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5話

チョット退屈させてしまいましたね。こっから急展開していきます。

この世界には元からその形であるように作られている。


いや。でも何となくそう思う日がある。太陽は東から昇って西に沈むように。それが自然だ。


いや。こんな黄昏ているちょっとポエムを書きたかったとかそういうわけじゃない。


そう。エルフのとんがりコーンのような耳がキュートでとかそういう話でもない。


綺麗だ。心がどこまでも浄化されていく気がする。


大きな湖にポツンと浮かぶボート。池に浮かぶ紅葉のように周りの風景を鏡のように映していた。


この辺の地域には高い山脈が多数連なっているので、真っ白な山頂の雪と地面の茶と新緑で彩られた山たちが湖を絶景へと変えている。


春風がサラサラと髪を揺らす。少しだけ波紋が広がりまた元に戻る。


ここまでロマンチックに言ってみたのだが、別にそんなに大層な事はしていない。


何故って? 隣にいるのがエルフはエルフでもお父さまだからだ。


「なかなか魚つれないな。いつもはわりと釣れるのだが。」


「そうですねえ。」


渋いイケオジの趣味と言えば、釣りだろう。おれも休日にアウトドアは好きなのでお供させて頂いていた。


{「こうなったら。とことんまで付き合ってもらおうか。」}


とでも言われそうな雰囲気の中、そこはエルフさま。


高い魔法能力で魚をおびき寄せる魔術を展開しだした。


「フッフッフ。良くも待たせてくれたなあ。これで一網打尽。」


お、大人げないよ。このエルフの方。なんてせこいんだ。



「お昼の酒食を確保。君も飲むだろう?」

「すみません。あまり今日はあまり気分のらないです。」


「そうか。お酒に合う魚ばかり捕まえたのだが。では晩酌の当てにでも保管しとこうか。そうだなあ。燻製辺りがベスト。木製チップを持ってきといて正解だったな。」


にこにこ楽しそうにしており何よりだ。もうすっかり一人の世界に入り混んでいる。


ボートは静かに岸へと向かう。木陰でお昼寝をしてたミスリーさんがちょうど目覚めたようでおれたちに手を振って迎えてくれた。


ジジジジ・・・。プラズマが弧を描く。数百メートル先に小さな暗雲が渦巻いていた。



*****



【目標の対象を確認。知的生命体。ファイル№999 カノ世界線でのエルフと推奨】


「確認した。引き続き詳細を要求。」


【突然の発火を確認。熱源元はエルフ個体男性の手元。】


「何もないのにどうやって?」


【推測。このケースはデータベースに該当32件該当。235年前に調査した近未来都市アクティブフォースの住民の能力パイロキシネスに類似の可能性あり。】


【引き続き調査。大気の構成要素を確認。窒素78.1%。。。酸素21.0%。。。次に水蒸気。。。該当なし成分感知。。。これは。。。】


「どうした。」


【現段階断言不可。推定魔素。先ほどの観察対象 名前改めサンプル№1の手元に多少の空気の流動を感知。使用したと推定。】


「魔法の世界・・・。」


【報告。可能性は高い。新しい世界線の調査研究必須。なお後1500年は世界線の移動不可。新しい魔素エネルギーの分析研究求む。】


「了解。任務を遂行する。」


飛行モデルに変形トランスフォームし、音もなく近づていった。



*****



突然空から機械の鳥が降りてきた。


「な、なんだあれは!? 魔力感知に反応がなかった。」


「あれは・・・。」

「迷い人でしょうか。伝承に出てくる・・・。あの・・・。」


この状況にいち早く適応したのはおれだった。


なんせ元居た世界では映画などで予習済みだからな(?)


SF世界のアンドロイドらしき人。


「すみません。どちら様でしょうか?」


キュイーーーーーンと機械のエンジンのクール音が辺りの芝生をなでおろした。


「お楽しみのところ失礼する。私はNEMESISネメシス。シリアルナンバー№003 この世界を調査しに来た。期間は1500年ほど。どうぞよろしく。」


後ろでジェット機のような羽がヒュンヒュンと空中分解し形を作っていき、どんどん縮小していく。


どんだけの密度に凝縮したかは定かではないが、なんと女性サイズの上衣へと変わった。


スッと出された手をとり握手をした。


「どうぞよろしくお願いします。」


「むう。動揺してしまいすまない。私がここから一番近いストロング村の村長だ。どうぞよろしく。」


「娘のミスリーです。どうぞよろしくお願いします。」


次々と挨拶をかわす。


「ところであなたはどのような方でしょうか。」


珍しくあのお父さまが緊張をしている。


【推測 この世界のどれにも№003は該当なし。】


おれの好きな映画に出ていた機械音声に似た声が空気を揺らした。


通常の音とだいぶ違和感があったのだろう。ミスリーさんとお父さまがキョロキョロしている。


「分かっている。だがどうしたものか。」


この世界に来てまだ日が浅いのだろう。ネメシスさんはお困りのようだった。


「あ、あの。」おれはおずおずと手を挙げた。


「うん!? どうした。シン。」


「そう。例えば近いものと言えば人造人間ホムンクルスです。そして動力源に電撃エレクトロを使用しているというか。」


「ふむ。なるほどな。リーの言う通りこの世界の者ではなさそうだ。」


【肯定 人間の癖になかなか使える。こいつは生かしておくか。】


ただの悪口だった。泣くぞおれ。


【謝罪 つい本音が漏れた。すまねえ。】


「ごめんなさいね。彼には悪気はないんです。ただ・・・。」


「ただ!?」


「人類を見下しているのです。その今までの関係リレーションが・・・。」


「大丈夫。気にしてませんよ。」


「申し訳ない。」


ペコリと頭を下げて謝罪してくれた。まだあって数分だが、かなりの好印象である。


「邪魔をしてしまったが、あなたたちは当機に構わず、食事をする事を推奨・・・。」


「ああ。お気遣い感謝する。」


「ありがとうございます。はいどうぞ。ネメシスさまもサンドウィッチはいかが!? 小魚とマヨネーズそれにお野菜もたくさんとれて美味しいですよ。」


「当機に食事の必要はない。」


「ご、ごめんなさい。」


慌ててペコリと頭を下げた。


「問題ない。」


そう言っておれたちに気を遣わせないようにしたのだろう。隣の芝生に腰かけた。


「では遠慮なく。あ、これ美味しいですね! ミスリーさんが作ってくれたんですか?」


「フフフッ。シンさまったら子どもみたいにはしゃいで。そうですよ。」


なんだ今の聖母スマイルは~? もう拝んで良いでしょうか・・・。


「いや。本当に美味しいな。そしてこのパンはグロッグのヤツのか。あいつのパン人気だからなあ。しかしサンドウィッチに良くあう! もちろんリーが作ったというのが一番の隠し味だがな!」


「お父さまったら。」


ちょっと照れくさそうに、はにかむような笑顔を浮かべた。


【質問 村長 村を調査させて欲しい。】


「っつ。はい。構いませんとも。失礼まだ慣れないようでして。」


「良かったら私の家に遊びに来て下さい!」


あ、あの。そのギラギラした目は何ですか。ミスリーさん。


「ありがとう。調査のご協力感謝する。」


ああついに抑えきれなくなったのだろう。


「やったー! 嬉しいわ♪ 本当に本当よ!?」


そう言ってぎゅっとネメシスさんを抱きしめてしまった。何ですかハグ魔ですか?


「この子可愛い~。妹みたい。」


だそうです。愛情表現がすごいねエルフ♪














魔法世界に科学技術の参戦♪ この組み合わせが好きなので作者頑張ります!

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