お茶会
何を着ても全部着こなしてしまうティターニアに、
どんなドレスを選ぶのか!
ルシアは悩んでいた。
さっきブティックに来てからマリアと騎士のセル
シオを見てから、ティターニア様はそっちに行っ
てしまった。
今、ルシアの前には多くの新作ドレスが所狭しと
並べられている。
それに付属するアクセサリーや小物までが店内を
彩っている。
どれも高価で、今まで身につけた事すらないよう
な高級品ばかりで、目の前がクラクラしてきそう
だった。
「この中からティターニア様の似合うものを……
私が選んで………」
場違いな感じがして、一歩も動けなかった。
すると、やっと戻ってきたティターニア様がルシ
アを見て微笑んでくれた。
「あら、待っててくれたのかしら?」
「あ…あの……一緒に見たくて」
「そう、ルシアは本当に可愛らしいわね」
そう言うと、手近にあったドレスを指差す。
「これなんかどうかしら?ルシアはとっても可愛
く清楚なイメージだから派手すぎず、それでい
て可愛らしいのが似合うと思うのだけど?」
「はい、ティターニア様がそう言うなら…それで」
あまりに緊張し過ぎたせいか、笑われてしまった。
「ルシア、そんなに緊張なさらないで。今度はルシ
アが見立ててくれるかしら?」
「わ…私でしゅか……あ……すいません」
「いいのよ、落ち着いて。そうだわ。お茶を持っ
てきてくれる?」
「はい、すぐにご用意します」
店員に言うと慌てて出て行く。
「見られてたら緊張するわよね?これでどうかしら」
じっと見つめる店員が居なくなった事で、少し落ち
ついたのだった。
「ティターニア様、ドレスはお茶会と伺っていまし
たが……」
「そうよ、お茶会を開くの。私って友人と飛べる人
は居ないのよ。だからルシアは一緒に来てくれる
かしら?」
「はい、勿論です。」
あまりに即答したので、ティターニアはすごく嬉し
かった。
このお茶会にはある目論見があった。
夜会と違って、お茶会にはご婦人方が主な出席者な
のだ。
そこで、話す内容は、政治の事や、政略結婚の事。
はたまた財産のことなど、自慢や、つながりを持つ
場所として使われることが多かった。
ティターニアには今、一番行かなければならない
場所がある。
ペリーエ港だ。
ここには行くのに馬車で何時間も揺られる必要が
あった。
だが、なんの理由もなくそんな遠い場所へと行く
事は、一国の皇女として許される事ではなかった。
前のように遠征について行くというのも、普通で
は考えられないほどの異例だった。
そこで、一番近いフルール領を収めているフルール
伯爵夫人、デリア婦人に特産品のワイン事業の融資
を申し出て、その視察という口実で向かうという設
定を描いていたのだった。




