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さてさて、
お父様とお母様が貴族と言っても少し想像していたのと違ったようで
王族がいて、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、という階級までが貴族として扱われる
騎士とか文官とかは日本で言うところの公務員のような立ち位置らしい
そして王族は国を治める他、光明樹の管理をしている
光明樹とはその名の通り光る樹である
海底にも関わらず明るいのはこの光明樹のおかげだそうで、朝昼晩を告げるかのように光の明暗が変化する
光明樹は海底に数多く植わっていて、すべての国は光明樹を中心に出来ている
多少の差はあれど、基本的に一国の面積は50㎞平方~60㎞平方になっているらしい
そんな光明樹を傷つけられたりしないよう守ったり、時々剪定したりしたりして管理するのが王族
光明樹はかなり大きいので管理も大変そうだ
では他の貴族とは何をするか
それぞれ大小ある領地を治めるだけではない
海でも農作物が採れる
それはエアフラワーのおかげである
エアフラワーとは光明樹の光で光合成し、空気を膜に閉じ込める性質がある花である
貴族は領内のエアフラワーを管理し、領内に農作物が行き渡るようにするのが仕事である
貴族は農作物を平民の店に卸す
平民はそれらを買う、あるいは加工して新しい製品として売る
そうして領内の作物は回っているそうな
また、領民からの税金を使い公共を整えるのも仕事の一つである
と、いうことだそう
忙しそうだが、主な仕事は統率であるため多くを抱えている訳ではないそうだ
後は不定期に所々を詳しく見たり視察したりして不正がないかの調査をするくらいらしい
というか、大量の仕事を抱えるような人はいないようで、
人魚の世界はホワイトのようでなによりです
「いいぞ、その調子だメイヴィス」
今はお父様と泳ぎの練習中である
ぱたぱた泳ぎはよちよち歩きみたいなもので、まだまだ泳ぎの練習は必要だ
前世カナヅチの身からすると、例えぱたぱた泳ぎでも感動なのである
「ふぅ…ふぅ…」
なんだろう、毎回わき出るこの達成感。
「頑張ったな、今日はこのくらいにしようか」
「うん、わたし、がんばった」
「偉いぞ~」
「えへへ~」
お父様が抱っこして誉めてくれるとそれだけですごく嬉しい
精神年齢が体に引っ張られているのか、とても甘えたがりになっている気がする
でも、お父様もお母様も優しく受け止めてくれるから目一杯甘えるのもいいなと思う
「庭に行こうか。きっとお母様も兄様もいるぞ」
「うん!おかあたまのおてつだいする!」
手伝いと言ってもせいぜい石の1つ2つ運ぶだけなのだが、お母様が微笑んでありがとうと言ってくれるのでやめられないのだ
お母様はお菓子づくりだけでなく庭の手入れもする
メイドさんと執事さんもいるが、掃除洗濯をしてくれるメイドさんが3人と秘書のような執事さんが2人いるだけだ
あとは料理人の方が3人と庭師兼馬番の方が2人いる
お母様はよく庭師の方と一緒に手入れしている
想像していたより使用人が少なかったので、1度聞いてみた時、確かに少ない方ではあるが多いところでもせいぜい30人程だと教えてもらった
王城はまた別のようではあるが
「ほわぁ~」
白い石が敷き詰められ、所々色のついた貝殻がおいてある
緑と青、桃色の珊瑚だったり、他にも不思議な色合いをした岩、イソギンチャクのような生物や海藻もゆらゆらしている
庭にはお父様かお母様が一緒なら出ても良いことになっているので、わたしはよく庭に行かせてもらっている
我が家の庭は何度見てもとても綺麗だ
「メイヴィス、これあげる」
「きれい!」
3歳にしてすでにすいすい泳ぐ兄様が薄紫色のサザエのような貝をくれた
兄様、前世から泳ぎ得意だったもんね
「ふふ、メイヴィスのお部屋がまた華やかになるわね」
「これはー、どこにおこうかなぁ」
「いっしょにかざりにいこうか」
「うん!」
それに、庭の手入れをしているところに行くといつも何か貰えるのだ
きれいな石、可愛い貝、それらを部屋に飾り付けていくのはとても楽しい
前世からインテリアにかわいい小物を揃えたりしていたため、兄様もよく協力してくれる
ちなみに兄様はベッドへのこだわりがかなり強い
マットレスはふかふか、シーツはすべすべだった前世の寝床は、今世もむしろクオリティが上がって顕在だ
「メイヴィスはおしゃれさんだな」
「かわいらしいお部屋だものね」
小さなことでも誉めてくれる両親と優しい兄に囲まれて幸せです
「でも、そろそろへやのかたづけもしないとな」
あぅ…。
痛いところを突かれてしまった
確かにそろそろごちゃごちゃしてきた…
兄様はお母様とお父様ほど甘くは無いようだ。
「あとでいっしょにかたづけよう」
やっぱり、兄様も大概甘いようです