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聖女候補の随行  

この度の遠征は、影の尖兵の被害に遭った村々を

周り、これ以上の被害を食い止める事と、蔓延し

ている死の病を突き止める目的があった。


各騎士団には教会の方から聖女見習いが派遣され

る事になっていた。


聖女見習いとは、魔力の高い貴族の中でもあと目

を継がないような三女や四女などが教会へ奉仕活

動を行う際に、未来の聖女候補として修行する行

為であり、誰もが貴族上がりで白の騎士団への随

行を指定してくる。


一歩譲って緑の騎士団でも同じだった。


ただ、平民の集まりである黒の騎士団へ来たいと

言う者は皆無だった。


なぜなら、メリットがないからだ。


位の高い貴族と知り合って、ゆくゆくは結婚と考

える彼女達にとって、平民など問題外なのだ。


ましてや、我儘皇女がいるとなれば、余計に一緒

にはいたくないはずだ。


そして案の定、誰も随行しないと言う判断が下さ

れたのだった。


「やっぱり今年も誰も来ませんでしたね〜」

「いつもの事だろう。気にする必要はない」

「はいはい、団長は落ち着きすぎですって……」


オルフェンはため息混じりに残念だと嘆く。

もし、聖女になると分かっていたのなら、こっち

から知り合っておきたいと願っていただけに、彼

からしたら、残念でしかないのだ。


「無駄口叩いてないで必要な物資を運んでおけ」

「はーい、分かってますって。」


皇女が同行するからと言って、食事や寝床を新調

する事はない。

与えられた質素な食事と薄い毛布だけで数日は

過ごさなければならない。


これに皇女がいつまで耐えられるのだろうか。

途中で逃げ出すかと思うと、そのお守りもしなけ

ればならないだろう。


「はぁ〜、今から気が重いな……」


ガゼルは必要な物資の数や、遠征先の情報に目を

通していたのだった。




その頃、遠征を前にティターニア皇女はある物を

探しに市場まで来ていた。


「そこの綺麗なお嬢さん、見ていってよ。いい物

 あるよー」

「私?」

「そうそう、どう?魔道具。安くするよ?」


市場では色々な物が出回っていた。

勿論高価な魔道具さえも売られている。


「これってどうやって使うの?」

「これはね〜、こうやって。ほら、どうだい?」


店員がその魔道具に手をかざすとボッと音がして

先端に火が出たのだった。


平民は魔法が使えない人が多く、火を起こすのも

大変だった。


それをこの魔道具で一発で着火できるというのだ。


手軽で手のひらサイズなのでカバンの中に入れて

持ち歩けるサイズなのだ。


「すごいわ。じゃ〜買っちゃおうかしら」

「お客さん、いいね!こっちもどうだい?」


もう一つ持って来たのは、さほど小さくはないが

懐中電灯くらいの大きさと形の物だった。


「何に使うのかしら?」

「これは変態を撃退する物だよ、こうやってレバー

 の先を回して充電しておくと、ここを押すだけで」


バチバチッっと火花が散った。

静電気とも、呼べる電気が一気に流れる。


ただ、使う前に手巻きで回しておく必要があるのが

難点だった。


それでも使いようによっては便利な物だった。


「そうね、それも買うわ」

「太っ腹だね〜、こっちはどうだい?」

「いえ、もう帰らなければならないの。お代はいく

 らかしら?」

「そうだね〜、おまけして銀貨十五枚と銅貨八枚っ

 ってところでいいよ」

「なら、これでいいかしら?お釣りはとっておいて」


ティターニアは金貨を一枚渡すと嬉しそうに帰って

いく。

店の若い店主も、あまりにも太っ腹な支払いに目を

丸くしたのだった。


「やっぱり貴族様は支払いがいいね〜」


それがまさかこの国の皇女だとは誰も知らない。


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