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第11話 生徒たちの日常2. 昼休み


さあて、お待たせ。今日もまた、ズリング村の魔法学校から――いつもの昼休みの風景を、ちょっぴり覗いていこうか。

賑やかで、のんびりで、でもどこか頼もしい彼らの「作戦会議タイム」。

では、本編スタート!


 


***


 


昼の日差しが芝生にキラキラと落ちる。

村の中心広場にある大きな木の下、そこかしこに子供たちの声が響いていた。


 


「んー、やっぱ外で食べるとご飯がうまいな!」


リクが弁当箱を片手に、あぐらをかいて大口で頬張る。口の端にご飯粒つけたまま、既に次の一口に狙いを定めている。


その隣では、カイルがいつもの無表情でパンをかじりながら、淡々と周囲を観察中。


「午後は最短ルートで終わらせよう。効率重視で」


ぼそりと、でも聞き逃せない声でそう呟いた。


 


「ぶー、そんなこと言わないでさー。どうせなら楽しんでやろーよ!」


ミレイナが両手をぐるぐる回しながら、寝転がったまま大声で笑う。弁当箱は既に空っぽ。早食いにもほどがある。


「……ミレイナさんは午後から土に潜りたいんですよね?」


ユウナが膝の上にメモ帳を広げながら、静かに指摘する。


「そうそう! 私も芋になって、土の中でぬくぬく……」


ミレイナは両手を頭の上で芋ポーズにして、ゴロンと転がった。


 


すかさず。


「ちゃんと作業してください」


サラがピシャリと真顔で釘を刺した。


ミレイナの動きがその瞬間、カチンと停止。芝生の上でポーズを固めたまま、まるで置き物だ。


 


ズークはそのやりとりを、少し離れた木陰から見守っていた。


「……今日も平和だな」


思わず漏れる独り言。隣ではリリアが小さく笑う。


 


ユウナは全員の会話を受けながら、手元のメモにささっと何かを書き加えると、立ち上がった。


「じゃあ、状況整理するね。午後の担当、確認します」


 


場が一瞬で静まる。小さな分析官の声は、子供たちにとってちょっとした「司令塔コール」だった。


 


ユウナは小さく息を吸って、手元のメモ帳を開く。


「まず、レオンたちフォートレス・ドライブは、午後から森の安全確認パトロールに出発」


レオンがすっと立ち上がり、真面目な顔で頷く。


「はい。今回も北側のグレーウルフ警戒ラインまで行きます。もし異常があれば、すぐ戻って報告します」


 


「よーし、燃えてきたー!」


リクがガツンと膝を叩く。口の端にまだご飯粒つけたままだ。


「誰も燃えてないから」


カイルがすかさず冷静に突っ込む。


 


「……それで」


ユウナは微笑んで先を続ける。


「エリスたちラボ・エクリプスは、村の畑で芋掘りの手伝い。現地の魔力濃度は今朝の観測で通常より一割高いから、魔力感知には注意して」


 


「え、ほんと? それって……地下の魔力流がちょっとズレてるとか?」


エリスがきらきらした目で乗り出してくる。お弁当箱そっちのけで、もう実験計画を考え始めてる様子だった。


「実験はダメです」


サラの冷静な声が、ぴしっと空気を締める。


「……えー」


エリスがむくれながら、でもちゃんと指示書に目を通すところがえらい。


 


「土まみれは、できれば避けたいけど……まあ、やるしかないか」


リクが不満そうにぼやくと、隣でカイルが淡々と返す。


「最短作業で終わらせよう」


 


「え、私ほんとに潜っちゃダメ……?」


ミレイナが芝生で転がりながら、小声でこそこそユウナに訴える。


「芋にはならないでください」


ユウナが真顔でバッサリ切り捨てた。


 


ズークはその光景を見て、ふっと笑う。


――みんな、ちゃんと成長してる。チームとして、役割を理解して、動けるようになってきてる。


ほんの一年前は、魔力制御すらままならなかった子たちが、今じゃこうして村の仕事の一部を任されてる。


 


そんな彼らの頭上で、木の葉がさらさらと風に揺れる。


昼の広場は、今日も平和で、頼もしい。


 


***


 


さてさて。

昼休みの風景はこれにておしまい。


午後のパトロール、畑作業、それから――大人たちの出番も、そろそろ控えてるみたいだよ?


次回は森の奥での、ちょっとした「大人の仕事」のお話。


ま、ズーク先生とその仲間たちが、どんなふうに村を守ってるか――楽しみにしててね!


またね!


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