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祭壇の中にあった物

祭壇は石でできており、中に何かを隠していそう

な構造になっていた。


ガゼルには、そこに触れる手立てがなかった。


多分、祭壇に触れるときっとさっきの黒いモヤに

も触れる事になるだろう。


モヤの正体がわからないので、このまま触れるの

は危険と判断した。


だが。調査団はそんな事くらいで手ぶらで帰る事

など出来きないと言い張って、どうにも意見が合

わない。


そこに提案してきたのは、ティターニア皇女だっ

た。


あの時、黒死病を治した時のように簡単な回復魔

法と浄化魔法を同時に使えば触れるのではと言い

出したのだった。


だが、問題はそれだけではない。


もし、皇女に何かあったらどうなる?

確実に首が飛ぶのはその場にいた全員だろう。


それは調査団のメンバーもわかっているだけに、

誰も頷く事ができずにいたのだ。


「皇女様自らでなくても、騎士団員の一人が触れ

 て確かめると言うのはどうですか?」


一瞬、言われた言葉にガゼルの眉間の皺が増える。


「我が騎士団員を犠牲にしろと?」

「そう言うわけでは……もしかしたら危険なものじ

 ゃないかもしれないと……」


自分で安危険じゃないかもと言いながらも、自分で

は動かないのだった。


どこかで危険だと思っているからだろう。


この祭壇を見つけた時はいち早く駆け寄ったが、

目で見えてわかるくらいのモヤを見て、一気に距

離をとったのだった。


「部下を危険なめに合わせるわけにはいかないか

 らな……」


そういうと、ガゼルが前に出た。


「お待ちください。私の力を試してからでも遅く

 はないでしょう?それに、ガゼル様には何かあ

 ったときに備えて貰わないと困りますわ」


ティターニア皇女の言葉に、誰も反論を出せなか

った。


ガゼルが側に付くという条件で、祭壇の側に行く

事を了承したのだった。


ティターニアは自分の中にある暖かい力を最大限

引き出す。


そして、思い浮かべる。

魔法は常に想像した方へと動く。


だからミニゲームをしている時のように、頭でこ

うしたいと願うのだった。


すると、ゆっくり出ていたモヤが一気に霧散した

のだった。


不気味な気配も一瞬で消えてしまった。


「これは……」

「これなら触れても大丈夫でしょう?」


少し気怠るい身体を必死に奮い立たせると胸を

張ってみる。


祭壇にある手前の石をどかすと、そこには空洞

になっており、一つの遺物が置かれていた。


ペンダント型の古代の神物だった。


ゲームで見た事がある模様の書かれた物で、こ

れは後半で必要になるアイテムだった。


実際は部下を犠牲にして手に入れるのだが、そ

うならなくてよかった。


誰も怪我もせずに無事に帰れそうで一安心した。




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