【完結】夢幻宵祭り ~自らに呪いをかけ鬼となった、とある少女の物語~
時は20世紀末、東京の片隅で。
少女は踏切脇の骨董品屋で、奇妙な古い一輪挿しを見つけた。その表面にはびっしりと、古い護符が重ねて貼り付けられている。少女は一枚、また一枚と護符をはがし、そこに封印されていた鬼を解き放った。
広松徹(ひろまつとおる)は史学科卒の塾講師。妻と6歳の息子がいる。趣味の呪術と陰陽道を用い、少女が封印を解いた鬼を退治した。しかしあろうことか、少女は消える寸前の鬼の気を吸い取り、自らが鬼となってしまった。広松は鬼となった少女を救うため、独自に調査をはじめる。
遥(ハルカ)は国文学科に通う私大一年生。リア充な学生生活夢見て大学デビューを目指したものの、社交的な自分を演じられず疲れ果てている。現実逃避したくてしょうがないある日の夜、誰もいないはずの一人暮らしのアパートに、夜響(やきょう)と名乗る「鬼」があらわれた。夜響は空を飛び、月まで連れて行ってくれる。
百合子(ゆりこ)はロックバンド「Braking Jam(ブレイキングジャム)」のヴォーカリスト「アイ」に憧れる高校生。学校には友達がおらず、塾もつまらない。唯一の家族である母親とは、最近まったく心の交流がない。行き場を失った彼女は、死を夢見るようになっていた。そこにあらわれたのが夜響。白黒だった彼女の日々がカラフルに輝きだした。
一葉(いちは)は中学二年生。成績優秀で生活態度も良く、先生からも信頼されている。毎日、部活動で汗を流し、友人たちに囲まれて一見充実した日々を送る優等生だが、実はおてんばな妹の双葉(ふたば)のように自由に振舞いたいという鬱屈した願いを抱えていた。彼女はある夜ベッドの上で、心の中に理想のイメージを創造する。
大人になったからといって子供の心を忘れるわけじゃない。誰にでも捨てられない夢はある。すべての人の心に、夢見がちな小さいオニが潜んでいるのだ。
自由を求めるすべての人に贈る、青春物語。
※ごく軽いものですが、女性同士の恋愛をにおわせる描写があります。
※舞台が90年代のため未成年者が飲酒する場面がありますが、当時のリアリティを描いたためです。著者は未成年飲酒に賛成するわけではございません。
※この作品はカクヨムでも掲載しています。
少女は踏切脇の骨董品屋で、奇妙な古い一輪挿しを見つけた。その表面にはびっしりと、古い護符が重ねて貼り付けられている。少女は一枚、また一枚と護符をはがし、そこに封印されていた鬼を解き放った。
広松徹(ひろまつとおる)は史学科卒の塾講師。妻と6歳の息子がいる。趣味の呪術と陰陽道を用い、少女が封印を解いた鬼を退治した。しかしあろうことか、少女は消える寸前の鬼の気を吸い取り、自らが鬼となってしまった。広松は鬼となった少女を救うため、独自に調査をはじめる。
遥(ハルカ)は国文学科に通う私大一年生。リア充な学生生活夢見て大学デビューを目指したものの、社交的な自分を演じられず疲れ果てている。現実逃避したくてしょうがないある日の夜、誰もいないはずの一人暮らしのアパートに、夜響(やきょう)と名乗る「鬼」があらわれた。夜響は空を飛び、月まで連れて行ってくれる。
百合子(ゆりこ)はロックバンド「Braking Jam(ブレイキングジャム)」のヴォーカリスト「アイ」に憧れる高校生。学校には友達がおらず、塾もつまらない。唯一の家族である母親とは、最近まったく心の交流がない。行き場を失った彼女は、死を夢見るようになっていた。そこにあらわれたのが夜響。白黒だった彼女の日々がカラフルに輝きだした。
一葉(いちは)は中学二年生。成績優秀で生活態度も良く、先生からも信頼されている。毎日、部活動で汗を流し、友人たちに囲まれて一見充実した日々を送る優等生だが、実はおてんばな妹の双葉(ふたば)のように自由に振舞いたいという鬱屈した願いを抱えていた。彼女はある夜ベッドの上で、心の中に理想のイメージを創造する。
大人になったからといって子供の心を忘れるわけじゃない。誰にでも捨てられない夢はある。すべての人の心に、夢見がちな小さいオニが潜んでいるのだ。
自由を求めるすべての人に贈る、青春物語。
※ごく軽いものですが、女性同士の恋愛をにおわせる描写があります。
※舞台が90年代のため未成年者が飲酒する場面がありますが、当時のリアリティを描いたためです。著者は未成年飲酒に賛成するわけではございません。
※この作品はカクヨムでも掲載しています。
一章、嘘 ―― Drug Trip ――
01.春の夜の出会い
2021/09/26 20:46
02.夜が明けても夢は醒めない
2021/09/26 22:22
03.こんなあたしじゃ猫も喰わない
2021/09/26 23:36
(改)
04.終わりは突然訪れる
2021/09/27 00:19
05.はじまりの記憶
2021/09/27 08:20
06.頻発する怪事件
2021/09/27 21:43
07.現代を生きる少女の闇は前時代の鬼を軽く凌駕する
2021/09/28 23:14
08.働かざる者食うべからず
2021/09/30 23:38
09.ようこそ、むげん温泉へ
2021/10/02 17:34
10.少女は今宵、花ひらく
2021/10/02 22:28
11.鬼にばかされた顛末
2021/10/03 03:26
12.市野沢百合子の好きなもの
2021/10/03 03:54
13.鬼になる要素は誰もが持っている
2021/10/05 05:13
14.山本一葉、きみは誰?(1)
2021/10/05 16:08
15.山本一葉、きみは誰?(2)
2021/10/06 07:17
16.遥がみつけた宝物
2021/10/10 08:06
(改)
17.少女は夢幻の国で理想を演じる
2021/10/10 19:43
18.夜の名を持つ君と、その連れと、再び始まる奇妙な共同生活
2021/10/11 02:35
19.毎日飲み続ける日常という名の毒
2021/10/11 10:31
20.いき場がないならせめて死に場所を求めて
2021/10/12 20:30
21.目をつぶったまま闇の中、歩いてゆく
2021/10/14 18:40
(改)
二章、加速 ――Tumbling Down――
01.真夜中ベッドの上、理想のイメージが降り立った
2021/10/15 09:07
02.愛をくれたら夢を見せてあげる
2021/10/15 22:17
03.誰も知らないもうひとつの物語
2021/10/16 11:00
04.穢れた欲望も無邪気な夢物語も、一つの心
2021/10/16 16:26
05.大人になんか、なりたくない
2021/10/17 20:34
06.腐敗魂も尽きせぬ夢想も抱えて生きてゆく
2021/10/18 06:36
07.かつて抱いた感情が消えてゆく
2021/10/18 12:00
08.ユリの変化と策略
2021/10/19 04:36
09.いとおしい少女と二人、自由に世界の果てまで飛べたなら
2021/10/20 08:11
10.壊れたフランス人形は蜘蛛のように罠を張る
2021/10/20 13:00
11.一葉は夜響に、世界を壊せるほどの愛を捧げたのに
2021/10/21 01:28
12.夜響は一葉を愛せない
2021/10/21 07:10
三章、夢 ――Stardust――
01.夢を忘れられないすべての人に
2021/10/21 17:20
02.銀幕の夢
2021/10/23 00:43
03.夢への情熱が、自由への希求を凌駕するなら
2021/10/23 14:23
04.たとえ姿が変わっても、必ず君をみつけ出す
2021/10/24 18:07
05.この胸に住みついた小さなオニを守り続けて
2021/10/26 23:22
06.夜響はどこにもいない、だけど――
2021/10/28 06:35
07.だれの心にも夜響は住んでいる
2021/10/30 01:18
08.夢の終わりに
2021/10/30 22:08