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掌編小説集4 (151話~200話)

宿った力

作者: 蹴沢缶九郎

トレーニングジムからの帰り、男はふと、人があまり訪れない寂れた神社に立ち寄った。一週間後に控える腕相撲大会の願掛けをしようと思ったのだ。財布から取り出した小銭を賽銭箱に投げ入れ、手を合わし願い事を口にする。


「どうか、今度の腕相撲大会で優勝出来ますように…。お願いします」


すると男の身に不思議な現象が起きた。男の二の腕の筋肉がメリメリと音を立てて膨れ上がり、それまでの倍以上の大きさになったのだ。変貌した腕を見た男は自身の優勝を確信した。

だが、男の身に起きた現象はそれだけではなかった。喜び勇んで帰ろうと十数歩歩いたところで、足に極度の疲労を感じた男は、その場に座り込んだ。ズボンの上から太ももを(さす)ると明らかに足の筋肉が減っている。まるで、足に腕の筋力が宿ったような…。


膨張し、筋力の増した二の腕を再び見て、ようやく事態が飲み込めた男には、とても家まで歩いて帰る自信がなかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] う~ん、願い事をする時は気を付けなくては(^^;) 彼が失ったものが意外すぎてビックリでした! お見事です(*^^*)
2016/05/20 14:05 退会済み
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