表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
206/238

第13話:二つの依頼・後篇


――後篇



「「「「「!!!!」」」」」


 全員が一斉に俺を見て、フィオは予想していたとばかりに大きくため息をつく。


「……自分で策を弄しておいてですが、そんなに私は分かりやすいですか? 自信を無くしそうです」


「フィオのせいではない、あの次期女王様がまだまだ未熟で分かりやすいだけだ」


「この学院内で私の前で堂々と言うのがまた、先生は噂に違わぬようです。なれば先生、クエルが言っていましたが、今回依頼の答えと「真の答え」については説明をお願いできますか?」


「いいだろう、まずはおさらいだ。ルウ先生が「この時間帯の礼拝堂はやばい」といって、中にお前がいた。偶然あの時、あの場所でいて、それにも関わらず「必然を装って」の依頼内容が幽霊騒動の解決。この三つを関連付けるなという方が無理な話だ」


「それが魔境に繋がるというのも不可思議な話だと思います」


「今回の依頼は二つ考えた、まず一つ目、単純な意地悪、解決できない依頼を提示して、わざと不合格にさせる、ただこれは品格に関わるから考えづらい。となると、可能性が高いのが二つ目である「すでに答えを出していて、それに導けるのか」だ。俺はこっちだと考えた」


「さて、次に問題になるのが、間接的な協力を許可するという点だが、これは依頼書には故意に書かなかった。何故なら書いてしまうと、フィオ自身の「真の目的」が達成できなくなってしまうからだ」


「先生一つ、今回の依頼が意地悪ではない根拠が品格いうのは憶測にすぎると思いますが」


「ふざけろよ、俺がしたのは性格の話ではない、利益の話だ。俺達に対してじゃないぜ、自分の不利益になるだろう、理由はそれで十分、違うかい?」


「…………」


「ま、なんにせよ礼拝堂で俺に見つかったのが文字通りの運の尽きだったな、これはマジな「ラッキー」だよ」


 視線を日常部に移すフィオ、当然に聞かされていない事項もあったから、全員が驚いている。


「……修道院というのはみんなそうなのですか?」


「何か前にも同じような事聞かれたけど、他の奴らは知らんが俺はそうだという話だよ。それとフィオ、悪かったな」


「え?」


「正直、今回の件について俺に見破られたことは次期女王に対しての失点になると考えた、だから迷ったんだ、失点にならない様に解決することも出来たからな」


「…………」


「だが、俺は日常部の顧問だからな。生徒達を守ってやらないといけないのさ、楽しく過ごすためにね、だからもう一度言う」


「フロアに伝えてくれ「これは愚行でありあきれ果てた」とな。いいか、俺が言っていたと、一言一句伝えてくれよ、絶対にだぜ、言い忘れていたとか、そういった理由を認めるつもりはないぞ」


「っ……」


 強い言葉に、戸惑うフィオ。


 まあ無理もない、クエルは俺を怒っていると聞いた、そう、まあ、怒っているさ。



 邪神事案であることは知っていてこんなことをしてくるのだからな。



 娘の未熟な部分を知っているから、ちょっかいを出さないためにセアトリナ卿は伝えたんだろうが、それも理解できていない。


 傲慢は決して悪いことではないけど、時と場所を選び、何より状況を判断しなければならない。


 結局、自分の傲慢さを後輩に負担をかける形で策を弄したやり方を採用する、やり方がモストと一緒だ。


 だがそれに協力したフィオは責められない。色々な忖度が絡む上流という世界、そこは修道院時代から骨身に染みて知っている。


 うーーーん、でもこの子にばかり責任を負わせるのもなぁ、となるとやっぱりセアトリナ卿に俺から直に伝える必要もあるのか。


 次期女王に物申せるのは現女王しかないからな。


(それに事は急を要する、状況は切迫しているかもしれない、下手をすると……)


「わかりました、フロア嬢に報告する前にママ先生のところに行ってきます」


「…………」


 そんな俺の思考を読んだかのようなフィオの言葉。


「当然ですよ神楽坂先生、今回の事はクエルを正式に立候補者と認めることが目的とはいえ、荘厳の儀やサクィーリア選挙にも影響を及ぼす事案。それをママ先生の娘とはいえ他者の介在を許したとあっては、報告しなければなりません」


「……フィオ、俺はフロアを何とかしてくれれば、俺は事を大きくしようとは思わない」


「分かってます。ですけど心配にはおよびません……」



「これで堂々と、フロア嬢に物申せますから」



 と初めて年相応に悪戯っぽく笑った。


「……そうか、政治力でサクィーリア選挙に勝つぐらいだから、その点については俺よりも余程上か」


 とお互いに微笑むが……。


「ちょ、ちょっと待って先生」


 割って入ったのはナセノーシアだ。


「どうした?」


「どうしたって、先生もサクィーリアも半分しか言っていない」


「半分?」


「サクィーリアは答えと「真の答え」と言った。最初の答えとは今回の依頼の答え、これは納得した、元々クエルを後継者候補の1人として認めるつもりで、その為の「儀礼的な依頼」だった」


「だけど、真の答え、フロア嬢がバックで動いていたとか、そんなの何処から出てきたの? 先生はいつ気が付いていたの?」


 ああ、そうか、確かに分からないか。


 確かに日常部だけじゃない、他の生徒会の面々も置いて行かれている様子だ。


「私も改めて聞いてみたいです」


 とはフィオの言葉。


「…………」


 まあ本当は、フロア嬢のあの性格、要はモストと似ているから、国家の緊急事態ともいえる邪神事案と知れば探りを入れてくるんじゃないかと考えていた。


 その方法もモストに似ている方法を使うだろうと思ったからなんだが、当然に全部は言えない。


 だから適当に方便を混ぜるか。


「フィオ、フロアからは「俺の動向を探れ」と指示を受けていただろう?」


「……流石です、気づかれた理由を聞いていいですか?」


「きっかけは礼拝堂でフィオが俺を試した時だ」


「あの時ですか?」


「失言だなんだのと色々と言ったが、「どうして俺を試したんだろう」という根源的な理由さ。フロアだけじゃなく学院長から俺に対しての何らかの指示は受けているだろう?」


「はい、「先生はまだ不慣れな部分が多いからサポートできる範囲内でサポートをしなさい」と」


「となると、俺を試すのはその指示に反することになる。いや正確には「学院長がそう受け取ってしまいかねない」という方が正しいか。俺と学院長が繋がっていると考えるのならば、政治力でのし上がった君の行動を考えると辻褄が合わない。しかもそれが今回のサクィーリアとしての失態を招いてしまったのなら尚更だ」


「となれば、そのチグハグが別目的であれば繋がってくる。俺の勘では政治力で君がのし上がった時に「当時の1年先輩のフロアの影響がなかった」とは考えづらい、頼まれれば断れなかった筈だ」


「更にフロアとは話したことがあってね、あの性格だと俺の動向を探ってくるのではないかと思ったのさ」


「…………」


 ナセノーシア達だけじゃない、俺の説明に対して全員が言葉を発しないことの意味。



「先生とママ先生は、どんな関係なんです?」



 全員の疑問を代表した形の言葉はフィオだ。


「男子禁制の教育現場の中で男を投入したらどうなるのか、更に愛人候補を同居させるとどのような事態が発生するのか、上流の「女衒」を勤める、子爵卿の教育実験の為、俺はその駒だよ」


「…………」


 俺のこの回答の意味「詮索無用」という意味。


 つまり俺は実験の駒ではないこと、更に俺が一妻多夫を実現させたセアトリナ卿の「多夫」ではないという事、そして次期女王すら詮索しなければいけない秘密の理由があるという意味だ。


「だから俺はフロアに怒りを覚えている。こういうことを言わなければならない状況を生み出した元凶に対してね」


 これ以上は何も言う必要はないと口を閉じるが。


 あ、そうだ、一応これは言っておくかと、フィオにチョイチョイと手招きをする、ちょっと怪訝そうな顔をしながら近づいてきたフィオに対して。



「サクィーリアとして活動する上でフィオの影響力、邪魔だったんだろ? 名サクィーリアと名高い君の唯一の「瑕瑾」だ。だから失言した事に便乗して今度は俺を利用してその影響を排除しようとした、違うかい? サクィーリアさん?」



 と小声でニヤリと笑いかけるが……。


「……不正解ですよ、フィオ嬢は私がサクィーリアに当選するにあたり尽力をしていただいた恩ある方ですよ」


 としれっとのたまった。


「そりゃ失敬」


「さて、色々とありがとうございました神楽坂先生、それでは」


 と踵を返そうとした時だった。



「サクィーリア、私たち全員でママ先生に謝罪しに行きましょう」

「1人で背負い込むのはなしですよ」

「全員で謝れば、バツは少なく済むかと思います」



 と言いながら、フィオの周りに集まる。


「ありがとうみんな、一緒に行きましょうか」


 と生徒会室を後にした。



 なるほど、チーム一丸となってか、いい生徒会なんだな。



「先生、私達だって負けていないよ!」



 というナセノーシアの言葉に全員が肩を組むのであった。




――夕食後・日常部の部室(俺の部屋)




 あの後、祝勝会という形で、食堂で俺から巻き上げた食券を使い3枚のメニューを食べて、気合を入れなおした面々。


 その後風呂に入り、俺の部屋でくつろいでいる。


 そんな常に美少女に囲まれる生活……。


「あのさ、ナセノーシアさん達さ、夜はちょっと1人でのんびりしたいんけどさ、もう当たり前のように俺の部屋にいるよね」


 うん、こう、意外と疲れる、いや相当に疲れる。男同士のあの楽な感じが無いから疲れる。視線にも常に気を使わなきゃいけないから疲れる。


「いいじゃん、常に美少女に囲まれる、先生が好きなハーレム物に則ってみました」


「はぁん!? 何がハーレム物だ! 女に囲まれればハーレムが成り立つんだったら誰も苦労しないんだよ!」


「な、なんか実感こもってるね」


「でもナセノーシア、ほら、先生も殿方、常に私たちと一緒だったから、色々と1人で持てあますことがあるかと、ね?」


「おいい!! 変な理解の仕方するなよ!!」


 と「そうだったね、気が利かなかったね」と生暖かい目で見られて4人は立ち去ったのであった。


「全くもう、さて……」


 とおもむろに持ってきた本、念のため言っておくが、俺の好きな推理物の本を開き。


 やり方は簡単、スイッチを入れる感覚で……。


「王子、神楽坂です」


【聞こえているぞ】


「報告を開始します」


 この定時連絡の唯一の欠点は、声を出さなければいけないところだ。




――学院長室




「以上です。申し訳ありませんママ先生、フロア嬢云々よりも、依頼内容を見抜かれたのは単純に私の失策でした」


「…………」


 セアトリナは静かに目を閉じてフィオたちの報告を聞き終わる。


 全員が固まる中、セアトリナ卿は視線をフィオに移す。


「…………」


 報告を終えた彼女は、悔しそうにぎゅっと唇をかんでいた。


 報告を聞く限り、神楽坂との勝負はワンサイドゲームだったのだろう。自分の思惑を全て見透かされ、掌で踊らされた。


 この子は、物凄い負けず嫌いだ。更に高い能力に努力家だったから、この子の人生には「勝ち」しかない状況だった。


「神楽坂先生には感謝をしないといけませんね」


「え?」


「貴方は、負けず嫌いであり努力家でもあり能力も高いから結果も出す、だから貴方の人生には「勝ち」の多い人生だった」



「そしてそこが私にとって貴方の評価に対して最大のマイナス項目だったのですよ」



「え!?」


「驕り、これは自戒することは不可能なのです。自らの驕りを理解するには「敗北」が必要なのですよ、特に貴方の場合は強い敗北がね」


「…………」


「それを神楽坂先生が教えた、この敗北は貴方にとって大きな糧となるのです」


「ママ先生……」


「そして娘の件については謝罪するのは私の方です、フロアが何かをしているのは知っていたのですが、度が過ぎた介入は出来ませんでした。これはむしろ娘の失点です」


「そ、そんなことは……」


「それにしても」


 とここで言葉を切ると。



「似たような失態を繰り返す、次期女王の座に「驕った」か、愚か者め……」



 底冷えするような声に全員が震えあがる。


 当然にセアトリナ卿からすれば、神楽坂同様これは無視できる事態ではない、この行動で邪神の不興を買ってしまった場合の危険性を認識しているとは思えない。


 娘のその未熟さを理解していたからこそ、それを認識させるために最高機密である邪神事案を伝えたのに。


「フィオ」


「は、はい!」


「神楽坂先生は怒っていたのではないですか?」


「はい、その、かなり……」


「でしょうね、なれば神楽坂先生に今後の娘の手出しはさせないと伝えておいてください、娘を「強く躾ける」と、いいですね?」


「は、はい!」


 口調こそ穏やかではあるが、神楽坂以上に怒りの青い炎を宿す学院長に震える生徒会の面々。


 やはり2人には何か事情があるのだ。


「それと今後娘が何か言ってきた場合は、私に代わるように。それと今回の報告の中で荘厳の儀、サクィーリア選挙に波及するかもしれないと申告した「ミス」についてですが……」


 何かしらの罰が下るのかと生徒会の面々は強張るが……。



「今回の件だけではなく、今後も神楽坂先生相手ならば、敗北は失点には値しません、よって不問とします」



「「「「っ!!!」」」」


 失点には値しない……。


 その意味することは。


「神楽坂先生は神算鬼謀の傑物、国内外の超大物が一目置く程。そして将来のウィズ王国次期国王フォスイット王子の側近中の側近です。故に敵対せず「良き付き合い」をしなさい、自分の将来の為に」


「マ、ママ先生」


「貴方達は荘厳の儀、その後のサクィーリア選挙をもって勇退します。その後は、貴方達は私と一緒に、卒業まで社交界へ参加してもらうつもりです、期待していますよ」


「「「「はい!」」」」


 気合の入る生徒会の面々。


「フィオ」


「はい!」


「貴方は随分と神楽坂先生を意識しているようですが、貴方はどう評価しますか?」


「……正直申し上げれば、数多いる上流のハーレム気取りの十把一絡げ、女を物としか見ていない愚物の1人ではと思っていました。ですが、そんな評価はもう消し飛んでいます。面白い殿方だと思いました、学力だけではない本物の頭の切れを持つ、胆力を持つ男だと」


「私は「後出しの愛人候補」も認めていますよ」


 突然のセアトリナの指摘にフィオは驚くものの……。


「はい」


 そうはっきり答えて、セアトリナ卿は満足げに微笑う。


「さて、今日はこのまま、生徒会活動へうつりましょう、荘厳の儀の参加者についてです、フィオ、今日が締め切りですが」


「他に立候補者はいません、上申をした3名のみです」


「分かりました、さて、まずは上申した3名の参加の可否についてですが……」



 とセアトリナと生徒会は次のステージ、荘厳の儀へと動き出す。




――日常部部室(俺の部屋)




「ふんふんふ~ん♪」


 と王子への報告を終えて五右衛門風呂で一風呂浴びた後、部屋に戻った時だった。


「先生」


 とクエルが、パジャマ姿で1人部屋の中で待っていた。


「ん? どうした? 授業で分からないところでもあるのか?」


 クエルは、そのまま部屋の中央にある麻雀卓を示す。


「一つ、勝負をどうですか?」


「……2人でやるのか?」


「はい、夜も遅くなってきましたので、半荘一回勝負」


「……わかった、食券は賭けるのか?」


「はい、親睦会の時と同じ条件でお願いします」


「…………勝負の方法は?」


「普通に4人でやる戦い方を2人でやればよろしいかと」


 と卓を囲む。


 そして……。



「クエル、それだ、ロン」


 と牌を倒す。


「はい、これで箱割れですね、勝負は先生の勝ちです」


 負けて淡々としているクエル。


「……クエル、負け分の食券を」


「ありません」


「そうか……」


 潤んだ目で俺を見つめるクエル。


 こざっぱりとしていて、少しだけ俺に媚びる目。


「ナセノーシア達と決めたんです。夜伽を務めるのは個人の自由意志にすると」


「……俺の何がそんなに気に入ったんだ?」


「私、頭のいい人が好きなんです」


 だそうだ……。



「クエル、悪いが俺は教え子には手を出さないんだよ」



「…………」


「本末転倒な言葉なのは分かっている。って別に勘違いしないでほしいのだが、お前は容姿は十分に可愛い、まだまだ未熟な部分もあるが人間として、そして女性として敬意を払えると思っている」


「愛人としての覚悟は決めています、ちゃんと夫人として大事にしてくれるのなら、クォナ嬢もネルフォル嬢も、他の仲間の方々がいても構いません」


「赴任する時に言ったよな? 譲れない時があって、教え子に手を出さないってのは、その時だよ。それと、男には勿体付けた方がいい、求められても求められても尚、自分を高く売りつけろ」


 俺の言葉に目をそらさず、クエルはずっと聞いていたが。


「……分かりました、先生の矜持、尊重します、ですがそれは諦めると同義ではありませんから」


 と一応の納得はした様子。


「今から負け分の食券を持ってきます」


「いらない」


「え?」


「言っただろ? 主導権は俺にあるってな。お前の食券はお前の人生の金だ。だから夜伽の権利を俺が行使を保留するという形にする。お前を魅力的だと言ったのは嘘じゃないからな」


「使ってくれるんですか?」


「寂しくてどうしようもなくなった時にな」


「寂しい、先生が?」


「おいおい、俺だってそういう時があるんだよ、それと」



「今後も何かあればちゃんと助けを呼べよ、守ってやるからな」



 俺の言葉にクエルはクスリと笑う。


「頼もしく思います、先生、おやすみなさい」


 とクエルは姿を消した。


「…………」




 講師として赴任するにあたり、授業を行うにあたりの学力、修道院合格のための学力、俺は両方圧倒的に足らない。




 だからアーティファクトを使って、それを補ったのだ。


 脳味噌をいじることは出来ないから埋め込まれたアーティファクトの自動書記で問題を解いているのだ、後はいつもの口先三寸。


 すまない、クエル、お前の好きな頭のいい男はいないんだ。


 本当に幻滅させることを言えないのは辛い。


 だからさっきはああ言ったが、俺相手に夜伽なんてする必要はない。俺もさせるつもりはない、夜伽の権利はクエルが卒業する時に卒業祝いとしてくれてやるつもりだ。


 恥をかかせてしまって悪いが、野心家のお前にとって、俺の夜伽の相手をして愛人になるは「なり下がる」ことだ。


 だけど生徒としては可愛いし、守ってやりたいのは本当、だからせめて俺がここから離れるまでは守ってやる、離れた後も助けてやる、今は日常部の為に全力を尽くすよ。


 っと俺も、少し頭を冷やすか、もう一度風呂にでも入ろうか。


 と再びお湯を沸かすために外に出る。



 クエル、Sランクに昇格。



 サクィーリア選挙の正式立候補者に決定。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ