追加エピソード
マリアが話すには古代の神仏というアイテムが必要
だったらしい。
それを持った状態で影の尖兵のボスに挑むと、難易
度が一気に下がるのだという。
「それならガゼルが死なない未来も?」
「そうね……シグルドと一緒に最後立ち向かうって
分岐がでてくるわ。そこでシグルドの持っている
神仏ともう一つ…」
「ペリーエ港にあるのかしら?」
「そうそう、そこに祀られている祭壇の中の指輪を
つけて行くと普通に倒せるのよ。でも、そのあと
追いかけてきたガゼルは神仏の加護がないせいで
やっぱり体を乗っ取られて2連戦になるのよね〜」
思い出すように苦戦したわと語った。
あの人、予想以上に強いんだもん。
と手を挙げてお手上げ状態というポーズをとった。
「それに、魔法が使えないはずなのにボスになると、
闇魔法をどんどん撃ってくるのよ〜」
どちらにしても、乗っ取られたらおしまいらしい事
を知ることができた。
「ペリーエ港って言ったらセイクリット公国に近い
わね?」
「そうなのよ!だから兵を連れて行くと侵略の疑い
をかけられてね〜」
「それなら、今回はルシアがいるから一緒に行けば
なんとかなりそうね」
「あーなるほど。ティターニア様ったら頭いいわね」
マリアらしくない考えに少し意外に思えた。
「マリアがここにドレスを買いに来たのよね?」
「そうそう、セルシオ様を連れてきたのよ。代金は
彼に任せようと思って〜」
「もう落としたの?」
「それがさ〜、ちょっと見ててよ」
そういうとマリアは部屋を出てさっきのソファーへ
と戻った。
そしてセルシオの前に行くとじっと目を見つめる。
「ねー、セルシオ様…私ここのドレス欲しいなぁ〜」
「どれが欲しいのかな?」
「そこにかかっているの一列欲しいの。買ってくれ
る?」
「あぁ、もちろんだ。そこの君、そこの一列全部買
うから彼女の家に…いや、神殿に届けてくれ」
太っ腹な買い方に店員はすぐに頭を下げるとドレス
を奥へと持って行く。
「どう?」
「凄いわね……これって主人公補正って事?」
「そうみたいね。でも、離れてると効かないのよ」
「まるで魅了ね」
「それ、私も思ったわ。でも、これって攻略対象し
か効かないのよね」
「あぁ…なるほど。色々苦労しそうね」
「えぇ、周りからは嫌味ばかりよ」
主人公も楽じゃないらしい。
毎日、攻略対象者にあって、じっと目を見つめる。
これを繰り返す事で、24時間自分に惚れさせるら
しい。
「マリアさん、ペリーエ港行く時は一緒に…」
「いや、いいわ。ティターニア様もこれで攻略でき
そうでしょ?ガゼル推しって事は、勿論あそこに
は絶対ガゼル卿を連れて行くんでしょ?」
「勿論よ、その為に神仏を手に入れるつもりよ」
「なら、任せるわ。それよりも私には他にやる事も
あるし〜、ここで頑張るわ」
「そう、なら、わかったわ。情報ありがとう」
「いいえ〜、そっちも頑張ってね!ティターニア様」
「勿論よ」
そう言ってマリアがいる部屋から出てルシアの待っ
ている部屋へと戻ってきた。
そこには今回の新作のドレスが並んでいた。
「お帰りなさい、ティターニア様」
「先に選んでいてよかったのに…」
「いえ、ティターニア様と一緒に見たかったので」
なかなかに可愛らしい事を言ってくれる。
やっぱりこの子は死なせたくないなぁ〜っと思っ
てしまう。
今、ルシアが生きていられるのはティターニア皇
女に気に入られているという一点だけだった。




