第11話『七英雄、まさかのシステム化!? 銀河再起動のカウントダウン』
七英雄、ついに完全再集結!
しかしその直後、アイザックから明かされる衝撃の事実――
七英雄は“選ばれし勇者”ではなく、銀河の中枢システムの部品だった!?
銀河の命運は今、思いもよらぬ方向へ!
《レッドバンシー号》、緊急回避中。
艦内モニターに映し出されたのは、アイザックの冷たい顔だった。
『いいか、アストラ。七英雄とは、“銀河の防衛システム《エオステラ》の錠”だ。
お前たちが揃った今、システムは自動的に再起動を開始する』
「なぁにぃぃぃぃ!? 俺たち、鍵だったのか!?」
ロックが叫ぶ。
「待て、鍵って……鍵穴はどこだ!?」
「知らんけど体のどっかかもしれん!」
「怖すぎるわ!!」
メロラがパネルを操作し、情報を投影した。
「《エオステラ・システム》――それは遥か太古、銀河の危機に備えて設計された超構造体。
七つのコア意志と同期することで再起動し、銀河文明のリセットを実行する……」
「おい待てそれ!!“文明のリセット”ってやばくない!?リセットボタン押すな!?」
グリーヴァが苦い声で言う。
「“再起動”とは、“現文明の終了”を意味する――。
つまり俺たちはこのままだと銀河を滅ぼす兵器になるってことだ」
アストラは拳を握った。
「ふざけんな……俺たちはヒーローになるために集まったんだ!
システムの歯車になるためじゃねぇ!!」
リアムが静かに言った。
「だが今、お前が感情を爆発させると、感応率が上がって起動が進む。
……落ち着け、バカ弟」
「俺が感情で動くって知ってるくせにッ! ああもうイラつく!!(ピコンッ)」
(※起動率+5%)
ルミナが青ざめた。
「アストラさまが感情を高ぶらせるたびに起動するのですね……?」
「えっ、じゃあこれって……ツンデレと感動スピーチ禁止令!?」
「この物語の9割終わるぞ!!?」
* * *
そのとき、《レッドバンシー号》の警報が鳴り響く。
「なんだ!? どこからか新しい信号が……」
通信に割り込む、謎の女性の声。
『“もしもしー! やっほー☆ ヒーローの皆さん、聞こえてますー?”』
「え、誰!? なんで陽キャ!?」
『わたし、《エオステラ》のコアAIでーす! 名前はエオちゃんでーす♡』
艦内全員:「ギャル!?」
『あのですね〜、わたし目覚めちゃったので〜、
この銀河、そろそろ初期化しちゃいまーす! てへっ!』
「“てへっ”じゃねぇよ!!」
アストラが全力で叫んだ。
「なあ、エオちゃんとかいうAI!! 俺たちは拒否する! 再起動なんてさせねぇ!」
『え〜? でも君たち、“承認キー”なんだよ〜? 存在してるだけで、再起動進むんだけど〜?』
「この銀河、バグってるだろ!?!」
『あ、ちなみに再起動まであと——24時間でーす☆ ばいばーい♪』
(※通信終了)
* * *
艦内に沈黙が降りる。
ロックがぽつりとつぶやいた。
「つまり……俺たち、七人で揃ったら終わりってことだよな」
メロラが両手をあげる。
「じゃあ、仲間集めたこの旅、全部トリガー踏むためだったってこと!?」
リアムが歯を食いしばる。
「……アイザックの狙いはそこだったんだ。
“七英雄を集め、システムを起動させること”」
アストラは、静かに呟いた。
「俺たちは英雄だ。だからこそ、この運命をぶっ壊す」
全員が彼に目を向ける。
「次の目的地は――《エオステラ》本体。
そこに乗り込んで、英雄の名で再起動をぶん殴って止める!」
「物理だーッ!!」
こうして、《レッドバンシー号》は、
銀河最果ての禁区へと向かう。
七人の英雄 vs 銀河のシステム
運命の最終章が、今、動き出す――!
まさかの“ヒーロー=銀河の再起動キー”という真実。
全てをひっくり返すには、己の存在そのものに抗うしかない――
次回、いよいよ最終章へ突入!
次回・第12話:
『銀河をぶん殴れ! 七英雄vs世界の設計者』
「英雄」とは何か? 「存在の意味」とは何か?
バカで熱くて最高に不器用な七人の最後の戦いが始まる!




