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time paradoxs

作者: 鮎川冬馬

学校から帰宅すると、妹が俺の部屋で待ち構えていた。

 

 妹の名前は日向六花ひなた りっか。現在十一歳。近所のエリート校に通っている小学六年生だ。髪の毛を二つに縛っていて、エリート校に通っているだけあって頭がいい。身長は147㎝、普通の小学6年生は146,7㎝、それと比べれば高い。少しだけだけど…

 ちなみに俺の名前は日向昴ひなた すばるちなみに俺は高校二年、十六歳。身長は170㎝ちょうど…俺は妹とは違い頭はあまりよくない…っていうかよくわからない、考えたことだってない…。マジで…

 部屋の扉を開けた時、「お兄ちゃ~んお帰り」という声が耳の中に入ってきた。そして…抱き着かれた。

俺は「ハァぁぁ、またかよ」とため息ひとつ吐いた。

「ねぇねぇ、お兄ちゃん!」

妹が抱き着きながらそう言った。俺は嫌々に「何だよ」と聞いた。そしたら妹はニコニコしながら

「お兄ちゃん、お勉強教えて!」

「嫌だ!お前俺より頭の良い学校通っているんだから俺より頭いいだろ。自分で勉強しろよ。ば~か!」

「馬鹿なんて言うならお勉強教えてよ!」

「嫌だね!お前なんかに教えね~よ」俺が、そう言ったら妹の目が涙潤んで…そして泣き始めた。俺は困った…

「あ~あ~、ゴメンごめん、ゴメンってば、あ―あーどうしよ…泣かないでねぇねぇ、分かった分かったよ!一緒…一緒に勉強しよう。だから泣かないで~~」

俺はそう言うしかなかった。そしたら妹は泣き止んだものの、今度は悪魔が階段を上がってくる音がした。悪魔と言うのは俺の母さん…

悪魔以上に俺は母さんが怖い…どうしよ、母さんが上がってくる怖い…恐ろしい、

音はドンドン近づいてくる。どうしよぉぉぉぉ

そして、ドアがバンッと大きな音を立てて開いた。そして………

「昴、何してるの、六花に謝りなさい。」怒られた

「だってコイツが………。」

「何がコイツよ。全く、六花おいで」

そしたら、俺の妹は母さんの方へ行って母さんに抱き着いていた。そして………

「昴、後で話があるから来なさい。」

俺は、これを聞いたとき、絶対説教だ!と俺は思った。そして、母さんは六花を連れて部屋から出て行った。母さん六花が出て行ったあと俺は母さんと六花の悪口を言いまくった。六花のバカバカバカバカバカやろ~六花が悪いんじゃないか、母さんなんて嫌いだぁぁぁぁぁそして、俺は嫌だけど母さんの所へ行った…

母さんは、俺に「そこに座りなさい!」と言った。だから俺は椅子に座った。でも、すごく嫌な予感がした。怖い ハァ…

そして、しばし沈黙…そして俺より先に母さんが口を開いた。

「もう、何で昴は六花のこと泣かせるの」

また怒られた

「だってアイツ…」

俺は、言おうか言わないか迷った…でもやっぱり母さんに言うことにした。

「だってアイツ…お兄ちゃん子…なんだもん…」

俺の声はどんどん小さくなっていった。俺は心の中で恥ずかしいと心に呟いていた。

でも、恥ずかしいのを我慢して俺は話を続けた。

「さ…さっきだって、帰ってきたそうそう、お兄ちゃんって、俺に抱き着いたんだぜ。」

俺は、母さんの聞こえない声で

「マジ、うざ」と一言…そしたら母さんは

「ハァ…呆れた、あなたって子は、あの子はまだ小学生なのよ、お兄ちゃん子でも良いじゃない。」

「ヤダ!恥ずかしいもん。だってアイツ…」

俺がそう言ったら母さんは俺を睨んだ

「わかった、アイツに謝るよ。」

そしたら母さんはホッとした。

「だけどさ~、アイツのお兄ちゃん子どうにかしたいよな~母さんだって、そう思わないか?」

「いいや」

母さんは、ハッキリ俺にそう言った。でも母さんは話を続けた。

「もう、母さんあなたが妹に何しても、母さんはもう何も言わない、怒らない。」

「母さん…ありがとう」

俺は、嬉しかった…

そして…俺はアイツのお兄ちゃん子を治すことにした。そのために計画を立てた。

その一  無視する

 その二  俺は大学に入り、家を出る

 その三  家へ久しぶりに帰る


二日後、計画実行

そして計画一実行…無視するを実施


そして、六花は近づいて来た。そして…

「お兄ちゃん、お勉強教えて」と妹は言ってきたけど、俺は無視した。六花は、首を傾げながら「お兄ちゃん?」と言いながら俺の肩をポンポン叩いた。でも俺は計画を実施した。

 そして六花は諦めたみたいで部屋から出て行った。

そして一年後、俺は大学の試験に合格した。だから俺は計画通り家を出た、俺の入った大学は学生寮があるのでその寮で暮らすことにした。俺は文学部に入った。一番簡単そうな文学部に入ったつもりだったのに意外に大変だった。俺は夏休みに帰るつもりだったのに帰れなかった。そして俺は二年になった!だけどやっぱり今年の夏休みも家に帰れなかった。俺は計画その三実施したいのに…また今年も無理だった。そして三年の夏休みやっと帰ることが帰ることが出来た。やっと…やっと計画その三が実施出来る。俺は今、大学三年で現在二十一歳、六花は現在十五歳、中学三年。俺が家へ帰るのは二年半年ぶりだ。

 俺は、家へ着いた。何故か緊張した。久しぶりだからかな~?

俺は「ただいま」と言って家へ入っただけど誰も俺を迎えてくれなかった。俺はリビングへ向かった。そして入った…そしたら懐かしい顔があった。中三になった六花だった。俺は六花に「六花、ただいま!」と俺は言った。だが、六花は不思議そうに俺の顔を睨みながら見た、そして俺にこういった。六花が言ったことはとても意外なことだった。

「アンタ誰?」

そう言われた。俺はえぇぇぇと大きな声で言ってしまった。そしたら

「うっさい、少し黙れ。で、誰アンタ?」

「お、俺だよ!忘れたのか?」

「ハァ、あたしアンタの事、知らないんだけど」その後、俺は睨まれた。怖いな~

俺は心の中で六花ってこんな奴だったっけ?と、俺は思った。その後、俺は六花に質問の答えを返した。

「俺、俺、昴だよ!お前の兄貴!」

「兄貴?へぇそうなんだ!兄貴なんだ~アタシ全然覚えてない。家出したんじゃないの?ってか何かアンタ変わった?…まぁ良いや!あのさ~、邪魔なんだけど今から電話するから出て行って」

俺は心の中で何なんだよ!アイツ、俺が居ないうちに何があったんだよ。確かに俺は、アイツのお兄ちゃん子治そうとしたけど…なんかアイツ変わりすぎだろ。俺がアイツを無視したからって、そんな…そんなに俺の事、嫌な感じで見なくても良いじゃないか。本当にアイツ六花なのか?別人だろ!…ハァ全く母さんに聞いて見るか。六花が何でこんなに変わってしまったのか。うん、母さんに聞いて見よ!

 そして、俺は久しぶりに母さんに会った。そしたら母さんは六花と同じように別人になっていた、髪は黒ではなく赤茶色に染めてあった。俺は心に中で42歳にそれは無いだろと心の中で叫んでしまった。ショートヘアーだった髪はロングヘアーになっており、服装はまるで20代後半のような服装をしていた。俺は呆れた…最悪だし。何なんだよもう。そして…

「母さん、ただいま」

ハァ、言いにくい。そしたら、母さんは…

「あ、おかえりなさい。昴君!」

えぇぇぇぇ

 「母さん、どうしたの」

母さんは俺の事そんな、そんな君付けなんか言わなかった。どうしたんだよ…母さんがオカシクなっちまった。オカシク、まるで昔の六花みたいだ。そして母さんは俺に抱き着いた。暑いんだけど!って、そんな事じゃなくて、

「母さん、どうした。本当に可笑しいよ」

「えぇ、そんなことないよ~もう昴君ったら、何言ってるの!もう可愛いんだから」

俺は母さんにぎゅゅゅと絞めつけられた、痛い

「母さん、息出来ない。くっ、苦しい、離して、だっ誰か、た・す・け・て」

何時間たったのだろう?俺は頭の中でそんなことを考えていた。その時、部屋の扉が開いた…ような気がした。「ような気がした」なんて言っているのは…実は俺の意識はまだ確実には戻っていないからである。その時…バシン

顔に衝撃を受け目が覚めた

「痛って~じゃねぇ~か!」

「ハァ、アンタがさっさと起きないからでしょ!」

そう俺は六花に殴られて起きた…いや、飛び起きた。俺は怒った。

「何も殴らなくて良いじゃねぇーか!」そしたら六花は

「分かった、ゴメン…」

ちょっとコイツ…素直になったな。と俺はニコニコしながらうんうんと頷いた  途端…

「馬鹿、アンタ気持ち悪る。何笑ってるの、こっち見ないで…」

そう言って、六花は拳を作り俺を殴った。その衝撃で俺はまた気絶した…

何時間たっただろう?俺はまたそんなコトを考えていた。なんか…あったかい、でも重い?何なんだ。いい匂い…

俺はそんな事を思いながら目を覚ました。そしたら、俺の体の上には六花が気持ちよく寝ている…ってそういう事じゃない。

「ふぁ~どうしたの?お兄ちゃん?」六花は目を覚ました。だけど…なんか?体が小さい?っていうか幼い?

「六花、体、縮んだか?」

六花は首をかしげていた。だけどやっぱり、体が小さい。

「六花、お前?何歳だ?」

俺は思い切って聞いて見た。そしたら…とんでもない答えが返ってきた。

「えっ?何言ってるのお兄ちゃん?六花は六歳だよ。」

えっぇぇ

「嘘、嘘でしょ!」

「嘘じゃないよ!お兄ちゃん」

六花はニコニコしながら俺に抱き着いた。おかしい!変だよ。そうだこれは…夢だ!うん絶対そうだ!だとしたら俺は…

「六花、少し待ってて!後でたくさん遊んであげるからさ~。お利口さんにして待ってて、分かった。」

「うん、待ってるよ。後でたくさん遊ぼうね!」俺はうん分かったと言って部屋を飛び出した。そして俺が向かった先は洗面所…そして俺は鏡を見た。そしたら、やはり俺の顔は11歳の時の顔になっていた。なんか俺、若返ったみたいだ~などと、年寄りみたいな事を鏡の自分に言っていた。でも………こんなにリアルな夢あるのか?オカシナ夢。早く目覚めないかな。まぁ、別にいいや、小さな時の六花とも遊びたいし、っていうか約束しちゃったし!久しぶりに………

六花と遊ぼ、ウンそうしよう!

 そして俺は六花の待っている自分の部屋に戻った。部屋に戻ったら六花はニコニコしていた。

「じゃあ六花、今日はお兄ちゃんと遊ぼうか。」

「うん」

六花はニコニコしながら俺に向って言った。

「よ~し、で、何しようか?」

何も考えてなかった。そしたら六花が…

「六花とお買いもの行こ!」

お買いもの?俺は珍しい六歳児だなぁ~と思った。俺の知っている六花なら、お勉強教えて~とかしか言わなかった。コイツは勉強オタクみたいなもんだし………

でも、さすがに六歳児の女の子が「お買いもの行こ~」なんて言うのは…それはさすがに無いだろ~と俺はそんなことを言いつつも、六花の事を近くのデパートに連れて行った。そして六花が真っ先に向かったのはデパートの一階にある食品売り場だった。俺は心の中でこう言った。

 何でコイツ…食品売り場なんかに?そもそも六歳の子が食品売り場にくるか?初めてのお使いじゃないのに…っていうか兄妹でデパートとか無いだろ~!せめて親が付いていてあげないと……。俺は六花に聞いて見ることにした。

「ねぇ?六花!」

「なぁに?お兄ちゃん」ニコニコ

うっ!可愛い~って俺はなんて変人なんだ。ってそんなコト考えている場合じゃない!

「六花、どうして食品売り場なんて来たの?」

「えっ!?昨日お兄ちゃんと約束したよ。」

えぇ?分かんない…

「そんなコト、俺約束したかな?」全然覚えてない。

どうしよ…そうだ!そもそも、これは夢なんだ…

大丈夫…大丈夫だ昴、自分を信じろ。

んなコトを一人心の中で言っている俺であった…

そんなことも気にしない六花は話を続けた。

「昨日お兄ちゃんが行こ!って六花に言ったんだよ。後、お兄ちゃんこう言ったの明日ケーキ作るから六花、買い物に付いてきてくれないかーって、六花に言ったのお兄ちゃんだよ。忘れたの?」

俺はよく分からないが、「うん、そう言えば言ったかも…」とまず、六花にそう言っておくことにした。

 そしてケーキの材料を買った。やっと帰れる~と思った…でも六花は…

「次はプレゼントだよ」と言われた。やっぱり何のことかさっぱり分からん!

俺は六花に手を引っ張られ三階の小物屋に入った。女の子用の小物ばかりなので男の姿はない。周りは女子ばかり、そう思ったら一組のカップルが店に入って来た、あ~良かった。男は俺一人じゃないんだーなんて考えていた。

…………俺は六花にぐぃっと手を引っ張られ、その小物屋の一番後ろに連れて行かれた。そして六花はシュシュを手に取り、俺に……

「お兄ちゃん、シュシュどっちがいい?赤・ピンク・青・緑………?」

「どれでも良いんじゃね!」

「ダメっ」

六花は大きな声を上げてしまい一気に他の客から注目を浴びた。は…恥かしい…俺は「すみません」と頭を下げて謝った。そして、声をおとして、

「もう!六花。ここはお店なんだよ!ちょっとは静かにしてよ。他のお客さんに迷惑だよ。」

「だって…お兄ちゃんがどれでも良いんじゃね!なんて六花に言うから…だから…だから六花は怒ったの」

「もう、分かった、分かった。ハァ~じゃあ一緒に選ぼう全く、で、このシュシュ買ってどうするの?」

今まで聞きたかったコトを俺はキッパリ六花に言った。そうしたら以外な答えと言うか…まず俺は驚いた。又も俺は六花に言ったらしい。明日はプレゼントも一緒に買おう。と俺は言ったらしいが…全然覚えて無い。

だから俺は、思い切って聞いて見ることにした。

「なぁ?六花?お兄ちゃんさ~昨日の事、覚えて無いんだ~だから…だからさ…、お兄ちゃんがどうして、そんなコト言ったか教えてくれないか?」

六花はウンと頷いた後話し始めた。

「明日ね。ママの誕生日なの!だから昨日お兄ちゃんと相談したら…じゃあ明日ケーキの材料買ってケーキを作って、プレゼントも買ってママ、ビックリさせよ~って、お兄ちゃんが言ったんだよ。お兄ちゃん?本当に覚えて無いの?大丈夫?」

六花は目を潤わせて、俺にそう言った。俺は六花に心配かけないぞと言って

「うん大丈夫!全然平気、そうか母さんの誕生日か~えぇ!」

俺は一気に思い出した。そうだ…俺は母さんの誕生日に合わせて今日帰ってきたんだ


その途端…バシン


もの凄い痛みが俺を襲った。痛い

そして俺は、その痛みで目が覚めた。そしたら、そこに居たのは…大きい六花…あれ?さっきまで小さかったのに…ってことは俺は夢から帰還したんだ。良かった…でも、もう少し六歳の六花と痛かったな。でも、あの痛みはなんなんだったんだ。死にそうな位、痛かった。

「なぁ~六花?俺の事起こした時、何かしたか?」

六花は五秒くらい慌てた様子だったがすぐ喋った。

「えっ!ア、アンタがあんまりにも…その…起きなかったから、その…顔、そう顔、殴ったの!!まぁ…ちょっと違う所も蹴ったかな?…」

俺の頭の中には?という記号が広がった。

「あ、変なところじゃないから気にしないで!うん」

「変なところ?そういうことは…お前…」

「アーアーア、何も聞こえない!あ~あ」

六花は何も聞こえないフリをした。俺はコイツ絶対蹴った!痛かったもん!などと心の中で言っていた。そして六花は何事も無かったかのようにまた話始めた。

「今日、何の日だったかアンタ覚えてる?」

「ん?」

「はぁ、じゃあアンタは夏休みだから帰ってきた。そういう事?」

「え、アレ?さっきまで確か・・・何だったけな?」

「アンタ何言ってるの、今日は母さんの誕生日でしょ!何?忘れてたってわけ。ふ~ん、忘れてたんだ。そうだよね!アンタ記憶力とか無さそうだし」

六花は言いたいことを俺にバンバン言ってくる。そういうところが俺は嫌いなんだよな…

「オイ、それは言い過ぎじゃないか!俺だって学校忙しい中で帰ってきているんだぞ。文句あるなら、お前も大学に入って少し学べ!」

俺はキレた。そしたら六花は逆切れした。

「ハァ、言われなくても大学行くし、アンタの行っている大学よりもレベルが高い大学!まぁ、アンタよりは頭いいから大学は余裕かな?」

コイツ…マジむかつく。あ~イライラする。何なんだよ。クソ!

「でさ!今何時?」

「夜の二十二時だけど………」

「そう…夜の二十二時…二十二時!えぇ!じゃあ…」

「フン、アンタのせいで母さんの誕生日出来なかったじゃん。」

「何で俺のせいなんだよ!」

「アンタがそこで伸びてたからでしょ!バッカじゃないのアホ!」

「アホ、アホとはなんだアホとは!アホと言った方がアホだ!」

あ~あ、六花との喧嘩はもう、うんざりだ!

「違う!それを言うならバカと言った方がバカでしょ」

く、くぅ、言い返せない。

「もういいや!母さんの誕生日は明日にしよ。本人も今日が自分の誕生日だって忘れているみたいだし…」

「自分の誕生日忘れてたのか!まぁ俺もたまにそんなコトあったしな!まぁ、忘れててもしょうがないか。そうだな誕生日、明日にしよう。そうだ六花、明日デパートに行ってプレゼント買いに行かないか?」

「ハァ、アンタ急に何言ってるの?気持ち悪る、近づくな。」

「近づくなっていう事は無いだろ。で、行くのか?行かないのか?」

「行くよ。でも気持ち悪いコトしないでよ!分かった!」

「分かった。分かった!しないしない」

そうして俺と六花は話し合い、話し終わる位には零時を過ぎていた。

「じゃあ明日、九時駅前で待ち合わせ!」

「うん、分かった。」

六花が部屋から出て行こうとドアのぶに手をかけた時、六花は振り向き「おやすみ、兄貴」と言われドキッとしてしまった。兄貴って言われた嬉しいってイヤイヤそんなコト考えてはいけない「うん、おやすみ」

俺は優しい笑みを浮かべてそう言ったら六花は部屋から出て行った。そして朝、今日はとても天気がよく、気持ち良いお出かけ日和になった。俺は張り切って早く出すぎてしまった。

「まだ八時か~。九時まで時間あるし。う~ん、何しよう。」

その時、声が聞こえた。

「あれ?昴?」俺はその声に振り向いた。でも最初誰か分かんなかった。

「誰?」と俺は、その知らない女性に言った。

「あ、やっぱ昴じゃん!久しぶり。」

誰だろ…

「昴?まだ私の事思い出せないの?もう、鈍いんだから。」

「鈍くなんかない!でも、君の事は誰か…分かんないだけ…」

「やっぱり、鈍いじゃない!本当に分かんないの?保育園も小学校も中学校も高校も一緒だったんだよ!まぁ、中学と高校は同じクラスじゃなかったけど……保育園は勿論、小学校は六年間同じクラスだったじゃん!」

「もう、本当に覚えて無いんだから!全く、私よ藍華葉月!覚えて無いの?」

「藍華?葉月…えっ?嘘」

「誰が嘘よ!私は正真正銘、藍華葉月よ!もう!」

「えっ!」

可愛くなってる!

「え~と、葉月、久しぶり。お前、変わったなあ~。気づかなかったよ。」

「もう昴!反応遅い。でも久しぶり~。昴、今夏休み?」

「えっ、あっ、うん、今は夏休みだけど…」

こいつは藍華葉月、保育園から高校まで一緒だった。俺の幼馴染って言うわけだ。たった三年見ないだけで、葉月は結構変わっていた。高校の時までは髪を伸ばしてポニーテールにしていたが今は肩より少し上まで髪を切っていて、ショートヘアーになっていた。ショートの方が可愛いかも。そんなことを考えていたら葉月の言葉が入ってきた。

「ねぇ、昴?夏休みなら今付き合ってよ。どうせ、そこらへんでフラフラしてるんでしょ!ねぇ、昴どっか行こ~!」

 葉月は昔から俺に甘える性格であった。なので、今も腕を組まれ引っ張られている。

「あのさ~葉月、俺、今日は暇じゃないんだ。これから六花と…」

その時、俺は時計を見た。そしたらあと五分で、六花との待ち合わせ時間。どうしよ。

「葉月、ゴメン!今はお前と話している時間はない!悪い!じゃあ」

遅れたら、どんなことになるやら…まず早く行かないと。

「どうして?私と遊ぼうよ!ね!昴」俺は服の袖を引っ張られた。

俺は迷った。葉月がこう言い始めると止まらない。まず、やり合っている時間が無い。「え~と、あのさ~。今日は六花と待ち合わせしてて、だから…」

「六花ちゃんと?どうして!」

あ~もう、葉月って面倒くさい。もういいや………

「ハァ、もう葉月、じゃあ付いて来てくれ!」

「えっ!ちょっと昴どこに行くの?」

俺は葉月の腕を引っ張り、待ち合わせである駅前に到着。良かった

「はぁ、何とか間に合った。」

俺はくたばってしまった。大変なのはこれからなのに…

「ねぇ?昴?どうしたの?」

「どうしたの?じゃね~。お前のせいで、待ち合わせ時間に間に合わないかと思ってヒヤヒヤしたんだよ。もし遅れてたらどんなことになっていたか…あ~想像もしたくない」

その時、九時を表すチャイムが鳴った。俺たちの町は九時、十二時、十五時、十八時に時間を表すチャイムが鳴る。そして…

「おまたせ~。じゃあ行こっか」

その時、六花は来た。六花は時間ピッタシに来た。さすが女の子

「誰?ってか、何でアンタ、知らない女と腕組んでいるわけ?」

そう、葉月はず~と俺と腕組みしているのである。

「あのさ~六花!こいつの事覚えてるか?」

「知らない、って今日は約束してるじゃない!どうして、女と居るの?もしかして、大学で彼女出来たとか?」

六花はちょっと、ブㇲ~とした顔で俺に言った。

「違う!彼女なんかじゃない。なぁ!」そしたら葉月は

「六花ちゃん、久しぶり!私の事覚えてるかなぁ~?初めて会ったのは六花ちゃんが生まれた時だから、でもそれから六花ちゃんが十二歳になった時位まで一緒に遊んだりしてたんだよ!覚えて無い?」

「知らない!」

六花は葉月にキッパリとそう言った。俺は少し慌てた、六花と葉月は昔からよく口喧嘩をする仲だったからである。もしこの二人が今からここで口喧嘩なんてしたら…ヤバい

「二人とも落ち着こうか…あ、そうだ、喫茶店、喫茶店行こ!ねぇ!」

「分かった。」六花はちょっと怒っていた。一方、葉月は俺にニコニコしながら、

「分かったよ!昴!じゃあ行こっか!」

そして、俺たち三人は喫茶店に向かって歩き始めた。そして、歩き始めたのはいいのだが…俺の右側で、葉月はずっと、腕組みしている。歩きにくい。その左側では六花が手を繋いでいる。ホント歩きにくい。

「ちょっと、お前ら、暑いから離れろ!」

「夏なんだから仕方ないでしょ!昴!」

「そうだよね!ゴメン、暑かったよね!」

「あ、六花、ゴメン、って六花は良いとして葉月は『夏だからしょうがないでしょ』は無いでしょ!お前が腕組みしてるから俺は暑くてしょうがないんだ。だから手離せ!」

「嫌!別に良いじゃん!私、久しぶりに昴に会って嬉しいんだから!」

葉月を説得させるのは難しそうだ。俺は諦めようとした、その時、六花が口を開いた。

「ねェ!やめてよ、そういうコトするの!兄貴が困ってるじゃん!手、離してあげたって別に良いじゃん!」

思わず俺は心の中で六花頑張れ!六花頑張れ!と言って応援してしまった。

「あれ、あれ~?六花ちゃん昴のコト兄貴って呼んでるの?昔はお兄ちゃんって呼んでたのに?」

「あれは、あの時は私、お兄ちゃん子だったし!その…兄貴の事好きだったし…!!!でも…でも今は違うから。ってか、今と昔では呼び方違っても良いじゃん!」

その言葉に葉月はそうか、そうかと頷いたんだけど…

「でもさ~六花ちゃんはやっぱり昴のコトお兄ちゃんって言っていた方が可愛いんだけどな~?!」

「別にいいじゃん!呼び方なんて…」

そんなことを言っているうちに喫茶店に着いた。今は十時三十二分、今はそんなに人が居なかったためラッキーだった。何故ラッキーかと言うと、ここは、この喫茶店は芸能人も来るとっても凄い喫茶店なのである。運が良ければ芸能人がいる場合もある。だからこの喫茶店は毎日のように混んでいる。だけど、珍しく人が少なく席も空いている。俺たちはスグその椅子に座った。そして…

「よ~し、じゃあ何食べようか?」

最初に口を開いたのは葉月だった。葉月は話を続けた。

「じゃあ、私はロシアンティーにしようかな?昴と六花ちゃんは?」

「じゃあ、俺はダージリンファーストフラッシュにしようかな?六花は?」

「アンタと一緒ので良い!」

「そう、分かった。」

すいません!そう言ったら店員が来たのだが…その時、葉月が

「あぁ!日向!」

その店員さんはビックリしたように葉月を見て、後から俺の事をジィーと見ていた。そして…

「あぁ!葉月!久しぶり、元気だった?」

その彼女はショートの茶髪で、少しパーマをかけている女の子だった。足は長細く、モデルみたいな顔立ちでとても綺麗な女の子だった。その女の子は、ふいに俺の方に向きこう言った。

「昴君でしょ!」

えっ?何で知ってるの?

「ふふっ!昴君、今、『えっ!何で俺のコト知ってるの?』とか思ったでしょ!顔に書いてあるよ!可愛い!」

「君、俺の心を読まないでよ!」

「読んでなんかいない。顔に書いてあるんだからしょうがないじゃん!」

その後、彼女は俺の顔をジロジロ見てこう言った。

「ねぇ、葉月!昴君ってカッコいいね!意外だよ!頭良い人って基本カッコよくないしね。でも昴君ってカッコいいよね!意外意外!」

何故かこの日向と言う女は俺をよ~くご存じらしい。俺は全然知らないが…

「で、君は誰?何で俺のコト知ってるの?会ったことある?」

「うんん~会った事は無いよ。でも…葉月からたくさん聞かされたし君のコト!だから知ってるの!あ、後、私の名前は日向葵、葉月とは短大の時の同期だよ、宜しく!」


―葉月!個人情報じゃないか!教えちゃダメだろ!―

―だって、昴のコト日向にたくさん教えたかったんだもん!教えたって良いでしょ―

―ダメだ!お前何様のつもりだ!―


「ねぇ?お話し中悪いんだけど…私のコト忘れてませんか。」

六花が話に割り込んできてくれたため今の話はやっとおさまった。その時…

「日向さん!早くオーダーを取りなさい!何お客様と喋っているんですか!全く、もう、私がオーダー取ります。もう貴方は下がっていなさい。」

あっ、そうだ、そう言えば日向さんここの店員さんだったなぁ。だったらなお更、悪いじゃないか!

「申し訳ございません。お客様。」

そう言って、店長らしき人は俺たちのオーダーを取り、厨房に戻って行った。そして5分後…

「お待たせいたしました。こちらロシアンティーでございます。ロシアンティーのお客様は?」持ってきたのはさっきと同じ店長らしき人だった。もしこの人が店長だったら若い。まだ、二十代後半位だろう。

「こちら、ダージリンファーストフラッシュでございます。こちらはサービスでございます。先ほどは申し訳ございません。こちらを方サービスさせて頂きます。失礼致します。」

そして、店員さんは下がって行った…サービスはショートケーキか、う~ん一つしかないし、誰が食べるか…

そんな事を考えながら俺は紅茶を飲んだ。その時

「葉月&昴君」

何か~聞いたことがあるような声がした。俺は振り返った。

「日向!?どうしたの?さっきまで店員さんだったのに…!!!!」

「エへ!クビになっちゃった!」

おいおい!それここで言うか!言っちゃまずいだろ。お前がクビになった店はここじゃないか。そして…

「美味しそうだね!昴君!私も飲みたいな!ちょっと頂戴」

オイ!これ口づけだぞっと言う前に彼女は口を付けて飲んでしまった。それを見た六花と葉月は…

「あ!日向ぁ~何してるの!」

「何やってるんですか!」

二人は日向の襟を掴み揺さぶっていた。一方、日向は苦しい苦しい、昴君助けてと俺に言っているが俺は完全無視!可哀そうだけど、ゴメンな!そして日向が二人の言い争いから解放されたのは十分後の事だった。そして、二人は日向を叱った後、俺に…

「昴も昴だよ!日向、何でもでもしちゃうから気を付けて前だって前と言っても大二の時だけど…その時も日向ったら男の子の所に入って行って…その男の子アイス食べてたんだけどね。もう日向ったら、その人のアイス、さっき昴が言われたように『そのアイス美味しそうだね。私にも頂戴』って言って食べちゃったんだよ。だから、日向がなにかしようとしたら止めて。分かった。」

―あ~あ、分かった分かった―

「もう、兄貴はそんな女もう無視して、アタシのプライドだって考えてよ。もうバカ兄貴!」

何かこの二人の話聞いているとムカつく。でも、その気持ちは分かるなぁ~。俺だって、プライドってものがあるんだよ。もう飲めない…俺これ好きな紅茶だったのに…。ハァ、それに、この紅茶高いのに…

「もう、昴くんったら顔真っ赤だよ。可愛い!今回は私がおごるよ!昴君の分だけ!飲んじゃったし!」

「良いのか、奢ってもらって!」

そしたら日向は、『うん』と頷き、話続けた。

「その代り…私の彼氏になってよ。それが嫌なら、奢らない!さぁ、どうする?さぁ!」

俺は迷うことなく日向に向かって、

「そんなの嫌に決まってるだろ!もう奢らなくて良いから、俺は自分で払う。分かったか」

「分かんない!もう付き合って」

「嫌だ!」

「もう、お願い。一生のお願い。ねぇねぇ」

日向は俺にネダル、まるで子供みたいだ。

「嫌だ、お前となんて有り得ない、うん!」

日向はショックらしく、目が涙潤んでいた。その時

「ねぇ、日向さん、葉月さん、私達これから兄妹デートなの!だからこれで失礼させていただきます。じゃあ行くよ。」

「おう」

それしか俺に言える事は無い。そして六花に腕を引っ張られ電車に乗りやっとデパートに着いた。着いた時、時刻は十二時、たかが喫茶店で二時間も潰してしまった。全く、これも葉月が俺たちの前に現れたからだ。そして葉月の短大の同級生の日向葵にも会い。喫茶店で二時間近く二人の話に付き合っていたからだ、今日は六花と二人で母さんの誕生日プレゼントを買うつもりだったのに…これじゃあ今日も、ケーキの材料買ってプレゼント買って帰るのが精一杯じゃないか。ケーキは作るつもりだったのに、本当、六花の気持ちも知らないであの二人は…

「ねぇ、ねぇてばぁ、聞いてる!?」

「もう、ちゃんと話聞いてよ!アンタって本当、人の話聞かないよねぇ!大学でもそうなの?だったらお父さん怒るよ。母さんは勉強に関しては何も言わないけど、お父さんは『勉強勉強』って言う人だから。」

「分かってるよ!言われなくても。お前こそ大丈夫なのか?俺が家に帰ってきたときから俺、お前が勉強してる所見てないゼ!昔はお前も父さんみたいに『勉強!勉強!』って俺に言ってたくせに…」

六花の顔は真っ赤になった。

「そ、それは昔のコトでしょ!別に良いじゃん。それにちゃんと勉強してるし。」

そうか、見て無いんだけどなぁ~勉強してるとこ?

「まぁ、良いか。そんなコト、それでさっきの話なんだっけ?」

「ハァ~アンタって本当バカ、じゃあ良く聞いて、もう一度しか言わないから。今度ちゃんと話聞かなかったら殴る。」

そして六花は母さんの誕生日の事について話してくれた。結局、ケーキは作らないで買うことになってしまった。

「六花ゴメンな!俺が葉月と話したせいでお前のコトも巻き込んでしまって、こんなにデパートに行く時間が遅くなって…」

そして六花は『うん』頷いて二人は静かに歩いていた。そして六花は口を開いた。

「お母さんの誕生日プレゼント何にしようか?昔二人でプレゼント買いに来たときはシュシュ買ったんだよね。アンタと一緒に選んでさ~。」

そうだったけ?でも、そんなコト前にも有ったような気が

「なぁ?二人で母さんの誕生日プレゼント買いに来たのっていつだったけ?覚えてるか?」

「う~と確かアンタが十一歳でアタシが六歳の時じゃなかったかな?確かあの時…!そうだ!そうだよ!アンタがデパートにプレゼント買に行くって言ってたのに、確か次の日忘れてたんだよ!それでさ~『シュシュの色どれがいい?』ってアタシが言った時アンタ確か『どれでも良いんじゃね?』とか何か言ってアタシ怒ったんだよね。あ~思い出したら何か楽しくなってきた。ねぇ、昔みたいにして見ない?」

その時俺は考え事をしていた。前にもそんなコトあったような…無かったような…感じがしているからだ。その時、グヂュ~!!

―イッテェぇぇぇぇぇ―

激痛が走った

「何すんだよ!」

一気に客の目線がこっちに集まった。確かこんなこと前に…って、そうじゃなくて

「すいません!」

俺は客に謝った。やっぱ前にもこんなこと…あ、思い出した。昨日見た夢だ!確か凄くリアルだったから、驚いたんだよな~。あの夢楽しかったなぁ~。もう一度あの夢の中に行きたい。その時…『あれは夢じゃないよ』とどこか分からないが声がした。

「ねぇ?どうしたの?」

「あ、テメぇ~蹴りやがったな!」

「話聞かなかった罰だよ。さっきアタシ言ったじゃん!話聞かなかったら殴るって…」

殴るだろ~!蹴ったじゃないか、しかも、もの凄く強く蹴られたしフザケやがって…これは俺の心の声。本当にそんなコトを言ったら何をされるか…分からないし

「あ、アンタちょっと危ない!」

え?何が?声が出なかった。そしてバタッ!!!


「あ、起きた!ママ起きたよ。」

俺は目を覚ました。だけど体が…体の自由が効かない。ってかそこにいるの姉さん?でも姉さんは、もう結婚して居ない。

「スバルーおはよ~。熱あったんだって、大丈夫。お医者さんがすぐ治るから大丈夫だって言っていたよ。だから大丈夫」

―姉さん―っと言っているつもりだったんだがバブバブ!?

えっ?何でバブ?

「うん?どうしたの?」お姉さんは26歳で俺は22歳のはずなのに…姉さんが幼い!?どうして…?

その時、ドアが開いたよな音がして、母さんが入ってきた。でも何か若い?母さんはすぐ俺の所に来て俺を抱いた!?母さんは軽々と俺を抱き上げた。

「昴!もう大丈夫だよ。早く元気になろうね!」

母さんは優しい微笑みを浮かべ俺に言った。そして頭を撫でられた時あまりの嬉しさに俺は笑いたくも無いのに笑ってしまった。どうして?

「まぁ、昴!笑って、可愛いんだから!あ、そうだ昴?お腹すいたでしょ!ママご飯作ってくるからちょっと待ってて!彩月、少しの間、昴と遊んであげてお願いね!お姉ちゃん!」

「うん!」そうして母さんは俺のご飯作りをしに下へ降りて行ったのでした。って!昔話し見たいじゃないか。

「じゃあ!スバルー、お姉ちゃんと一緒に遊ぼう!っで、何にしようか?う~ん?なにかな~。?」

俺は姉さんなら何か知ってるかも!っと思って聞いて見ることにした。だが…

―アーブー、アーブー―?知らない言葉が出てくる。どうして?

それに気づいた姉さんは…

「じゃあ、スバルー何か遊びたいものあるの?」

俺はどうにかして聞いて見たかった。そしたらすぐ近くにスケッチブック俺は取りに行こうとした。でも2本足で立てない俺は何故か四ツン場だった。でも俺は気にせず。四ツン場で進みそのスケッチブックを目指した。もうすぐっと言った所で俺は近くにあったガラガラが足に当たりコケた。ドスン!その時!俺は泣きたく無かったのに泣いてしまった。

―エェーン、エェーン―

泣き止まない!泣きたくもないのに!その時、部屋の扉が開き、

「どうしたの!?昴!急に泣き出して!お姉ちゃんが何かしたの?んん?ほらおいで!ちょうどご飯出来たから。」

母さんは『ほら』と言ってまた俺を軽々持ち上げた。そして部屋を出て台所へ。そして俺は泣き止み小さくて可愛い、椅子に座らせられ前掛けを付けられた。俺は母さんに、『俺は赤ちゃんじゃねぇ~!』と言いかけたが…

―ん?待てよ。アーブー、前掛け…可愛い椅子…赤ちゃん?もしかして今の俺ってまさか。まさか…―

俺はもう一度、確認のため声を出してみた。

―アーブー―

やっぱり、やっぱりそうだ。今の俺、赤ちゃん!ウソだろ、夢だよな!?

「どうしたの?昴!アーブー なんて言うなんて珍しいわね?何か良いことでもあったの?」

母さんはご飯を持って来て小さなテーブルに置いた。

「昴!ご飯だよ。ハイあ~ん!」

―うそ、ウソでしょ!母さん!俺は二十二歳の成人男性!そんなコト…

あ、そうだった!今の俺は赤ちゃんだったけ?―

 俺は嫌だったけど口を開いた。お腹が空いていたから…でも思ったより口が開かなくこぼれてしまった。しかもこれは!!!!離乳食。味薄い。でも何か美味しい。赤ちゃんだから味覚オカシクなっちゃったのかな?それか赤ちゃんの時の俺の味覚今俺自身で実感してる?

「もう昴ったら!こぼして」

母さんは口の周りを拭いてくれた。食べ終わった後母さんは「彩月!おいでー」と外で遊んでいる姉さんを呼んだ。

「なぁに!ママ」

姉さんはすぐに母さんのもとに来てそう言った。

「ねェ?彩月!午後からお買いもの行くから準備して」

「でもママ、スバル―はどうするの?熱あるんだよねぇ!大丈夫なの?」

「えぇ、そうね。でも、少しくらいはお散歩として外に出してあげないと!外の空気も吸わせたいし。」

二人の話は結構長く続いた。今の俺は二人の言葉が分かる。だって体は赤ちゃんでも中身は成人男性なのだから!そんなことを言っているうちに十二時になった。姉さんは着替えにあんまり時間がかからないのですぐ戻ってきた。今現在二十六歳の俺の姉、彩月は今でもそんなに着替えや化粧に時間がかからない。一方母さんは人一倍、着替えるのが遅いコト遅いコト。たかが、着替えと化粧で一時間以上かかる。さすがに遅くて俺も腹立つくらいだ。

―わぁーん、わぁーん、わぁーん―俺は泣くことにしたのだ。

「ちょっと待って、昴。静かに、もうちょっとだから」

俺は泣きながら

―何なんだよ!可愛い息子が泣いてるって言うのに…よ~しもっと泣いてやる!

わぁーん、わぁーん、わぁーん~俺はさっきより大きな声で泣いた。そしたら、ようやく母さんが出てきた。そして俺を抱き―

「もう、そんな大きな声で泣いて!どうしたの?おむつかなぁ?違う。やっぱ、熱あるからかなぁ?」

―違げぇ~よ!あんたの準備が遅いからだよ。だから泣いてたんだ。―

俺は泣き続けた。

「わぁーん、わぁーん、わぁーん」

もう疲れてきた。俺はウトウトしてしまい眠ってしまった。俺は目が覚めた。でもあたりは暗い!真っ暗怖い!母さん怖いよ!

「えっ、えっ、エェーン」

その時、聞き覚えのある声が聞こえた。幼い、まだ5歳位の女の子の声。

「ママ、スバル―が泣いた!」

その時、何かが開き、眩しい光が射した。俺は目を細めた。でも、泣き続ける。俺!本当に怖かったんだもん、暗かったし。

「どうしたの?昴!」

母さんは俺を抱き上げ慰めてくれた。

―わぁーん、わぁーん、わぁーん―

「昴、あ、怖かったんだねぇ!ゴメンね。暗かったんだもんね。ゴメンね。大丈夫・大丈夫」

俺は母さんに撫でられたが泣き続ける。今俺たちは公園に居るらしい。姉さんは、知らない男の子と女の子と遊んでいる。一方、母さんは公園に居たお母さん方と仲良くなって話していた。その時

母さんと一緒に居た人達が

「へぇ!この子が昴君か?寝顔も可愛かったけど、泣いてる所も可愛いなぁ~」

「本当に可愛い!うちの子も小さい頃は可愛かったのに、ま、今も可愛いんだけど…ヤンチャ過ぎる。やっぱ小さいって可愛いわねぇ!」

―それはそれは、どうもありがとう―

と心の中で言ってる俺だがどうも俺は泣き止めない。自分でも泣き止もうと努力してるのにどうして…やっぱり今は赤ちゃんの体だからかなぁ?そんなことを考えていたら

「昴?本当にどうしたの?やっぱまだ具合悪いの?大丈夫だよ。大丈夫。お医者さんがすぐ治るって言っていたから、大丈夫よ。」

母さんはそう言いながら俺の頭を優しく撫でてくれた。俺は泣き止んだ。泣き止んだ俺を母さんはベビーカーに乗せた。さっきの暗かったのはベビーカーの屋根?

―泣いたらなんか喉が渇いた。飲み物頂戴!―

俺は手を伸ばし、ジュースの入っている所を指差し、こう言った。

―アーブー、アーブー(母さん飲み物頂戴。)―

それに気づいた母さんは、

「あら、昴?喉渇いたの?ちょっと待ってね。今出してあげるから。」

そしてカバンから哺乳瓶をを取り出し、キャップを外し、俺に持たせた。

「昴、ハイ。どうぞ!今日はリンゴジュースだよ。」

そう言われた俺は何故か興奮していた。

―小さい頃の俺ってリンゴジュースが好きだったんだな。―

そう考えながら、俺は哺乳分に口を付け。チュパ、チュパ、飲んだ。それを見たママ友達は「可愛い」「ねぇ、昴君のコト撮っていい?」

母さんは最初、困ったような顔をしたが『別にいいよ!ジャンじゃん、撮っちゃって!』と簡単にそのママ友たちに言っていた。俺は少し心配になった。だって母さんが承諾しても俺が承諾しなければ撮っちゃダメだろ。でも、今の俺は赤ちゃんだから…そんなコト言えないな。

カシャカシャ!!写真を撮り始めたママ友たち!ジュースを飲んでいた俺は飲みにくく、飲むのを止めた。

「あ~あ、残念!昴君、飲むの止めちゃった。」

「昴君、もう一回飲んで、ねぇ!もう一回」

―嫌だ―と俺は心の中で言ったのだが聞こえたのかママ友たちは、写真を撮るのを止めた。それを見計らって俺はまたジュースを飲んだ。ちゅぱチュパ

 そして飲み終わり、空になった哺乳瓶をブンブン振った。そしたら母さんは哺乳瓶を取りしまってくれた。俺はそんなコトを考えていた。

―そうだ、今の俺は赤ちゃんなんだ…俺は赤ちゃんなんだから、赤ちゃんらしくしよう。うん。―

そして俺はママ友たちとたくさん遊んだ。じゃなくて、遊んでもらった。満足した俺はベビーカーの中で眠ってしまった。

 夢の中で…

 もうちょっとだけでいい!もう少し赤ちゃんのままで居たい。もう少し、もう少しだけ。ここに…痛い。その時、辺りが真っ暗になった。怖い。俺はこう見えて暗い所がダメなんだ。アレ?誰かが俺の手を握ってくれてる?でも誰が?そう思うながら俺は目覚めた。

「あ!」

そんな声を出したのは六花だった。六花は泣き目になって俺に抱き着いた。

「もう、アンタって本当心配かけるよね。もう、倒れた時はどうしようかと思ったんだよ。でも良かった。」

そう言ったら六花は泣いてしまった。

―どうしたんだよ、倒れた俺が…―と言いたかったけど…声が出ない。

「あ、無理しないで。まだ安静ってさっき先生が言ってたから」

―どうしてそんなことに?―

「そうだ、アンタ言いたいこと、ここに打って」

そう言って渡されたのは少し大きめのタブレット、そこに俺は言いたいことを打った。

―どうして、こんなことになっているんだ。―

「アンタ…やっぱ覚えて無いんだね。良いよ!あの時のコト教えてあげる。あの日、アタシとアンタは母さんの誕生日プレゼントを買いに行った。それは覚えてる?」

俺はウンと頷いた。

「そう。なら良い。あのね、あの日、あの後ちょっしたトラブルがあってねぇ、私が『危ない』って言ったんだけど結局間に合わなくてね。あのさ~実はアンタの…両足…折れちゃったんだよねぇ、気づいてた?」

―えぇ?全然分かんなかった、どうして折れたんだ?記憶にない?―

「そうだよねぇ!その時の記憶だけ無くなっちゃってるらしいしね」

―トラブル?どんなトラブル?そんなことが…―

「まぁ、落ち着いて!アンタ少し頭打っちゃたから…喋れないのもそのせいで。でも先生によれば、じきに喋れるようになるって言ってたから、多分大丈夫だと思う。でね、アンタの足が折れてしまったもはある女の子をを助けたからであって………」

―女の子を助けた―

「そう、アンタは女の子を助けた。エスカレーターで…」

―エスカレーター?―

「そうエスカレーター、その女の子、エスカレーターでちょっとふざけてて足踏み外しちゃったワケ!そしてその女の子、落ちて来てね、それであんたが受け止めた。その女の子は足を挫いただけだったけどアンタは両足骨折。もうすぐ母さんが来るから、詳しくは後で聞いて!」

俺は声がまだ出ないためウンと頷いた。でも…

―ハァ、最悪だ。怪我するなんて、しかも夏休みに…帰ってこなければ良かったような気がする。でも…全然、記憶にない。どうして…?―

遅くなってしまったが今俺は病院に居るらしい。いつ来たのか分からない。まず、どうして俺は怪我をしてしまったのか分からない。六花に聞いた限りだと、女の子を助けてその女の子を抱えたまま落ちてしまったらしい。その時、病室の扉が開いた。白衣の服装。どうやら俺を担当してくれる医師らしい。後ろには母さんの姿があった

「昴君!意識が戻ったばかりで悪いが、レントゲンを撮らせてくれないか。まだ状況も理解できないだろうが、状況はレントゲンを撮り終わったら説明する。良いか?良いなら頷いてくれ、今の君は少し頭を打っていて喋れないんだから」

俺はウンと頷いた。何かさっきからず~とウンとしか言ってないような…

そして看護師さんと母さんが協力して俺を車椅子に乗っけてくれた。そして、レントゲン室に入った。そして、レントゲンを撮り終わり、今の状況を教えてもらった。デパートで買い物をしている最中、女の子を守ろうとして、エスカレーターから女の子と一緒に落ちたこと、そして頭を打ってしまって一時的に記憶が無いコト。それからも色々教えてもらい病室に戻った。両足を骨折してしまったので当分、車椅子で生活するはめになってしまった。病室で母さんと二人っきりになった時、母さんは色々教えてくれた。事故に遭ってから二日間眠っていたコト。その中で一つ六花に話が合った。

六花はあの事故の後、すぐ救急車を呼んでくれたこと。それに二日も経ってるのに目を覚まさなかった俺の前で泣いていたこと、二日も寝ずに俺のそばに居てくれたこと。それを聞いたとき、俺は嬉しくて嬉しくて、しょうがなかった。そして、その一週間後、俺は普段通り喋れるようになった。でも車椅子。もう夏休み始まってから二週間経ってしまった。う~ん、どうしようか。ってか課題!どうしよ~。まだあまり手付けて無い。そんなことを言っているうちに新学期。宿題は何とか終わらせた。

あの事故から四か月、時が過ぎるのは早いと感じる俺。そんな時、ある男の子が現れた。それは、十二月五日のコト、その男の子は十代前半、いや、六花と同じくらいで髪は白で目は赤、まるで白兎、この子日本人じゃない。なに人だろ~

その男の子は俺に話しかけてきた。

「こんにちは、君は日向昴さんだよねぇ?僕は、ファイ・オルコット、ファイでいいよ。」

その時、もう一つの声が聞こえた。

「おお、ファイ確かにこの人が昴君だ!良く見つけた。」

どこから聞こえるんだろう?その時ファイの後ろから犬が出てきた。もしかして、さっきの声この犬?いやいやいや、そんなことがあるわけないだろ~!犬だぞ、犬!犬だよな…その時、その犬は二本足で立ち

「こんにちは昴君、私の名前はイプ・シロン、シロンと呼んでくれたまえ。」

そのイプ・シロンと名乗る犬…ってかイプ・シロンってギリシア文字じゃないか。おいおい名前がギリシア文字って、ってか名前長すぎ。ってか、ファイもギリシア文字だし!

「それじゃあ、シロン、ってそうじゃなくて犬、犬が喋った。」

反応が遅くなってしまったが俺は犬が喋っていることに驚いてしまった。

「犬とはなんだ、犬とは!犬などと、あのケガラワシイ動物と一緒にするな。」

いや~だって犬じゃん。犬自体喋るのがおかしいよ。

「まずは、人けの少ない所に行きたいんだが…どこかいい所は…ん!そうだ、昴君、君の家に行こう。ファイ後は任せた。」

そう言って俺は今初めて会ったファイとシロンと言う犬を家へ連れて行くことにした。犬が二本足で立っているのも目立つのでシロンは四足歩行をし、ファイはシロンに首輪をつけ犬の散歩のようにして歩き進んだ。

「昴さんって、僕たちの事何も聞かないんですねぇ。」

「そう?それは家に帰ってからでいいじゃん。家に帰ったら色々聞くしさ~今は聞かなくていいと思う。ファイもそう思わない。」

―ワンー

「イヤイヤ!シロンには聞いてないから答えなくてもいい。それでファイ、君はどう思う?」

ファイは迷ったような顔をして少しの間、悩んでいた。一方、シロンは、ショックだったのか落ち込んでいた。

「うん!まぁ、そうかもねぇ。でも意外だなぁ~!突然、僕たちが現れて驚いているとばかり僕もシロンも思っていたのに、それに僕たち君ははもっと積極的に質問してくる人とばかり思っていたし、僕たちが思っていた人と全然違った君は!ねぇシロン」

―ワンー

「ねぇ、何でコイツさっきまで喋ってたのに今は『ワン』としかいわないの?」

「あれ?昴さん、後で色々聞くんじゃなかったぁ?」

「まぁ、そうだけど…少し気になってね。それだけ教えて」

「うん、分かった。じゃあ少し休もうか。う~ん、あ、公園!あそこのベンチ話そう。行こ、昴さん、ほらシロンも走って」

俺はファイに手を引っ張られベンチまで走らせられた。俺、松葉杖なんだけど…

俺たちはベンチに座った。

「あのねぇ、昴さん今シロンが『ワン』としか言わないのはこの首輪、シロンはロボットなんだ、犬型のこの首輪は言葉を封じる機能が入っている首輪なんだ。だから今シロンは『ワン』とした言わないんだよ。まぁ、首輪すると『ワン』しか言わなくなるから静かでいいんだけどね。喋ると口うるさいし。叩くし。痛いし。

―うぅぅぅぅぅぅぅ―

「もう、シロン静かにして。」

こいつがロボットしかも犬型、ドラえもんみたいな話だなぁ。確かドラ○もんは二十三世紀から来た子守用ロボットだったような?まさかこいつら二十三世紀から来たのか?そんなこと有り得ない。あ、俺は何を考えてるんだろう!

「ねぇ!昴さん、どうせだったら今からここで色々僕たちのコト教えてあげる。どうここで良い?」

「別に俺は良いけど…」

じゃあ、始めるねェとファイは言って話し始めた。

「僕たちはねぇ、二十三世紀、百年後の未来から来たんだ。今の君たちから見れば、とっても不思議だよね。でもね、これは本当、僕たちは百年後から来た未来人。それでね、今ここにどうして僕たちが今この時代に居るかと言うと、実は、昴さんのタイムルートがなんか混乱しているんだよ。いわゆるタイムパラドックスが起こっているんだよ。歴史が勝手に変えられてるの。だから君の歴史をもとに戻すため僕たちは未来から来たんだ。君はね歴史の影響で過去や現代に行き来してオカシクなってしまっている。だから一緒に歴史をもとに戻そう。」

―良くわからないが、つまりこうか?このファイとシロンは俺の歴史をもとに戻すためここに来た!そういうことか。―

「昴君、分からないコトある?あったら聞いて!教えるから。まぁ、後でも良いけどね。いつでも分からなかったあったら相談して。」

俺はただウンと頷いた。

「じゃあ君の家行こうか。ちょっと家に泊まらせてよ。そうすれば、いつ君がまた歴史改変に巻き込まれたとしてもスグに助けられるし、それに歴史元に戻さないと未来が変わっちゃうしね。だから一緒に歴史を元に戻そう。まぁ、君自体がその時代に行って元に戻さないといけない。まぁ、頑張ろう。昴さんってことでこれから宜しく。あ、そうだ僕達は未来人だけど気にしないで。そして俺たちはその公園からでて家へ向かった。その時…あの声が聞こえた。

「あ~!昴!おーい」

彼女はこちらに手を振りながらこっちに来た。

「よっ!久しぶり!葉月、四ケ月ぶりだなぁ!元気だったか?」

そう、俺の名前を呼び手を振りながらこっちに来たのは、藍華葉月、俺の幼馴染の藍華葉月だ!

「元気だった…じゃないわよ、もうあの後『兄妹デート』とか言って行っちゃったじゃない!どうして私もつれて行ってくれなかったの!日向はともかく私の事は連れて行ってくれたっていいと思うんだけど…あれ昴、車椅子?どうしたの?後ろにいる子誰?昴の親戚かなんか?」

葉月は一気にたくさんのコトを質問した。でも、俺は足のコトなんて、答えなくていいと思って、足の事は言わず、後ろにいるファイとシロンについて話し始めた。

「いや、違う!さっき初めて会ったんだ。ファイ、こいつは葉月、藍華葉月だ。まぁ俺の幼馴染みたいなのかなぁ~」

「ちょっと昴!幼馴染みたいのっていう事は無いでしょ。もう…こんにちは、え~と、ファイ君で良いかなぁ。私、藍華葉月宜しく。葉月で良いからねェ。」

今俺は、シロンから愛らしい目で見られている。まるで、『私のコトも紹介してくれ』っていうような目線を感じる。俺は『お前の紹介しない』という視線を返した。その時、

「あ~。子犬、可愛い、なに何!豆芝!超可愛いんだけど」

ギュ~。葉月はシロンのあまりの可愛さにシロンに抱き着いた。その時のシロンは『ワンワンワン』と吠えているが…まぁ、頑張れ、と応援。一方ファイは、口をポカンと開けて葉月を見ている。そして…

「あの葉月さん、その犬僕のペットなので…えっと、可哀想なので離して頂けないでしょうか?」

「あ、ゴメン!ファイ君…で、この子、豆芝だよね?名前は性別は!?何か月教えて…」

ハァ、全く葉月ときたら、謝った途端これかよ。

「えっ、あ、ハイ!え~と豆芝で名前はシロンで性別はオスです。え~と、二か月です。」

ファイは葉月の質問にすべて答えた。

―凄い!俺でも全部なんて答えたくないぞ。ん?今…二か月って言った?えぇぇぇぇぇぇ~二か月!ウソだろ!オッサンみたいな声だったのに…二か月ってないだろ。ってかおかしいよ。―

俺は心の中で叫びまくった。その間、葉月とファイは話終わったらしくて二人とも俺の方へ向き直った。

「ねぇ、昴?じゃあ、このファイ君は昴の家でホームステイするの?」

えっ!ホームステイ?俺そんなコト…その後ろで、ファイが『ゴメン』と言うようなポーズをしていた。

―全く、ファイの奴。まぁ、泊まるって事だから、まぁ、ホームステイみたいな感じかなぁ。ファイは外国人だし。まぁ、ホームステイって言ったらホームステイだな。うん!

「うん!ファイは家でホームステイする。」

ファイは、後ろでありがとうとサインしていた。

「そうなんだ!昴。ファイ君?そういえば…いつまでホームステイするの?」

そう聞かれた瞬間、俺もファイもシロンも黙ってしまった。何故黙ってしまうかと言うと『いつまでホームステイするの?』なんて聞かれたからだ、いつまでって聞かれても分かんない。その時、シロンが何か思いついたように葉月の方へ行った。

―ワンワン―

シロンは吠えた。そして甘えた。一方、葉月はさっきの事を忘れたかのようにシロンに話しかけていた。シロンのおかげで俺たちは助かった。

「どうしたの?シロン君!ワンワン吠えているとファイ君に『うるさい』って怒られるよ。」

―うぅーシロンは少し落ち込んでしまった。

「あ、そうだ!葉月、シロンお腹すいたんだよ。そうだこの金やるからシロンのエサ買ってきてよ。お願い。」

「うん、分かった。じゃあ行って来るね。バイバイ!また後で!行ってきます。」

葉月は手を振りながら行った。俺たちは葉月が見えなくなるまで手を振っていた。「はぁ、何とか乗り切ったなぁ!全く葉月と来たら………」

「昴さん、これからどうしましょうか?葉月さん帰ってくるまで待ちます?」

「いや、待たない。帰ろう。今のうちに」

「でも、葉月さんが…」

「後で、メールする。メールすれば多分大丈夫だ。しかもアイツの家にも犬居るから買ってきたエサはアイツにやる。まぁ、俺の金なんだけどな…まぁ、今回はしょうがないか。はぁ」

 そして俺たち三人は家へ向かった。そして家の前

「じゃあ、母さんには『ホームステイしたい人が居るから泊めてあげて』って言えばいいかな?ってか許してくれるかなぁ、ホームステイなんて言ったら!それに六花がなんて言うか…?」

俺は心配で心配でしょうがない。だってホームステイなんて急に…

「大丈夫だよ。昴さん、上手くいく。」

「お前が上手く行くっていっても、こっちの問題だしなぁ。それにお前ら母さんのコト知らないからそんなコト言えるんだよ。」

「確かに、この時代の昴さんのお母さんのことは知らない。でも君たち兄妹の事は知っている。」

その時、俺はこう思った。確かに百年後の未来から来たのなら俺たちのコト知っていてもおかしくない。そう思った、俺であった。そして…いざ家の中へ

「ただいま、母さん居る?」

その時上から誰かが下りてくるような音がした。音はどんどん近づいてくる。その音と共に母さんの声が聞こえた。

「昴(怒)どこ行ってたの!まだ完全に治ってないんだから家に居なさいって言ったじゃない。どうして守れないの!」

おいおい、息子に対しての第一声がそれか!別に良いじゃないか。外に出たってなんて心の中で思っている俺、声に出したら母さんに殺される。そして母さんが玄関に来た。

「もう昴、貴方って子は!あれ?お友達?でも歳が違うような?六花のお友達?」

母さんは不思議そうにファイを見る。ファイはあまりに母さんが見つめるためちょっと引いていた。そしてファイは困った顔をして俺を見た。

 そんな顔するなよ。俺だって…困ってるんだ。これからどうすればいいか、俺にもさっぱり分からないんだ。ん~でも助けてあげないと。

「あのさ~母さん!この子はファイ・オルコット、国は言えないらしいが日本へ留学に来たんだって…」

俺は作り話をすることにした。そうもしなければ、母さんは認めてくれない。

「それで!」

つめた!それはさすがにつめた過ぎるよ。そんな反応したらファイたちが可哀そうだよ。

「え~と、それで少しの間、このファイとシロン、家でホームステイしたいらしいん…だけど………ダメかなぁ?」

「シロンって誰よ!ファイ君は分かるとして、そのシロンって誰!?」

誰って…人じゃないし、そう言えばまだ俺シロンのコト母さんに紹介してなかった。

「うんと、シロンっていうのはファイの後ろにいる犬!」

犬と言われたとたん母さんはファイの後ろに目をやり、シロンをじ~と見ていた。そして母さんはこう言った。

「うん、良いよ。ファイ君!家に泊まりなさい。でも…ちょっと条件有るけど良いかなぁ?」

条件?なんじゃそりゃ?俺は聞こうとしたらファイが口を開いた。

「え~と、条件は何ですか?」

「うん、良い質問ね。条件はこのシロン君!」

えっ?どうして、シロンが条件?分からん!さっぱり分からん

「どうして…どうしてシロンなんですか?僕は別にその条件でも良いんですが…一体何を…?」

「ん?シロン君のお散歩。それにシロン君、可愛いから。」

そんなことで良かったのかよ!実際俺は一日中掃除とかかと…まぁ、その条件なら…

「分かりました。それではシロンのお散歩は、え~と、昴さんのお母さんにお願いします。」

「うん、任せて!これから宜しくね。ファイ君、シロン君。私の事は『律』とでも呼んで。」

「じゃあ、律さん宜しくお願いします。」

「宜しく。じゃあ、ファイ君のお部屋は昴の部屋の隣で良いかなぁ?もちろんそこにシロン君も…」

二人でどんどん話を進めていく。母さんとファイを俺とシロンは見ている。なんか二人似てる?どうしてだろう?二人の話はそんなに長く続かなくすぐに母さんはファイを部屋へ案内した。部屋は右から六花、真ん中が俺、その隣がファイという順番になった。もちろん、六花はこのコトを知らないので帰ってきたら説明することにした。ファイは部屋に案内された後すぐに片付けて俺の部屋へ来た。なぜ、ファイが俺の部屋に来たかと言うと、さっき、ファイが部屋へ案内される前に俺はファイにこう言ったからだ。「ちょっと聞きたいことあるから、後で俺の部屋に来てくれないか」と俺はファイに行ったのだ。ついでと言っちゃ悪いがその隣にはシロンの姿もあった。

「シロン、お前の事は呼んでないんだけど…どうして来たの?」

「お、失礼な。この私、イプ・シロン様が居なくては話にならんだろう。この私んにどんどん話してくれたまえ」

 コイツの事は無視。無視していたら何度も何度も話しかけてくる。もう、ウンザリだ。

「うっさい!(笑)」

「うっさいとはなんだ!うっさいとは!」

今、シロンが喋っているのは首輪が外れていたからだ。こいつはロボットだから喋る。でも首輪をしていれば『ワン』としか言わなくて静かなのだが、今は首輪が外れていて、うるさい。ファイが言ってた気持ちが今なら良くわかる。確かにシロンはうるさい。

「シロン、少し静かにして!律さんが来ちゃうよ!」

ファイがそう言ったらシロンは少し静かになった。その時、階段を上がる音が聞こえた。その音に混じってカラン・カランという音がする。母さんが上がってきた音だ。その時、ドアをノックして母さんが入って来た。

「二人とも、ハイ。ジュースとお菓子。」

母さんはジュースとお菓子を持ってきてくれた。

「ありがとう」「ありがとうございます。律さん」

「いえいえ、あ、そうだ。もう良い時間でしょ。これからシロン君のコトお散歩連れて行っていい?」

お~お、母さんナイスタイミング、俺とファイは同時に

「連れて行ってください。お願いします。」「行ってくればいい」なんて二人同時に言った。そして母さんは連れて行こうとしたがその時、ファイが

「ちょっと待ってください。」

そして、ファイは部屋から出て行った。ファイはホンの三十秒位で戻って来た。

そして、首輪を付けた。その後、母さんはシロンの散歩へ行った。その後、静かになった部屋で俺たちは質問を始めた。

「あのさ~ファイ?今は本当の俺の時代なのかなぁ?俺知らないうちに足折れてたし、それに母さんも前見た時はなんか、バカ親みたいだったのに、今は何かしっかりした親っていうか…だから…ここは本当の俺の時代かどうか分からなくて…だから!」

そのことを聞いたファイはこう言った。

「この時代は本当だよ。でもねェ、昴さんの歴史が変えられたんだよ。君が0歳の時から奴らは君に目を付けた。」

奴ら?奴らって誰だ?それに零歳からって…?

「どういう事だ。零歳からって」

「君は前、タイムスリップしたんじゃない?」

タイムスリップ?そんなコト………あ!

「思い出したようだね。そう既に君は零歳と十一歳の時代にタイムスリップしている。いや、無理矢理にタイムスリップさせられてる。」

無理矢理?やっぱさっき言ってた『奴ら』っていう奴なのかなぁ?でもそうだったら、体は何で変わってしまうんだ。

「なぁ、ファイ?どうして俺は、その…タイムスリップしたとき姿まで変わってしまうんだ?」

今まで一番気になっていたことを…不思議と思った事を質問した。

「うん、良い質問だね!君がタイムスリップした時の事を考えてみて。君は零歳の時と十一歳の時代にタイムスリップした。今はう~ん…そうだな零歳の時にタイムスリップしてしまったと考えて、タイムスリップ、つまり君がタイムスリップしてしまうと、タイムパラドックスが起こってしまうんだ。タイムパラドックスによって、君の体はワームホールの中で、その時代に合わせた姿になってしまう。分かった?まぁ、今は分からないことたくさんあると思うけど。一緒に力合わせて歴史を元に戻そう。」

ワームホール?タイムパラドックスは前に、どんなのか聞いたけどワームホールって何だ?初めて聞いた。

「なぁ、ファイ!ワームホールって何だ?」

ファイは説明していなかったと声を上げてから、説明し始めた。

「本当にゴメン、昴君!肝心なこと教えて無かった。」             

ファイは、頭を下げた。俺が聞いたのに謝られてしまいに頭まで下げられて、何か悪いコトしてしまったかなぁ?

「良いよ。別に今は俺から質問したんだ。ファイは謝らなくていいよ。頭あげて。ほら!」

 ファイは頭を上げてからワームホールについて説明を始めた。

「ワームホールっていうのは、時空を行き来する道。つまり君は時空の道を行き来きされて、歴史が変えられてしまったんだ。あ、君は全然悪くないんだから気にしないで。悪いのは全部奴らだ。」

俺はその『奴ら』と言う言葉がず~と気になってる。『奴ら』って一体誰なんだ?そいつら俺のコト恨んでいるのか?

「なぁ、ファイ、奴らって誰だ!」

俺はまた悪いコトを聞いてしまったのかファイは黙ってしまった。そしてファイが口を開いたのは、一分後の事だった。やっぱり俺…悪いコトを聞いてしまったんだなぁ!

「え~と奴らっていうのは、チーム・ハデス」

「チーム・ハデス?」

ハデスって、『死をつかさどる神の名前』ってことは奴らは俺を…殺そうとしているのか?でも俺はそんなに命を狙われるような価値はない。なのにどうして…

「ハデスは死をつかさどる神に名前だよ。昴さん。その名前の通り奴らは本来死なない人間を早く死亡させる。いや、殺す。君は次のターゲット。」

えっ?俺がターゲット!

「嫌!死にたくない。」

俺はファイに抱き着きそう言いながら泣いた。その後もファイと色々話。最終的に俺はファイたちと共に歴史を元に戻すことにした。勿論、俺は過去や未来に行くことになったのだ。そういっている間にシロンと母さんが帰ってきた。母さんは俺たちの所にシロンを置いて自分は夜ご飯を作りに行った。そしてシロンの首輪を取り

「全くファイ、この私が居ない間に昴君と何、喋った。」

あ~あ、またうるさいのが戻って来た。一方ファイはシロンにどんなことを喋っていたか、シロンに説明していた。そして、説明し終わったファイにシロンは説教を始めた。

「何!そんなに教えてしまったのか、私だって教えたかったんだぞ。全く、ファイのバカ」

『バカはお前だろ!』な~んてシロンに言ったらシロンは俺を叩いた。そして、そういうような争いが十分位続いた後、静かになった。そしてシロンが口を開いた。

「じゃあ昴君。今から零歳の時の歴史を元に戻しに行こう。こちらの時間は止めておく、それじゃあ行こう。」

そして俺たちは家から出て庭へ。そして、ファイが時計のようなものを地面に置いたら、時間がストップした。その途端、辺りが眩しくなった。眩しさが収まり目を開けた時、車のようなものに俺は乗っていた。

「ようこそ、昴君、我々のタイムマシンへ。正式に言えば時空間転送器へ」

時空間転送器?へぇ、タイムマシン。その時空間転送器は車…いやバスのようだった。

「じゃあ出発するぞ…昴君、後ろの席に寝ていたまえ」

「はぁ、どうして」

『座って居ろ』ならともかく『寝て居ろって』俺だって外見たいし。

「時を進むたびに君の体はその時間に合わせて体が縮んでしまうんだよ。それにこれから行く時代は君が零歳の時。だから、起きていたりすると、とっても危険だし…だから」

そっか、そう言えばさっき言ってたなぁ。そんなコト。

「うん、分かった。でも、そんな事したら服が…」

―縮んだら、服が…ブカブカじゃないか。―

「そのことなら大丈夫。君の零歳頃の服さっき律さんから貰ったから」

えっ!

「そんなもん、まだ有ったのか!」

ファイはそうみたいだよ。」とニコニコしながら言った。そして、シロンが

「じゃあ、出発するぞ!3,2,1…GO」

そして俺たちは出発した。

これから俺達の新しい旅が始まる。


最後までご愛読いただきありがとうございます。

文がおかしなところもあったと思いますが最後まで読んでくれたゲストさんには感謝しております。

これからは今の自分の作品を出していけたらなと思いますが、投稿の日時については不定期となります。

仕事と両立しつつ、書くこと妄想が得意なので(笑)暇があれば積極的に書いていきたいと思います。



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