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第43話:隠蔽は上策か下策か?


 ウルリカ都市の都市運営は街長の専制を敷いている。


 具体的には都市運営に携わる幹部は全てゴドック・マクローバーにより選出された、ウルリカで生まれ育った人員のみで構成されている。


 つまり都市幹部に文官や武官を排除する方式を採用している。というのはいわゆる公僕は、都市間の異動も伴うため部外者として扱われてしまうのだ。


 仮に公僕で例外が認められる場合は、ウルリカで生まれ育った人物が配属された時に限る。修道院に毎年合格者を出しているところだからパイプは強い筈であるも、ウルリカに配属されない限りは部外者扱いというのだから徹底している。


 俺たちは、憲兵による事情聴取後、そのまま王立研究所に向かい、メディはローカナと共に、アイカとウィズはウルリカ憲兵本部にて本部長であるセーク大佐と折衝中、俺とルルトとセルカが都市運営を担う幹部達を前にいるのが現在の状況だ。


 本来なら事情聴取を終了後、善意の協力者である俺たちはそのまま再び善良な市民に戻る。


 だがセルカに頼んで今こうやって段取りを組んでもらった。


 現在俺の部隊の中で、社会的立場が最も高いのは彼女だ。


 都市で1人しかいない王国議員の格付けは一つ上がるだけで立場が跳ね上がる。現在セルカは中規模都市のトップと同格だから当然だ、だからこそ皆競って連合都市を誕生させようとしているのだから。


 技量も十分、今回はゴドック議員の関係で成立した話である、そこ上手く絡ませて「説明責任」を果たすためという口実を作り「重大な報告」があるとだけ伝えておいたそうだ。


 その中で武装特殊部隊の憲兵でもできなかった神聖教団の尖兵の確保を、文官でありながら剣の達人である俺、ルルトは凄腕の魔法使いとしてしっかり報告したらしく、元より俺たちの情報は向こうだって既に入手しているのだろうという目論見は当たり、急であるにも関わらずゴドック議員を始めとした全員が揃っている。


 本来なら、修道院出身であるも部外者である憲兵の最高責任者である憲兵大佐が列席していたことから今回の注目の高さを伺うことができる。


「まずはウルリカへの治安維持の貢献感謝しよう、セルカ議員」


 そう切り出すのはゴドック議員だ。


「いえ、街長として当たり前のことをしただけですよ」


 セルカの言葉を受けてゴドック議員は腕を組みなおす。


「セルカ議員、早速で申し訳ないが今回のお伽噺の妖精について、重大な報告とやらを伺いたい、こちらが持つ情報が少なくてね、場合によっては街長として早急に手を打たなければならないからな」


「…………」


 ゴドック議員の言葉にすぐには答えないセルカだったが。



「情報が少ないとはご冗談を、ゴドック議員」



 微笑みながら挑発するセルカに場が凍り付く。


 それを知りつつセルカはゴドック議員に話しかける。


「ゴドック議員、この場ではムージ館長も含みますか、少なくとも貴方方2人はお伽噺の妖精が神聖教団の尖兵であることに気づいていましたね?」


 詰問するようなセルカにゴドック議員は目が厳しくなる。


「言いがかりだ、失礼にも程があるぞセルカ議員、そこまで言うからには何か理由があるのだろうな?」


「そうですね……」


 ここで言葉を切り少し考えた後話し始める。


「今回のお伽噺の妖精事件で一番最初に感じた違和感は、神楽坂文官中尉とフェド文官兵長が都市博物館の時間外にアーキコバの物体を見学しに行った時、尋常じゃないぐらい憲兵がピリピリしていたことです。それは脅威が襲ってくるということが「現実」としていない限りありえないことです」


 ここまで発言したセルカの言葉にゴドック議員は反論する。


「アーキコバの物体は政府指定遺物だぞ、常に気を引き締めるのは当然だと思うが」


「いいえ、常に気を引き締めるのはプロではありません。プロであるのなら緩める時に緩めて、いざという時に気を引き締めるのがプロです。それは私の友人であり憲兵であるアイカ少尉も同じ、彼女はいざという時ほど冷静になる人ですから」


「…………」


 上手い、確かにアイカはそういう人物ではあるが、アイカを褒めていると同時に憲兵も持ち上げているから傍に憲兵大佐がいる分、ゴドック議員もやりづらそうだ。


 更にセルカは続ける。


「その違和感が真実だと裏付けたのはお伽噺の妖精と「完全武装の憲兵」が交戦していたことです」


 ウルリカ都市に入る際、関所で門番の憲兵より「子供に言い聞かせる程度」と聞いたものの、そんなものに特殊部隊なんて配置するわけがない。


 アイカの弁によれば特殊部隊を出すだけでも手間がかかる。お伽噺の妖精が出た瞬間に出動するのならば、妖精が現れるのを想定していた考えるのが自然。


 つまり子供に言い聞かせる程度ではなく、人外の存在かそれに近い存在がいることを実際の脅威として捉えていたと判断することできる。


 ここで一旦説明を終えてゴドック議員が発言する。


「今の話を聞くに、重大な事態であった、という論拠でしかない。お伽噺の妖精が神聖教団の尖兵であると我々が知っている根拠にはならないぞ」


「それについては、今度は憲兵側からの「お伽噺の妖精」の捉え方を考えることで説明がつきます」


 返す刀でセルカは説明する。


 繰り返すがお伽噺の妖精の話は、子供を躾けるために使われるもの。事実ウルリカに住んでいる住んでいた人に話を聞いても皆同じような回答をしている。


 当然そんな妖精を見たと憲兵に言ったところで、それを即座に重大な事態として捉えろとは当然無理がある。


 そしてそれが「現在でも同じ」である筈なのに、憲兵だけが特殊部隊を出すほどに重大な事態と捉えた、この理由についてはずばり。



「お伽噺の妖精の目撃者が「都市博物館を警備している憲兵」であることを考えると筋が通るんですよ」



「っ!」


 絶句するゴドック議員をしり目にセルカはセーク大佐に視線を移すが、ため息をついて黙っている。


「神聖教団の尖兵は都市博物館の秘密倉庫に保管されており一般公開はされていない。その尖兵が動いているとの複数の憲兵より目撃証言が上がっている。となれば館内の警備している憲兵の様子も納得できます」


「そして私たちが最初に妖精を目撃したまさに当日、神楽坂文官中尉はフェド文官兵長と共に都市博物館に向かったのですが、神楽坂文官中尉によれば憲兵大尉がムージ館長に何かをかけあっていたようです」


「あれは、都市博物館の秘密倉庫に立ち入り許可をお願いしていたのでしょう。つまりお伽噺の妖精が、神聖教団の尖兵であると確かめに行った、という方が正しい。だからこそ妖精は都市博物館に出た時にすぐに憲兵に発見されて追尾されていたのですから」


 憲兵から目撃報告が上がった時点で、特殊部隊に出動命令がかかったと考えればあの対応の早さは頷けるということを付け加える。


「本来なら協力関係にあるはずの都市博物館から協力が得られず、結果神聖教団の尖兵であることは確実なのに証拠が得られない。そして常識離れした戦闘力に武装特殊部隊も歯が立たないから確保も出来ない。だから住民や訪れた我々に「お伽噺の妖精が目撃されているから気を付けてくれ」といった中途半端な対応を取らざるをえなかった」


「…………」


 セルカは再び視線をセーク大佐に移す、図星なのだろう悔しそうにしながら黙っている。


「となれば同じ理由で都市博物館側が神聖教団の尖兵の動きを知らなかった、とは考えにくいです。でも全く対策を取っていないわけではなかった」



「美容魔法の研究を方便に都市の出入りを制限するといった、ね」



 確かに美容魔法の研究は重要ではあるが、立ち入りが厳しく制限されている王立研究所において、それは理由になるようでならない。現に自分たちに研究の協力を仰ぐほどに。


 さて、結論を出すとばかりにセルカは身を乗り出す。


「さて神聖教団の尖兵を現在動かすことができるのか、尖兵を動かすために必要な電池の充電は、アーキコバの物体ではありませんが、鍵を解除する必要があります。そして当然誰もできる訳がありません。そのカギは当時の神聖教団の最高技術が使われていると聞き、それは現在でも解除不可能であると、私は伺っています」


 ここでセルカ司祭は視線をムージ館長へと移す。


「とはいえこれは素人意見、実は今の技術でも鍵を解除して充電を出来て動かすことができる、というのであれば、訂正をお願いします、ムージ館長」


「え!? え、えっと、その……」


 セルカの言葉にオロオロとするムージ館長はゴドック議員に視線を送るが、ゴドック議員は答えず渋い顔をしているが、もう異論を挟もうとはせず、代わりにゴドック議員が答える。


「出来ない、今をもってまだ未解明な部分があるのはアーキコバの物体だけではなく尖兵も同様だ。アーキコバの物体は公開しても問題ないと安全性を主張する代わりに一般公開をしているがな」


 代わりに答えたのはゴドック議員、もう何も言う訳ではないらしい。


 もう結論は出た、後は言うだけだ。



「ならば尖兵を動かしているのはアーキコバの物体である可能性が大きい。つまり神聖教団の超技術は、今も生きていているのです」


 さらに畳みかける。


「そしてそれがどういうことなのか、神楽坂文官中尉とフィリア武官軍曹が倒したのは、尖兵と言えどただの歩兵レベル、神聖教団全盛期にはそれが数えきれない程あったのは、皆さんもご存じかと思いますよ」


 ここでセルカは話し終えると、シンと静まり返る。


「切れ者だとは聞いていたが、あくまでも政治方面だと思っていたがな」


 少し皮肉を込めたゴドック議員の言葉に、セルカは両手を上げて降参のポーズをとった。


「おっしゃるとおりですよ、ゴドック議員」


「……は?」


「実はですね、今の一連の推理は私ではないんです。ここにいる神楽坂イザナミ文官中尉が、全て組み立ててくれたんですよ」


 目を見開いて俺を見るゴドック議員、その視線を受けてセルカは続ける。


「ご存知かもしれませんが、連合都市誕生の際、神楽坂文官中尉の暗躍なしには、マルスを吸収合併するなどありえませんでした。彼だけではありません、今はここにいませんが、今回の尖兵を拘束するほどの魔力を持った武官下士官、頭脳明晰であり参謀も務める文官兵卒がおります」


「…………」


「とはいえ我々はウルリカでは何の権限もありませんから何もできません、ですが我々は元よりここにはアーキコバの物体の解析のために来ました、お力になれると考えていますよ」


 最終的な決断はゴドック議員であると締めて、セルカ司祭は着席する。


 決定権は最高権力者はゴドック議員、つまり街長だからだ。


 目を閉じて考え込むゴドック議員ではあったが。


「…………神楽坂イザナミ文官中尉、よろしいか?」


(かかった……)


「なんでしょうか、ゴドック議員」


 内心を悟られないように返事をする。


「君は何が望みなのだ?」


「……んー、そうですね」


 俺は「熟考するふり」をして、そして「ゴドック議員の期待に応える」とする。


「まず今回の問題について、私からして欲しいことは三つです」


・神聖教団に関する情報の無条件提供及び活動の自由これは王立研究所、都市博物館も含む。

・我々がウルリカ都市の指揮命令系統に属さないことと、そして我々の行動のについて一般の都市民に公表せず秘匿にすること

・当該行動に関する責任は全て神楽坂が背負う。


「…………」


 俺の言葉を受けて今度はゴドック議員が「熟考するふり」をする。


 結論は出ているくせに、まあでも演出はお互い様かと、俺も澄ました顔をしているとゴドック議員は口を開いた。


「よかろう、全面的に協力することを約束する」


 ゴドック議員の返答に笑顔で俺は答えたのだった。



「ありがとうセルカ、おかげさまでこっちの目論見は大成功だ」


 こっちの目論見、それは先ほど俺が提示した条件をゴドック議員に飲んでもらう事だった。


 何故なら今回の問題に当たり一番の問題点は俺達が部外者であることだった。アーキコバの物体の件で閉鎖都市を理由に禁句扱いされているようでは、こちらからのアクションが一切できないのは正直問題外だったのだ。


 そのために、セルカに頼んだのだが、一方的にまくしたてているようで、上手に向こうに付け入る隙を与えた。


 相手を追い詰めすぎると元も子もなくなる、向こうにもメンツがある故に立たせなければならない、「逃げ道」を用意するのは大事なことだからだ。


 ここでいう「逃げ道」とは。


「いくら自身に責任が発生しないとはいえ、まさか、この条件をゴドック議員が飲むなんて」


 セルカが驚いていた。その代わり事実上部外者に好き放題させるという条件だ、閉鎖都市の特性を考えても、ありえないと続けるセルカ。


 実は今回の要望については、上手に最終的に「ゴドック議員の判断による」という状況にまで持っていけ9割方通るとセルカには伝えてあったのだ。


「どうして通ると思ったの?」


 セルカの問いかけ、今度は俺が答える番だ。


「そのためには、まずはゴドック議員の尖兵が捕まる「前」の状況を考えてみれば、おのずと答えは出てくるよ」


「前の状況?」


「そう、そもそも何故、本来協力的関係にある憲兵に対して非協力的だったのか、それはゴドック議員が、ムージ館長と共謀し、お伽噺の妖精が神聖教団の尖兵であることを知ったものの、隠蔽する手段を採用してしまったことに原因がある」


 隠蔽、この言葉から想像できるのは責任逃れといった負のイメージしかない。事実解決する手段がない場合の隠蔽は問題を先送りにするだけに過ぎない。


 事実すぐにでも中央政府に助けを求めることができるはずだが、隠蔽したことによりそれが出来なくなったのだ。


 隠蔽なんてのは先に触れた通りイメージが先行したから、判断に使うためが1日だとしても「隠蔽だ!」との誹りを受けるのは、俺の世界でも同じだ。


 しかも今回の場合は、隠蔽している間に憲兵は特殊部隊を出す対策を即座に取り、結果壊滅させるという事態となっているからそれに余計に拍車をかける形になっていた。


「だが解決する手段が存在する場合での隠蔽はむしろ上策なのさ。「全てを正直に言う事が正しいことです」とそんな簡単に物事は割り切れないのだから」


「それはそうよ、即座に判断できないことを責めるのは後出しジャンケン、手段の一つとして隠蔽を考えるのは当たり前だと思うのだけど」


 隠蔽という事実にあっさりとそれを理解するセルカ。


 別に善悪論を語るつもりはない、人が人である以上誰もがやる「普通」のことだし、アイヒマン実験に代表されるとおり、善悪なんてのは状況によっても簡単に超えてしまうものでもある。


 だけど……


「そう考えるのは少数派、仮に1日でも間が開いてしまえば「隠蔽した」という糾弾は当然受けることになる。しかもウルリカは街長の専制を敷いていて、ゴドック議員が個人で幹部を選んでいる、強権的という批判があるのなら当然より批判の声は強くなる」


「まあ、確かに……」


「ここで少し話を戻して、手段としての隠蔽のメリットとデメリットを考えてみる」


 隠蔽を言葉のイメージを抜きにして手段の一つとして考えてみる。


 隠蔽のメリットは2つ。


 1つ目、対象となる事象を独占することができて、情報分散するリスクを抑えられ、成果も独占出来ること。


 2つ目、失敗を隠せるということ、もし極秘に着手して失敗すればそのままお蔵入りすればいいだけの話だからだ。


 そして隠蔽にするデメリットは何なのか、これはそのままメリットの反対を考えればいい。


 1つ目、表立って活動できないこと、つまり部外者に一切の協力が求められないこと。これは想像以上に痛い、自分と全く違う見方を得られることが出来ないのだ。これは俺自身の状況に置き換えてみると分かりやすい。


 2つ目、隠蔽が表ざたになれば取り返しがつかなくなることであり、仕事の続行が不可能になる事、これは日本でも官民問わずなのは説明するまでもない。


「って、ちょっと待って! まさか!」


 ここでセルカがピンとくる、こちらの言いたいことについての察しの速さは本当に凄い。



「そう、都市民側からすれば隠蔽している側の人間に俺達が加わっただけなのさ」



「た、確かに! じゃあイザナミさんがしたことは、メリットを取るようにゴドック議員の言質が欲しかったってこと?」


「そのとおり、そのためにはデメリットをこっちが背負う必要があった。あんな大勢の幹部の前で「得意げに推理を披露して、仲間に入れてくれ」と言い出した。先延ばしにした問題の解決策が思わぬ形で提示されたんだから飛びつかないわけがない」


 功績があれば等分に、失敗すれば一方的に、これで「隠蔽」による糾弾も我々に転嫁することができる、それをあの場で即座に判断できたのは、流石一流の政治家。


 ちなみにこれはフェド兵長が言っていたことがヒントになった。ゴドック議員を評して強権的とは言ったが、政治家としては優秀と言っていた、政治家としての手腕は暗に認めていた部分もあったのだ。


「ならゴドック議員が私たちを呼んだのもひょっとして……」


「俺はそう考えているね、隠蔽した結果自身の立場が危うい状況であり、結果保身を考えたゴドック議員。神が絡む可能性がある事案に俺たちの情報を仕入れれば、うまくいけば向こうからこの状況に噛んでくると踏むのはそう荒唐無稽な発想じゃない。だから「慰安旅行」という「接待」なんて露骨な理屈をつけてきて、アピールしてきたのだから」


 あんなのは裏を読んでくれと言っているようなもの、誰もが不自然に思うほどに追い込まれていたという訳ということも付け加える。


 俺の言葉に絶句するセルカ、俺は「だからこそ利用価値がある」と発言した後に続ける。


「甲斐はあったよ、今回の事件で神聖教団がらみでの情報の無条件提供、特に立ち入り規制がかかっている都市博物館と王立研究所の立ち入り許可、特に都市博物館の秘密倉庫と事務室の入室許可、これがどうしても欲しかったからね」


「秘密倉庫と……事務室?」


 セルカが訝しげにするが、すぐに思い至ったようだ。


「まさか、何が分かったの!?」


「まあね、だけどごめん、まだ言えないんだ」


「……はいはい、だと思ったけどさ」


「はは、それでね、んで、その言えない理由のために、1人で動きたいのだけど……」


 おずおずととセルカに伺いを立てる。


 俺の勝手な言い分にとため息交じりに「はいはい」と言うセルカであったが、ふと思いついたようだ。


「そうだ、その代わりレギオンで一つ星のレストランの奢りで手を打つわ」


「えー!? そんなアイカみたいなこと!」


「あら、アイカさんばっかりずるい、ずっと羨ましかったの、駄目ならついてくけど?」


 ニコニコしているセルカ、駄目だ、これは何を言っても駄目な顔だ。


「分かった、俺も男だ! でも手加減してね?」


「ふふっ」


 セルカは俺の最後の願いは笑顔だけで何も答えてくれなかった。




次回は6日か7日です。

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