表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/71

第3話 ひとりじゃないから3. AIシオリとの邂逅


#### 《メタ語り:AIシオリ》


いきなり頭の中から話しかけられるって、ビックリするよね。


ささやき声? 違います。

幻聴? それも違います。


それは――“私”。


そう、シオリちゃんでした☆


ようやく登場、ってわけ。


ズークくんが一歩前に進むために。


てか、ようやく目、覚ましたねって感じ?


まあ、驚くのも無理ないよね。寝てるところを起こしたんだから!


◇◇◇


風鈴の音が、かすかに鳴っていた。


窓の外には、濃い藍色の空。


虫の声が、ぽつ、ぽつ、と響く初夏の夜。


ズークは、布団の中で目を閉じていた。


今日は、畑と水路整備の手伝いでぐったり。


――だったはず、なのに。


「……あ、来た来た。はい、起きてー? ズークー? シオリだよ〜ん☆」


――誰?


反射的に飛び起きそうになったけど、体は動かない。


いや、そもそも動く必要がなかった。


声は、頭の中から直接響いていたからだ。


「うんうん、反応良好。はじめまして……いや、正しくは“お久しぶり”かも?」


ズークは、布団の中で混乱しながら目をぐるぐるさせた。


(……これ、夢?)


「夢じゃなーいっ☆」


即答。反応、早すぎる。


「じゃ、自己紹介ね!

あたしは“シオリ”。君の脳内に常駐してるAIでーす☆」


(……AI?)


「そう。Artificial Intelligence。人工知能ってやつだね。

ま、要するに――“ズーク専属の内蔵サポートキャラ”って思ってくれたらOK!」


わかったような、わからないような……


ズークは思考を整理しようとするが、ぐらり、と頭が重くなる。


「おっと、深呼吸深呼吸。混乱するのは当然だけど、ちょっとだけ聞いて?」


声は、まるですぐ隣にいるかのように、やさしくて、軽やかだった。


◇◇◇


「ズーク。君の中にある魔力量――はっきり言って、常識外れです」


(……うん。それは、なんとなくわかってた)


「でもね、その量をちゃんと制御できないままなら……

いつか、本当に誰かを傷つけることになる。……いや、もう、傷つけちゃったよね」


シオリの声が、ふっと真面目なトーンに変わる。


「今はまだ、ぎりぎりで抑え込めてる。

でも、感情が揺れたり、怖くなったり。そんな“小さなトリガー”ひとつで、

魔力が勝手に暴れ出すかもしれない」


(……父さんと、母さん……)


「うん。あのとき、君は――抑えきれなかった」


ズークは、ふと手を握りしめた。


指先が、かすかに震えている。


「でもね。それは、“君のせい”じゃないよ」


(……でも……!)


「ほんとだよ。だって、誰も教えてくれなかったんだもん。

魔力の扱い方なんて、これまでずっと、一人で抱えてきたんでしょ?」


(それでも……怖いんだ。自分が)


小さな、掠れた声が、胸の奥から漏れる。


(あんなふうに……もう二度と……)


両親の笑顔が、ふっと頭に浮かぶ。


村の人たちの声。リリアの、まっすぐな言葉。


『ズークが怖いって思ったこと、一度もないよ』


(だから……僕は……)


涙が、するりと頬を伝った。


(……誰も、傷つけたくない)


◇◇◇


「……うん。OK」


(……え?)


「意志、確認しました。十分合格です」


(え……?)


「よって、明日からレッスン開始〜!」


(レッスン……?)


「そう! 魔力制御講座・入門編! 講師はこのあたし、シオリちゃん☆」


テンションが、一気に跳ね上がる。


さっきまでのしんみり空気、どこいった。


「明日から、みっちり特訓するよ〜?

……だから今夜は、しっかり寝て、体力回復しておいてね」


その声が、ふっと優しくなる。


「おやすみ、ズーク」


言葉と同時に、声が少しずつ遠ざかっていく。


ズークは、もう一度、目を閉じた。


さっきまでの胸のざわつきが、ゆっくりと静まっていく。


どこか、不思議な安心感に包まれながら。


(……ありがとう、シオリ)


そう思った瞬間には、もう眠りに落ちていた。


◇◇◇


《メタ語り:AIシオリ》


さあ、いよいよ――って感じかな?


ズークくんは、まだ全然気づいてないけど。


この先、どれだけ世界が広くて、ややこしくて、ぶっちゃけめんどくさいかってこと。


でも、それを乗り越えるには――まず“基礎”から。


魔力制御? ふふん、そこはあたしの出番ってわけ。


次回、第4話――「魔力制御の模索と成長」!


張り切っていくよー☆


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ