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真実と報告 

村を先に出発した黒の騎士団一行は真っ直ぐに王

都へと向かっていた。


予想外の歓迎と、問題しか起こさない不安定要素

だったティターニア皇女の活躍により、より良い

成果を上げたと言える。


なぜなら、今回発見された影の尖兵のおかげで、

そもそも影の尖兵とは何か!

と言う事を改めて検証出来る材料が手に入ったか

らだった。


今まで、倒したら黒い血となって消えてしまって

いたせいで、研究が滞っていたのだが、今回の骨

と血肉、魔石によって新たな事実が分かるかもし

れないからだ。


すでに他の騎士団は王都に帰っており、遠征とい

っても、数日の滞在と現地調査がメインだった。


早く出発した黒の騎士団は、帰りも遅く7日程の

日程を経てようやく帰ってきた。


だが、それも一部だけだった。


団長をはじめとする数人はまだ帰って来てはい

なかったのだった。


「黒の騎士団は今回お手柄でしたな〜」

「そうですね、しかし陛下への報告もあるとい

 うのに。団長がまだ戻っていないとか…」

「それはいけませんな。陛下への報告は騎士団

 長が自ら行わなければならないというに…」

「ここは、やはりシグルド・ヴォルフ卿ですか

 な?」

「それはそうでしょう。皇女殿下にも気に入ら

 れている、有力な次の国王陛下候補ですから

 なぁ〜」


貴族の噂はすぐに広まっていく。


そして調査団の報告を聞くと、一団を連れて陛

下へと謁見を求めたのは言わずと知れたシグル

ド・ヴォルフ卿だった。


「シグルド・ヴォルフ卿、陛下の御前へ」

「はい」


前へと進み出ると片膝をついて頭を下げる。

騎士ならではの挨拶だった。


「よい。頭を上げよ」

「はい、陛下…」

「此度の遠征で重要な事がわかったと聞いたの

 じゃが?」

「はい、調査団の話によると変異体が見つかっ

 たと…その変異体から実に色々なものが採取

 出来たとの事です。影の尖兵の本質がわかれ

 ば、今までの被害を最小限に塞げるほか、原

 因究明を図れるかと…」

「なんと。それはすごい発見じゃ。此度も其方

 には苦労をかけたようじゃ、何か褒美をやろ 

 うと思うのだが、何か欲しいものはあるか?」

「いえ……もったいなきお言葉……これからも

 今まで通り研鑽を積んで行きたく思っていま

 す」


シグルドは欲張らず、紳士な対応をした。

その事で騎士団だけでなく貴族、王族からも高い

評価を得たのだった。


「そうか……欲しいものはなんでも言うといい。

 ただ……娘のティターニアだけは許さんがな」

「はい……心得ております」


ティターニア皇女が騎士シグルドを待ち伏せして

何度も追い縋っている事は誰の目から見ても周知

の事だった。


だから、誰もが何を言おうと、娘に甘いこの陛下

は、押し切られて結婚するものだと思われていた。


だが、最近になって、少し風向きが変わって来た。


シグルドのあまりな態度にティターニア皇女が消

沈し、諦めたと言うのである。


そして、二人が一緒にいる姿を見る事はほとんど

なくなったと言ってもいいほどだったのだ。



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