自滅の前歯
大昔、ウサギは強い肉食動物でした。
鋭い前歯で獲物を仕留め、火炎球で焼き肉にしていたんです。
「ウサギが来たぞー! 逃げろ逃げろー!」
動物たちは、みんなウサギを怖がります。
ウサギは有頂天になりました。
ある日、ウサギは鬼の噂を耳にします。
鬼は力が強く、体は堅く、火にも強い。世界最強なのだとか。
ウサギは自分の力を試してみたくなりました。
でも、いまのまま鬼と戦ったら、勝てるかどうかわかりません。
ウサギは鬼に勝つ方法を求め、古い巻物を読み漁りました。
ウサギは答えを見つけました。
大地を斬り、海を斬り、空を斬る。
そうすればすべてを斬れるので、鬼も斬れるに違いありません。
「よし! 前歯を鍛えて、鬼滅の前歯にしよう!」
ウサギは鬼滅の前歯をマスターするため、修行を始めます。
ウサギは全身に力を込め、大きな岩を斬りました。
前歯が強く大きくなりました。
次は全力でダッシュし、海を二つに割りました。
前歯が鋭くなりました。
最後に、目には見えないもの(空)を斬れれば、鬼滅の前歯が完成します。
でも、空を斬る前に、ウサギは死んでしまいました。
全感覚を研ぎ澄まし、精神を集中した時に、悲劇が起きました。
グッと噛み締めたとき、大きくて鋭い前歯で、自分を斬ってしまったのです。
神様はウサギを哀れに思い、鋭い前歯を取り上げました。
それから、ウサギは草を食べるようになり、かわいらしい動物になりました。
動物たちは、このお話を「自滅の前歯」と呼び、子どもたちに伝えました。
少し後の時代。
「これ、前歯じゃないからOK」
そう言って牙を伸ばしたマンモスたちは、伸びすぎた牙に刺されて自滅しました。(マ〇モスマン談)
現代だと、セイウチあたりが危ないかもしれませんね。
鬼滅の刃の映画の話をTVでやってるのを見てたら思いつきました。
反省してます<(_ _)>