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なんでネコ耳が……  作者: 新崎はるか
3/7

なんでネコ耳が?

深い森の奥に、その家はあった。木造の建物は、木々の中に隠れこむようで、それと知らなければ通り過ぎてしまいそうなほどだった。


「ここに魔力の先生がいるんですね」

おれの言葉に、魔法使いはそっとうなずいた。

「……正確には、『導師』、魔術の上級職……」

おお、なんかすごいぞ!きっと立派で、威厳があって……

「ボクはどうすれば」

子供が不安げな表情を浮かべる。

「……用事が済むまで待ってて。街まで送るから……」

魔法使いは子供の頭をそっと撫でた。


「すみません」

玄関らしきドアを叩いてみるが、返事がない。

「……まあいい、入ろう。カギは無いはずだ……」

「知ってるんですね」

「……まあな……」

魔法使いはドアを開けると、ズカズカと無遠慮に入っていく。

「ちょ、ちょっと」

焦るおれを尻目に、魔法使いは大きめの声を上げた。

「……先生、聞こえてますよね、先生……」

先生⁉︎


「あらあら、賑やかですね」

家の奥から近づいてくる声。穏やかな、大人っぽい感じがする女性の声。

「……先生、お久しぶりです……」

魔法使いが丁寧に頭を下げる。

「まあ、珍しいお客様ね」

おれも魔法使いに習って頭を下げる。「先生」はどんな感じかな?上級職というくらいだから、バリバリのキャリアウーマン的な感じとか?

「さあ、楽にしてくださいな。お茶などいかが?」

促されるままに頭を上げる。最初に目にしたのは、ネコ耳だった。


長身に、ゆるく垂れた髪。ローブを着ているのはいかにもな感じだが、頭にかぶったフードに、ネコ耳のようなものが付いている。

「えーっと、なんでネコ耳が?」

小声で魔法使いに尋ねる。

「……あれは上級職にのみ許された『獣のローブ』。魔力の弱いものは、理性を失ってしまう……」

獣のローブ、怖っ!


おれ達はテーブルを囲んで腰掛けた。温かいお茶と、少しのお菓子が並べられる。

「なるほど、この少年の魔力を開発するのね」

「先生」が言う。開発って、なんかドキドキするな。

「……ゼロを一にするのは難しいので、先生のお力を借りようと……」

魔法使いがかしこまって言う。

「さっきから気になってたんですが、先生って」

「……私の魔法の先生だ……」

「この子も始めはゼロだったのよ、うふふ」

「……開発された……」

や、やっぱりドキドキするぞ。


「それで、こちらの可愛いらしいのは、どうするかしら」

先生が、お菓子を頬張る子供に目を向けた。

「……迷子らしくて。帰りに街まで連れて行こうかと……」

魔法使いが言うと、先生は怪しげな笑みをうかべた。

「迷子、ねえ……」

なんだろう、胸がぞわぞわする。ただの子供じゃない……?

「ボクも、開発されたいです!」

な、何を言い出すんだ、この子は!

「あらあら、うふふ」

先生も満更でもない感じだ。で、開発って何を……?

「じゃあ三人とも、こちらへ」

家の奥へと向かう先生を、おれ達は追いかけた。



古のゲームで、上級職になると何故かネコ耳が付くものがあったのです。う、嘘じゃないですよ!

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