『うっかり生肉とか貰わないように』
人形についてまだ何か言いたそうな雰囲気をしていたが。軽く流して雑に家のどこに何があるのかを説明していく。
普段使うであろう日用品の買い置き、防災グッズ一式が入った箱、シャンプーリンスの詰め替えの場所、地震などの災害時の避難場所等々。
説明自体は簡単なものであったのでざっとした説明はそんなに掛からず済んだ。
避難場所に関しては後日足を運びに行った方がいいかもしれないな。そのうち防災グッズの買い足しもして置かなくてはいけないかもだな。
「ま、取りあえずはこんなところだ。どうせ一気には覚えられないだろうし必要になったらその都度聞いてくれ」
「分かったのです」
「なあ、お前あの人形以外に何というか・・・こう・・・これは異常だってモノに関わったり知り合ったりしてるか?」
銀が頷いたところで親父が聞いてくる。
「人を含むんだったら在るけど・・・親父が知らないなら物はたぶんないぞ。俺が気づいてない可能性もあるけどな」
俺が知らないだけで真夜中になったら親父が送ってきたモノが干渉しあって倉庫が異界化してるとか言われたらほんとに知ったこっちゃ無いしなー。
「まあ、たぶん大丈夫だろ。ほれ実際災難にあったことも盛り塩が崩れる事もなし、でても妖怪イチタリナイぐらいだし」
「なんですかその妖怪」
「俺のような人間には天敵の近代妖怪的な何かだ」
目標スコアにあと一回分足りなかったり、ステータスが一足りなかったり、レベルが一足りなかったり、リセマラでの最低目標値に一足りなかったり。
ほんとアイツは・・・ホント・・・
まあいい、あとは・・・
「たまに遊びに来る奴がいる程度だな」
「遊びに来る・・・ですか」
「たぶんだが、人間よりもお前らに近いんじゃないか?」
金と銀が二人顔を合わせて首をひねる。
「その人も人外なのです?」
「ある意味でそうだけど・・・この家にいるんだったらそのうち顔を合わせることになるだろう。
説明するには上手い具合出てこないし見た方が早いし楽だから説明はせん」
たぶん、俺が説明するよりもこいつ等みたいな奴の方が感じ取りやすいかもしれないし。
「あとは親父が知らなければ家の周り身の回りには居ないと思うぞ」
「そうだな・・・隣の伏見との交流は有るか?」
「髪切ったりおすそ分けをしたりされたりと面倒を見てくれるぞ」
「あいつも人外だぞ。うっかり生肉とか貰わないようにな」
「え」
「え?」
「「え?」」
「・・・・・・ハハッ」
昼のチャーシューとか伏見さんからもらった肉だわ。
あ、親父が白目向いて倒れた。
これはやらかしたっぽいな。
後でちゃんと話として書くけど人外に関わると他の人外にも関わりやすくなる。
これは隠匿の力が作用しなくなるというのもあるが、もっと純粋に類は友を呼ぶと言った形に近い。(学校とかで同じような人間がグループ作るような感じ)