赤く染まった草むらに
赤く染まった草むらに、言葉を投げかけ、眺めましょう。痛いの、痛いの、飛んでゆけ。あいつのところに、飛んでゆけ。頰をかすめる陽の粉に、夜が恋しいと嘆いては、悲しみひとつありません、きっと私はシアワセです。光を希望と呼ぶならば、闇が怖いのは当然で、火を焚き心を燃やしては、光を創ろうともがいている。赤い炎に照らされて、顔を赤らめた、お月様、その表面は傷だらけ、殴られ蹴られで空いた穴。闇が怖くて引きこもる、光に群がる虫のよう、ならば闇には何がある? 返らぬ答えに訝しむ。知らぬが仏の裏の顔、知らぬが安心逃げる日々、赤く染まった草むらに、言葉を投げかけ笑っては、傷が増えてく、お月様、知らぬ顔して都市をゆく。きっと私はシアワセです。夜の向こうを知らずして、今日も眺める昼の月。