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予想外のハプニング

夜に歓迎パーティーを催してくれるとあって、ル

シアのソワソワした雰囲気が伝わってくる。


「そんなに気構えなくても大丈夫だよ。ルシアは

 何を着ても綺麗だよ?」

「そう言うお兄様は、皇女様に一目惚れですか?」

「そ……そんな事は……」


無いとは言いづらいが、難しいと言えば難しい。


皇帝が可愛がっている一人娘なのだ。

兄の皇子殿下よりも可愛がっていると聞いていた。

確かに、見た限り誰もが虜になるほどに美しい方

だった。


ただ、隣国まで轟くほどの噂は一体どう言う事だ

ろうか?


我儘で、傲慢。

気に入らない事があると、すぐに手が出るともっ

ぱらの噂だった。


そこでルシアの出番だと父は思ったのだろう。


皇女の意中の人である、公爵である騎士団長に寄

り添えばきっと手を出してくるだろう。

それを利用して傷がつけばそれでよし。

と言っていた。


こんな姑息な事はしたくなかったが、ルシアにそ

っと指示を出した。


「ルシアいいかい?よく聞くんだ。ダンスは最初

 皇太子殿下と踊る事になるだろう。その後には

 必ず公爵を誘うんだよ?白い騎士服の、銀髪の

 人だよ」

「公爵様ですか?」

「そうだ。アルベルト殿下を落とせればいいが、

 それは向こうだってわかっているからね。そう

 簡単ではいかないだろう。そこでアレを使うん

 だ、いいね?」

「はい、わかりましたわ」


素直に頷くルシアを見ながら、少し罪悪感を感じ

ていた。

これも国の為。

公国の未来の為なのだ。


心を鬼にして送り出す事にしたのだった。


パーティー会場は豪華なシャンデリアに彩られ、

四方の壁には大きく先代の皇族の肖像画が飾られ

ていた。

そこに並ぶように、今の殿下と二人の王妃、そし

て小さい姿の皇子、皇女が描かれていた。


少し冷たい雰囲気の皇女の姿に今の姿を重ねる。


ふわりと笑みを浮かべる彼女からは、噂で聞くよ

うな乱暴な性質は見受けられなかった。


ダンスが始まると、ルシアがアルベルト皇子の手

を取って踊り出す。


その隙に、ルシウスは皇女へと手を伸ばす。

前に片膝を付き、胸に手を当てる。


紳士的なその動作に、出した手に皇女のほっそり

とした手が添えられた。


国と国とのパーティーで断るのは失礼に当たる。

そして、それは国際問題へと発展しかねない行為

だった。


手袋の上からでも分かるほっそりとした手をそっ

と握ると彼女の腰に手を添えて、音楽に合わせる

ように踊りだす。


そして、二曲めが始まる時には、ルシアと騎士団

長がよく見える場所へと誘導した。


皇女は公爵である白の騎士団長シグルドを好いて

いると言う噂は隣国まで届いていた。


しかし、身分も申し分ないのだが、どうにも雲行

きが怪しいとも。


その理由が、騎士団長が皇女を嫌っているという

のが理由だと言う。


皇族から想われながらもそれを否定し続けるなど

よっぽどの事だろうと、一部では下世話な噂が流

れたほどだった。


そう。今まさに、その意中の人とルシアが手を取

りあって踊っているのだ。


おとなしくしているはずがない。

そう思って、見渡しやすい場所へと来たのだった。


「皇女様、宜しければ飲み物でも取ってきましょ 

 うか?」

「いいえ、大丈夫ですわ」


上品な振る舞いに一瞬目を奪われた。


その瞬間、予想外の出来事が起きた。

来賓が多くいる中、神官服の女性が駆け出して来

たのだった。


キラキラとした光の魔法を身に受けて曲の終わっ

た瞬間にシグルドめがけて飛び込んで行ったの

だった。



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