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ローマ建国宣言
ローマ建国の宣言とともに地に突き刺された槍は、長い戦争の終結と、この地に築かれる平和な国を象徴していた。
「我らは、長き戦いにより傷ついた。もう、これ以上の血は我らの内で流すことはない。皆の平和が約束された国家をここに作ることを私は、今この場で宣言する」
パラティウムの丘の上で、ローマの戦士ロムルスが声高に叫んだ。
持っていた槍は、緑の丘の上の地に突きたてられ、彼の宣言を聞いていた者達は、新しい国家の誕生に歓声を上げた。
「ロムルス様、万歳!」
疲労しきっていた戦士も、その周りに寄り添っていた戦士の妻も、周りの家々から出てきた子どもも、年老いた者も、皆が手を取り合い、喜びの声を上げながら、丘の頂上に立つ立派な若者を見上げていた。