~悲しい恋物語~
僕たちは家が近所で同じ学年というわけで中学3年まで一緒にいた。登下校も一緒、学校でも会ったら必ず挨拶をした。
僕は彼女を幼馴染と思っていたがでも大切な存在だった。幼い頃ずっといたせいかいるのが当たり前だった。
お互いの事は本人よりもよく知っている。彼女も僕もお互いの事はよく分かっていた。そのつもりだった。
中学校3年の夏休みが始まる少し前くらいから彼女の態度は豹変していった。
一緒に毎日行っていた登下校も行かなくなりいつも挨拶してくれていたのに目をそらされたりそんな日々が続いて行った。
「何かあったのか?」とやっと彼女を捕まえて言えた。あの日はよく晴れた日だった。
ゆっくりと彼女は息を吐きこう言ったのだ。
「ごめん。もう話しかけないで」そう言ったのだ。
聞き間違いだろう、そう僕は思った。でも、その言葉を聞いて頭の中は真っ白になった。
「は、嘘だろ?」我ながら声が震えているのは分かった。
でも、彼女は冷たい目で僕を見た。僕は、「こんな顔しらない」と心で思った。
「ごめんけど、私もうすぐいなくなるから」
この言葉の意味は分からなかったが僕は彼女の顔が怖くなって「あっそ」と言って彼女のもとから離れた。今思えば、なんで行ったんだろうと後悔している。
この日から僕は彼女とばったり会わなくなった。後から知ったが彼女は両親が離婚で母方の実家へ行ってしまったらしい。彼女はあの日なぜ「話しかけないで」って言ったのか分からないままだ。
あれから、5年たった。