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俺たちは勇者じゃない  作者: 陶子
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Side story _クルサーティリ防衛線_01

 ズリュッ。

 魔狼(ガルム)の腹を山刀(やまがたな)が割り裂く。不快な感触が手の中に残される。

 黒い血が噴き出す。切れ味の悪くなった山刀(やまがたな)を引き抜くと、同時に内臓の一部が掻き出されてきた。

 血液が黒いのだから当然、その内臓も真っ黒だ。もはやそれを見ても嫌悪の念さえ抱かない。

 生臭い匂いにはもう慣れた。

 汗と共に襟元から流れ込んでくる返り血の感覚も、飛び掛かられ、体当たりを受けるたびに増えていく打ち身の痛みも、誰のものかも分からない腕や足、時に死体そのものを踏みしだいてしまう事さえも。

 それでも慣れない事もある。目を上げて、死んだ人々や魔物の腹に顔を突っ込み、血を吸っている魔狼(ガルム)と視線があったなら、やはり動揺せずにはいられない。

 もう何時間戦っているのか分からず、「よく俺はまだ立っていられるな」と将聖は思った。

 全身が重い。激しく喘ぎ続けた喉も、長時間に渡り凄まじいテンポで拍動し続けた心臓も、張り裂けているのではないかと思うほどに痛かった。

 それなのに、斬り付けたはずの魔物たちが仲間の血を吸って回復し、再び活力を取り戻して襲い掛かって来るのは何とも理不尽極まりない。それが自分と共に戦ってきた騎士や魔狩人(シーカー)たちの血であるなら、あまりの事に膝から地面に崩れ落ちてしまいそうだ。

 それでも自分を鼓舞して立ち続ける。

 座り込んだら、帰れない。

 背後にチリッ、とした感覚が迫る。

 振り向きざま将聖が山刀(やまがたな)を払うと、その切っ先が何頭目かの魔狼(ガルム)の首筋を大きく斬り裂いた。

 シャアアアアッ!

 こすれ合う金属のように耳障りな声を立て、その魔狼(ガルム)血飛沫(ちしぶき)を上げながら将聖から距離を取る。体中をビクビクと震わせているが、まだ立っており、完全に動きを停止したわけではない。追いすがりたいところだったが、すでに疲労で思うように足が動かなかった。

 将聖は憂鬱そうに、先ほど仲間の血を吸っていた魔狼(ガルム)に意識を戻した。

 その(うなじ)から背中にかけて、赤黒い火が灯っている。将聖が斬り付けた右前肢から脇腹にかけても赤く光る筋があった。口中から青黒い煙が吐き出され、ゆっくりと風に吹き払われていく。

 ジャッ。

 回復した魔狼(ガルム)が、将聖に飛びかかった。一拍遅れて、もう一方の魔狼(ガルム)も動く。

 将聖は踊るように身体を回転させた。右の山刀(やまがたな)を「黒魔石使い(ヌアンバゼルグ)」の横っ面に叩きつけてから、逆手に持った左の山刀(やまがたな)で首から血を滴らせた魔狼(ガルム)の顎を裂いて絶命させる。更に回転しながら大きく踏み込み、再び切っ先を「黒魔石使い(ヌアンバゼルグ)」の(うなじ)辺りに突き込んだ。

「もう立つんじゃねえよっ。このクソ野郎がっ!」

 そう叫んだつもりだったが、乾ききった喉は既に声が潰れたのか、「……ウォッ、……ガッ」というかすれた音しか出さなかった。

 それでも遂に、二頭の魔狼(ガルム)を仕留めたようである。

 将聖は肩を大きく上下させながら、また立ち上がって来るのを待っていた。

 ――(いち)()(さん)()……。

 自分自身を抑えるために、意識して数を数える。

 だが、魔物は長い舌を吐き出したまま横たわり、動かなかった。二十まで数えて、将聖は体の力を抜いた。

 周囲を見渡す。

 ここはルドガ大渓谷の底を流れる、ソーサノルド川の河原である。大雨や雪解けの季節になるとこの河原も満々とした水に覆われるのだが、今は流れの中のあちこちに大きな岩が顔を出し、広々とした両岸も乾いて堆積した白い砂が覆っていた。今はその河原一帯に累々と、人であったものと魔物であったものの死骸が横たわっている。砂は鮮血を浴び、どす黒く変色していた。

 戦闘が始まった当初は、将聖は一人ではなかった。

 ルグフリートらメドーシェン市から派遣された部隊、「ザイン隊」のメンバーと共に、固まって互いに背中をかばいながら戦っていたのだ。

 しかし、ここは川の流れに完全に(なら)された土地ではなかった。渓谷の岩壁から剥がれ落ちた岩や石が、あちらこちらに散乱して砂の合間に突き出している。そこに魔物の群れが次々と押し寄せ、しかも倒した死骸が折り重なって、どんどん足場は悪くなっていったのだ。徐々に仲間から引き離され、無我夢中で戦い続けて気が付くと、周囲に人影はなくなっていた。

 以前の自分だったら、パニックを起こしていたことだろう。みな死んでしまったのか、それとも見捨てられてしまったのかと疑心暗鬼に囚われて、冷静な行動など取れなかったはずだ。この場から逃げ出そうと闇雲に手足を振り回して、魔狼(ガルム)に殺されていたかも知れない。

 だが、今の自分は違う。

 将聖は「黒魔石使い(ヌアンバゼルグ)」との戦いのせいで狭くなっていた視野を広げ、意識を河原全体に行き渡らせた。……見つけた。ルグフリートとナダルナニエは対岸に移って戦っている。向こうの方が足元の死骸が少ないため、戦いやすいのだろう。ロドハルトはグンナルの砦の上部につながる隠し通路の付近にいた。そういえば、重傷者を担いでそちらに向かって走っていくのを目の端に捉えていた気がする。イザクシルは胸壁越しに矢を射ているので無事なはずだ。

 ――良かった。みんな生きてる。

 ほっとしたのも束の間だった。対岸の岩壁の更に先に、また波のように寄せて来る魔法粒子(イリューン)のうねりを感じた。

 感じられる魔法粒子(イリューン)の、神経に障る乱れた波長に将聖の口元が歪む。

 ――まだ続くか……っ!

 将聖は歯噛みした。これが人間同士の戦争なら、すでに「戦略的撤退」が始まっている頃だ。後続がもし援軍として駆け付けたのならもう手遅れであるし、先行の部隊を「捨て駒」として利用しただけだとしても、戦闘の続行は断念するはずである。地形的に見て絶対的に不利な戦場であるこの渓谷に、何の策もなく駆け込むのはただの愚行だ。これまでの経緯から、人間ならその事を手痛く学んでいるはずなのである。

 だが、魔物にそんな道理は通用しない。

 今このクルサーティリで起こっている事すべてが、合理性とは真逆の位置にあるように将聖には思われた。

 今朝未明に押し寄せた魔狼(ガルム)の大群は、砦正面の支流沿いに谷を駆け下りて、ソーサノルド川の河岸を埋め尽くした。本来なら群れの三割ほどが撃退されれば彼らも逃げ去っていくはずなのだが、後から後から現れる仲間に押し流されるように前進を続けたため、砦を守る者たちは、それら全てと最後まで対峙する羽目になったのだ。

 魔物のほうも、ひとたび渓谷へ降り立ってしまえば、もう逃げ帰ることは困難だった。渓谷の崖をよじ登り、その向こうに広がる森へ逃げ込もうにも、胸壁から次々と射込まれる矢に拒まれるからである。それがこれほど凄惨な殲滅戦(せんめつせん)にまで発展してしまったのだ。人間の側の犠牲も決して小さくはないが、魔物の側の被害は尋常ではない。魔物たちに人間のような知性があったなら、この河原に横たわる仲間の死骸の数に一体何を思った事だろう。

 魔物を迎え撃つという事に、どんな定石(セオリー)も存在しないのだ。

 ――ルーたちはまだ戦っている。戦えている。

 対岸に目をやりながら将聖は思った。

 ――ルーもダンさんも、ヴァイズ・ルフスの経験があるから耐えられるんだろうか? あと少し体力が残っていたら、俺はもう逃げ出しているのに……。

 そんな事を考えながら、将聖は首に下げた呼子(よびこ)を引き出すために襟元を探った。新たな群れが接近中である事を、周囲に知らせなければならない。

 だが長時間の戦闘のせいで、疲労はピークに達していた。腕が震えている。指も思うように動かずに焦っていると、突然ハッとするほど華々しい音が風に乗って渓谷に流れて来た。砦のさらに向こうから響いてくる。

 複数の金管楽器(ラッパ)の音。援軍が到着を知らせて来たのだ。

 対岸に集中し切っていたせいで気づけなかったが、そちらに意識を飛ばしてみると。三十騎ほどの一団が駆けつけて来たのが将聖には分かった。おそらく下流域の河岸で魔物を迎え撃っていた部隊だろう。

 新たに現れたと思われる群れが踵を返すのを、魔法粒子(イリューン)の動きで感じ取る。彼らが踵を返せるというのなら、もうこれ以上の後続はいないということだ。

 ――ようやくか……。

 周囲を見渡すと、すでに河原には手負いの魔狼(ガルム)が数頭しか残っていなかった。それらも砦の上から射られる矢を受けて、一頭、また一頭と倒れていく。

 将聖は、安堵の溜息をついた。

 ふと気づいて、山刀(やまがたな)に付いた魔狼(ガルム)の血を川の水で洗い、腰に付けた。そのまま膝から崩れ落ちるように、その場に座り込む。

「おーい、ショーセ! 大丈夫かっ?」

 ルグフリートの声がした。岩伝いに渡河して来る。その全身も返り血で真っ黒に汚れていた。

 だが、さすがはエク・セドラス騎士団屈指の騎士だ。軽やかな足取りとはお世辞にも言い難いが、それでもその動きにはまだ余力が残っていることが見て取れる。

 ――どんな鍛え方したら、あんな風になれるんだか……。

 将聖は感嘆して呟いたが、その言葉は今の自分の意識とはどこか別の場所から聞こえて来るように感じられた。

「どうしたショーセっ! どこかやられたのかっ?」

 反応を見せない将聖に、張り詰めた表情でルグフリートが近づいて来る。駆け寄りたいようだが足が動かないらしく、ひどくもどかしそうだ。返事をしなければ、と遠い所から意識が急かしたが、気が付くと体は横倒しに倒れていた。

 冷たい水が頬を撫でる。それが妙に心地よかった。

 メドーシェン市の寄寓先の家の裏庭を思い出す。

 仕事で汚れた足を洗っている背後から、驚かせようとするように首筋に押し当てられた、良くしぼられた綺麗な麻布。

 ――何で驚かねえんだよ。せめて『キャー』とか『いやん』とか言えっての。

 ――気配が丸わかりなんだよ。驚くわけないだろ?

 その乱暴な口調とは裏腹な、花のように微笑む水色の瞳に向かって言い返す。

 将聖も小さく笑って、その意識を手放した。



「……っ、はああああっ!」

 叫び声を上げながら、将聖は目覚めた。体に触れられた感覚があり、とっさに「引き裂かれるっ」と思ったのだ。

 だが、胸に手を置いていたのはロドハルトだった。ナダルナニエも心配そうに覗き込んでいる。将聖はまだ混乱したように彼らの顔を眺めていたが、ロドハルトが手を貸すと、促されるままにようやくその場に身を起した。

「す、すみません。少し休ませてください。埋葬の準備はそれからで……。」

 呂律がうまく回らない舌で、将聖は二人に言った。戦闘が終わってからどれくらい経ったのだろうか。自分が今どこにいるのかも分からなかった。

 戦場では実際の戦闘行為が終わったからといって、それですべてが終わるわけではない。砦で戦う者たちには、その後も魔狼(ガルム)の死骸の回収と、殉職した騎士や魔狩人(シーカー)たちの遺体の埋葬の仕事が残っているのである。

 魔物の死骸は、出来る限りグンナルの砦から離れた場所に廃棄しなければならない。

 そして死者たちの埋葬は、清浄域を守るために命を懸けて戦った者に対する、決して(おろそ)かにしてはならない敬意の(あかし)なのだった。もちろん感染症などを引き起こさないための、衛生的な配慮の意味も含まれてはいる。しかしその献身を称え冥福を祈ることは、「明日は我が身」となるかも知れない残された人々にとっても、その心を支えるために必要な儀式なのだ。

 だが、ロドハルトは将聖の傍らに足を投げ出し、腰を下ろしたまま言った。

「後始末は増援部隊に任せているよ。悪いが俺はもう立てないし、今まで戦っていたほかの部隊の連中もみんなここに引き上げているしな。ショーセも休め。今日は俺たちが手伝わなくても、誰も責める奴はいないはずだ。」

 ――そ、そうなのか……。

 内心素直に胸を撫で下ろして(うなず)くと、将聖は周囲を見回した。

 いつの間に運ばれていたのか、そこはルドガ渓谷の谷底ではなく、グンナルの砦の石壁の中にある中庭の一画だった。周囲には自分たちのように、戦い疲れた騎士や魔狩人(シーカー)たちが座り込んでいる姿が見える。

 ああ、自分は生き残ったのだ。

 そう思った瞬間、凄まじい吐き気に見舞われた。将聖はぎゅっと目をつぶり、体を折り曲げてそれを(こら)えた。

「ショーセ! 大丈夫ですか?」

 鞘に入れた剣を杖にしたナダルナニエが声を上げた。彼が立ったままだったのは、疲れで地面に座る事さえ億劫(おっくう)だったからだろう。

「……いえ、すみません。大丈夫です。何でもありません。」

 将聖は首を振った。自分を落ち着かせようと、何度も深呼吸をする。(こら)えきれずに溢れ出た数滴の涙を、服の袖で乱暴に拭った。

 今日の戦闘はハードだった。今も全身の筋肉が小刻みに震えているような感覚がする。

 だが、それ以上に精神的なダメージが大きかった。凄惨な姿に成り果てた、死者たちの姿が脳裏にちらつく。

 もぎ取られた手足。ねじれた首。

 吐き出された舌。引きずり出された内臓。

 恐怖に歪んだ表情。見開かれたままの目。

 将聖は目を閉じた。目を閉じても、ずたずたになった遺体の残像が眼裏(まなうら)に浮かび上がって来る。首を振って振り払おうとしたが、それも無駄な抵抗だった。

 共食いも辞さない魔物にとって、魔法粒子(イリューン)を摂取するための餌となるのは何も人間ばかりではない。だが人間の血の方が美味なのか、それとも魔物よりも良質な魔法粒子(イリューン)が流れているのか、多くの魔物の死骸が周囲に横たわっているにも関わらず、騎士や魔狩人(シーカー)の誰かが傷つき、形成が不利になると、みな一斉にその弱みを見せた人間に向かって飛びかかっていくのだった。その四肢に、首筋に、何頭もの魔狼(ガルム)が牙を立て、より多くの分け前に預かろうと奪い合う。生きたまま四肢を引き裂かれる人々の、その痛みと恐怖は如何ばかりだろう。

 自分も四方から魔狼(ガルム)の攻撃を受けている将聖には、助けに行くことはおろか、その魂切(たまぎ)る悲鳴から耳を塞ぐ事すら出来なかった。

 「助けてくれ」という悲鳴が、弱々しい「殺してくれ」という声に変わる時もある。だが、自分には何も出来なかった。どうする事が正しかったのか、今となってはもう分からない。

「あの、ここまで俺を運んでくれたのはもしかして……。」

 将聖が水を向けると、「俺だ」とロドハルトは(うなず)いた。

「ありがとうございます。お疲れのところすみま……。」

「お前はよくやったよ、ショーセ。」

 ロドハルトは将聖の言葉を遮るように首を振った。

「ちゃんと生きているんだ。そのご褒美だと思えばいい。」

「みんな、動けるか?」

 周囲に休む人々を避けながら、ルグフリートが歩み寄ってきた。近くには仲間の死を嘆き悲しむ騎士の姿もあるため表情を隠しているが、それでも三人が起き上がっている事に安堵している様子がある。その背後にはイザクシルの姿もあった。

「隊長からの命令だ。休む前に、今日の戦闘で気になった事、気づいた点を報告しろと言っている。『埋葬の手伝いはしなくていいから、すぐに上がって来い』だそうだ。」

「『後は何もしなくていいから、飯を食ってすぐに寝ろ』じゃないのかよ?」

 声を低めながらも、冗談めかしてロドハルトがぼやいた。

「『周辺の魔物の死骸を全部手押し車に積んで、ヴァイラメッヒの森まで捨てに行って来い』という命令じゃないんですから、優しいじゃありませんか。」

 ナダルナニエが首を振る。聞いて、イザクシルがちらりと笑った。

「ショーセ。これを飲め。」

 他の三人を無視して、ルグフリートは将聖に小さな革袋を差し出した。

「お、俺より先に、ダンさんかロディさんに……。」

「いいから飲め。遠慮せずにぐっと行けよ。」

 ルグフリートに勧められるままに、将聖は革袋の中身をあおった。生ぬるい葡萄酒が喉を通り過ぎて腹に落ちていく。

 まだ呼吸が定まらないうちに大急ぎで流し込んでしまったため、将聖は少し咳き込んだ。軽く気管に引っ掛けたところがヒリヒリと沁みたが、飲み下ろすとガサついた喉の違和感は少し和らぎ、気分も大分マシになる。

 革袋をルグフリートに返そうとすると、隣からロドハルトが横取りしてがぶりとたっぷり飲み込んだ。口元を腕で拭い、もう一口飲もうとしたところでナダルナニエが奪い取り、悠々と残りを飲み干す。ルグフリートは片方の眉を上げたが、黙ってその様子を眺めていただけだった。

 革袋がその手に戻ると、「立てるか?」と言いながらルグフリートは将聖に手を差し出した。

「あ、ありがとうございます。」

 いつも「遠慮するな」と言われるので将聖はその手を取ったが、内心ひどく申し訳ない気分になる。最年少であるせいか、「ザイン隊」のメンバーはみな、自分に対してずいぶん甘い。身分から考えれば自分が仕える側であるはずなのに、気後れさせまい、無理させまいと大分気遣いされているようだ。

 選ばれてこの地に派遣されて来たというのに、自分にはそれらしい働きが出来ていない。そう思われるせいで、将聖には余計に心苦しく感じられていた。

「さてと。じゃあ、行くか。」

 将聖が立ちあがると、ルグフリートはナダルナニエの肩を軽く叩いてから歩き出した。

「ロディ。手を貸しましょうか?」

「いや、いい。」

 ナダルナニエが手を差し伸べるより先にロドハルトは立ち上がった。だが、やはりその動きはいつもよりも鈍重である。

 表立った怪我はない。だがこの疲労感は、満身創痍と言ってもいい。

 周囲には、すすり泣きと呻き声が満ちていた。

 うずくまる人々を避けつつ進みながら、これが戦場なのか、と将聖は思った。



2023年10月1日(日)あとがき

大変遅くなりました。

また、今回も一部のみの短い投稿となります。

本当に本当に、申し訳ありません。

これからもランダム投稿が続きますが、

大らかに見守っていただければと思います。


これからも精進してまいります。

応援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


2023年11月1日(水)あとがき

章立てが上手くいかず、追加しました。

「02」は11月20日(月)に投稿いたします。



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