『此処でもいいのであればな』
「そういう事で貴様等が此処に住んでも良いという事になった。
勿論此処にいるのであれば、ある程度の家事の手伝いをして貰うが・・・どうする?」
知人に電話してくるとベランダへ出て行った親父と入れ替わるような形で洗い物を終え戻ってきた二人に大雑把に説明を放り投げた。
二人とも疑問符を浮かべながら頷いている。
まあ、何処からも繋がっていない「そういう事」と言われればそうなるな。
その姿が少しおかしくて笑みがこぼれる。
自分の笑う姿にからかわれていると気が付いたのか銀の方が少し膨れた表情をする。
金の方は・・・ダメだキョトンとして気が付いていない。
コレは嫌味に素直な言葉を返せる感じの大物になるかもしれないな。
「まあ、気にするな。要は貴様等はクソ親父が取り敢えずに最初に選んだ候補地に住むか、それ以降の場所に住むかのどちらにするのかって言う話だ」
「ここ・・・に住んでもいいんです?」
「此処でもいいのであればな」
俺からしたら親父のツテと言うのが何処までのものなのか知らないから、俺からしたら此処に住むと言うのはある種の妥協のようなものだと思うが・・・どっかで妥協しないとステリセマラみたいになるからなぁ・・・
まあ、此処が妥協点に達しているかどうかは知ったことでは無いが。
「別にすぐに決めなくてもいい。暫くは―――つっても2、3日だろうけれど、それぐらいは親父もここに居るらしいから、どうするのかは相談して適当に決めると良い」
その後使ってない客室を掃除して布団を敷いたりしているうちに一つ重要な事を思い出した。
そういえばさっきの飯で冷蔵庫の中あと一食にも満たないくらいにしか無かった。
米とかは残ってるはずだから俺一人だったら一週間ぐらいは持つだろうけれど・・・流石に客やらがいる状況で「今日の晩御飯はお茶漬けです。オカズは無い」みたいな真似はしたくないしなぁ・・・
でも、この寒い中出かけたくないなぁ・・・
だからって、出前も高いしなぁ・・・
「しょうがないか・・・適当な所で買い物に行こ」
嫌でもいつかはやらねばならないのが一人暮らしの宿命・・・果てしなく面倒くさい。
掃除洗濯みたいに明日の自分に任せられない分なお面倒くさい。自動で食品が補充される冷蔵庫とか誰か開発してくれないだろうか。
そんな事をぐだぐだ考えていてもやる事はすんなり終わってしまう。
着替えなきゃならんが・・・寒いし着替えたく無いなぁ・・・
寒い日の着替えとシャワーはある種の地獄。
でも寒く無いと手汗で本やらがボロボロに・・・住みやすい気候が欲しい。
あ、ステリセマラはととモノでの実体験です。
もう50以上狙いの◯×連打は嫌じゃ・・・