は戦争と言う名の争いをし、その国の中での争いは内戦という名を持ち、企業間でも個人でも競争という争いがある。


今日本で重大な問題が起こっている。国家の存亡も危ぶまれる事件が中東で起こったのだがそんな中政府の要人が京都に向かっていた。


 

とある京都の某所に老舗料亭「やまと」がある。


 そこに横づけされた黒塗の4台の車。。。物々しい雰囲気が夜の街に張りつめている。

 降りて来たのは政府の要人たち、官房長官の佐賀さが、幹事長の酒井さかい、副総理の加藤かとう、そして内閣総理大臣の矢部やべが固い面持ちで料亭内に入っていく。

 そのすぐ後にもう一台黒塗りの車が停まりそこからは先月副幹事長に就任した和泉いずみが焦った顔で料亭やまとの暖簾をくぐって行った。


「遅れて申し訳ないです。」

 和泉が焦った顔と汗を拭いながら通された部屋に入って来た。


「いやいや私たちも今来たところなんだよ和泉くん」

 加藤が笑顔で云った。


「ここに集まったって事はそういうことですよね?」

 佐賀は普段冷静沈着な男だが今はすごく顔色が悪くともすれば震えそうなか細い声で総理にの矢部に言った。


「今回は一刻も争う未曽有の事態だと言ってもいい。致したかない事だと皆にも理解してほしい。」

 矢部はもう腹はくくったという感じで後の後の4人を見渡していた。


 先ほどまで笑顔だった加藤が本来の強面の顔に戻って総理にぼそっと言った。

「もうお許しは頂いたって事ですかな?」


 総理の矢部は頷きながら

「ここに来る時に電話にて陛下にはお伝えしました。」


「え!!陛下って天皇陛下って事じゃないですよね!!」

 目をもうこれ以上大きく出来ないというくらいに見開きまだ歳でほか4人とは違う37歳の和泉は驚いてしまっている。


「和泉君は初めてだから仕方ないです。今からここで起こることは他言無用でお願いしますね。」



 今早急に日本が直面している事、それは中東のある国で現地の日本企業の日本人40人を含むイギリス人アメリカ人韓国人など合計200人が過激派組織に拘束されていて日本を相手に1000万ドルと日本が保有する原発用のウランを速やかに渡すように要求しているのだった。

 要求に応じない場合はもちろん拘束している人質は殺されることになり他国の人質もいるため国際問題にも発展する。

 この外国人が含まれる点が過激派組織にとっては巧妙なところで日本が要求を呑む可能性を上げるだろうと考えたのだった。

 この事件はもちろん世界中に衝撃を与えたことは言うまでもなく国連でも今対策を協議中だ。

 そんな中この政府の要人たる4人が京都の料亭に居るという事がまだ若い和泉には理解出来ない場面なのだ。


「さてこの過激派組織による人質事件、早急に収束させる事にします。いいですか?」

 矢部首相が4人の顔を見渡しながら言った。


「いたし方ないですな。」


3人は頷いたが和泉だけは困惑した顔で

「何を言ってるのですか?こんなところに居て当たり前に事を言って?皆さんおかしくなったのですか?」


 矢部総理は和泉に真剣な顔でこう説明した。

「先ほども言いましたが事が緊急なだけに後から説明しますので今から起きることは私たちのいう事に従ってくださいね。」


「わかりました。」

 和泉は困惑した顔のままでそういうしかなかった。


 矢部総理がゆっくり目を閉じ呪文の様に話し始めた。。。


いにしえよりこの大和の国のまつりごとを担う我らが天皇の意思において命ずる。政をげよ。」


「遂げよ。」

 総理以下の3人が声を合わせて言った。


 キョトンとした和泉だったが総理が和泉に目配せをし副総理の加藤が

「君の言うんだ。」

 と促した。


 困惑した顔のまま和泉も言った。

「遂げよ。。。。」

 と


 官房長官の佐賀が料亭の仲居を呼び料理を運ぶよう言った。

(こいつらは狂ってる。こんな危機的状況にこんなところで飯なんか食ってるなんて。。)

 

和泉は相手が総理、官房長官、幹事長、副総理そして天皇まで巻き込んで馬鹿らしいこんな宴をしている皆を腹が立っているより少し軽蔑すら覚え始めていた。

 

そして最初の皿と酒が運ばれて来たとき。官房長官の佐賀携帯が鳴った。


「はい、佐賀です。はい総理も居ますが、代わります。」

 佐賀が総理に携帯を差し出し

「現地大使館より電話です。」

 

矢部総理は携帯を受け取り電話を代わった。

「矢部です。。。。。そうですか。。。。わかりました。。。。。全員無事ですね。。。。ご苦労様でした。」

 

電話を切り佐賀に携帯を返しながら矢部は皆の顔を見ながら言った。

「たった今過激派組織が壊滅し人質は全員無事だという事です。」

 

皆安堵の表情に戻り加藤は笑顔が戻り佐賀も顔色が戻ってきたように思えた。ずっと険しい顔をしていた幹事長の酒井も表情が緩んでいる。


 でも和泉だけはまだキョトンとして何が何だか分からない。


(変な呪文みたいなのを言って俺も言わされて30分だぞ。京都で呟いただけで30分後に遥か遠い中東の過激派組織が壊滅だって・・・しかも拘束されていた人は全員無事・・・・俺は夢をみてるのか?いったいどういう奇跡が起こったんだ?いや奇跡じゃない起こそうとして起こった事だ俺も関わってる。おれも言ったんだから。)


 遂げよ。。。と


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