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誰か人生相談をしてください!

掲載日:2016/02/05

 サラリーマンが2人、自動販売機の前で缶コーヒーを飲みながら立ち話をしている。


「最近、調子どう?」

「あんまりよくないな。」

「何系の調子悪さ?」

「何、その系って?」

「いろいろあるじゃん。例えば人間関係とか、健康系とかの悩みについて。」

「ああ。そういうこと。具体的にって言われると思いつかないんだよな。」

「むりやりにでも一つ。一つでいいからお願いします。」

「何でお前が頭を下げるんだよ! 気持ち悪いな。」

「今日は無性に誰かに頼られたい気分なもので。」

「何なんだよ、その無駄な情熱は?」


「何かないか? 何だったら嘘でもいいから相談してくれ。」

「何でだよ? そこまでしてされたいのか? 人生相談。」

「うん!」

「元気いっぱいだな、おい。」

「何かないかな?」

「じゃあ・・・。えーっとね。」

「本当に何も悩みがないのか? お前・・・、幸せな人生を送ってるな。」

「・・・いきなり蔑んだ目で見やがって。強いて言うなら、月々のお小遣いが少し少ないってことかな。」

「その相談は却下!」

「ふざけんなよ! さっきは何でもいいって言ってただろ。」

「確かにさっきまではそう思ってた。でも実際に出てきた相談がまさかそこまでつまらないとは・・・。お前に期待した俺がバカだった。」

「そこまで全否定されるか?」

「すまん。忘れてくれ。」

「何をだよ! 何コレ、すげー嫌な気分。」

「しかしな、お前の相談を聞いている時間、人生の貴重な時間を無駄にしたよ。」

「そこまで言うか! 10年来の友人かつ同僚にそこまで言うか!」

「それはそうだよ。何だったらもっと酷い言葉をぶつけてもいいくらいだよ。」

「じゃあ、お前のほうから俺に相談してみろよ。」

「断る!」

「即答すんなよ!」

「今日の俺の気分はあくまでも相談されたいだけだから。受け身ですから。」

「うるせえよ。俺だって別にどうしても相談してほしいわけじゃねえよ。」

「負け惜しみだな。」

「勝ち負けの問題じゃないだろ!」

「早く~。早く相談してくれないかな。お前以外の誰かが。」

「世界で一人だけ拒否しやがって。たった今、思いついたんだが、『相談しなければいけない内容が思いつかないんですが、どうしたらいいでしょうか?』というのはどう思う?」

「おぉ・・・。やればできるじゃないか。」

「心から感心するなよ! 俺をここまで追い込んだのはお前だ!」

「やだなぁ。自分のキャラの面白くなさを棚に上げて。」

「黙れ! あと早く答えろよ。」

「本とか読んだらいかがですか?」

「アドバイスがサラッとしてんな・・・。ちなみに何の本?」

「とりあえず中谷彰浩のやつとか。」

「著作数が多すぎんだろ! 年に何十冊と出版されるぞ。具体的な本のタイトルを指定しろ。」

「『なぜあのリーダーに人はついていくのか』なんてどう?」 

「ちょっとだけ説得力がありそうだから、何かむかつく。どうせならもっと大外しなタイトルが良かった・・・。」

「あとあれかな・・・、俺からできるアドバイスとしては、寝る前にアロマキャンドルに火を点けてみるとかな。」

「OL? OLの悩みに対する回答?」

「それで大体の悩みは消えるから。よく眠れるようになるだろうし。」

「でもその対応じゃ、俺のそもそもの悩みだった、月々の小遣いが少ないってのには効果がないだろ?」

「それは・・・奥さんが寝入った後に、財布からこっそりと。」

「それは絶対に解決策じゃない!」





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