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第17話:目に見える神の愛の形


「いひゃい! いひゃい!」


「お前何してんの!? 周り見てみろよ! 敵味方全部失神してんじゃねえか! 度が過ぎない様にって言ってたじゃないか! お前がそういうから精一杯気を使ってウィズの機嫌を損ねない様にしてたのに! ったくお前は本当に適当だよな! ああん!?」


 ルルトの頬からバチンと手を放すとぱたんとそのままルルトはへたり込んだ。


「…………」


 ぼんやりと俺を見上げるルルト、本来なら何か言おうものなら何も言わない。


「お、おい、あの、そんなに強くつねったか? ってなんだこれ? このやたらカラフルな箱、ってうお」


 俺はコンコンとおもちゃ箱と言えばいいのか、最初のイメージとしてはそんな箱を叩くとあっという間に消えてしまった。


「びっくりした、ってルルトが出したのか? というか、今どんな状況なんだ、ぬお!?」


 急にルルトが抱き着いてきてびっくりする。


「本物だぁ、グスッ、イザナミィ、本物だぁ」


「もう、なんなんだよ急に、ん?」


 ここで俺の横で全身の体が砕かれた状態の女性を発見してまたまたびっくりするが、顔だけは治してあったのか、しっかり認識できて当然その顔には見覚えがあって。


「ウィズだよ、ボクに逆らったから制裁を加えていたんだ」


「制裁……」


 ということは、やっぱりそうだったのか。


「修道院じゃ、ウィズが最強であり最高神であると教わったんだがな」


「ウィズ個人がそう触れ回るのは自由だよ、自分が偉いんだ強いんだってよくあるパターンじゃないか」


 そういえば確かに、俺がいた世界だって同じようなものだったじゃないか。


「それに最高神であることは間違いないよ、最高神の地位は譲っているからね」


「いやいや、神の世界は強さが階級なんだろう? そんな例外規定はあるのか?」


「さあ?」


「…………なるほど、お前のその妙にピントがずれているような答えも納得がいった」


 ミリカ……というかウィズに話していていた時、最強神の発想を「力でなんとかする」といったけど、それはルルトだなと思ったんだよな、となると。


「なあ、あのルルト神話って、ウィズは「誤魔化された」みたいな解釈をしていたんだけど、お前の加護だと分かって手が出せなかったってこと?」


「そうだよ、でもボクが優しすぎるから変な噂が立ったみたいで、秩序を乱してしまったようだね」


「変な噂?」


「ボクが弱いから制裁できないのだろうって」


「いやいや、噂は立つかもしれないが、それだけでここまでするか? ウィズが噂を鵜呑みにするとは思えないのだが」


「君を修道院に送り出した後、ウィズと会ったのだけど、その時にこっそりと力を計ったようなんだ、あの時は力を使い果たしていたからね、だから大したことないと思ったみたい」


「それでも変だぜ、どうして「使い果たした」と思わなかったんだ?」


「まあ、異世界から人を連れてくるほどの力を持った神なんてボクぐらいだからなぁ」


「……なるほど、お前が力を使い果たすのなら人間界か神界に影響がないわけがないということか、やっと全部わかった」


 つまり今回のことをまとめるとこういうことだ。


 ウィズは神の世界の頂点になりたかった、だからルルトを倒す必要があった。


 そして1年前にルルトの力をこっそりと測定、その結果大したことないと分かった。


 異世界から連れてきた後という発想がそもそも無く、人間界や神界にまったく変化が無いのならルルトが神の力を使い果たしたという発想には至らなかった。


 そしてウィズはルルトに喧嘩を買ってもらうために動き出す。


 そのために選定した人物がロード大司教とモスト、2人にコンビが組めば教皇選の啓示を与えれば内容がどんなものであっても疑うことなくそれを信じ、外道の道をもって目標を達成してくれるであろうことは予想できた。


 念のため思考誘導を行いやすいように同期に扮し近くで助言を行ったのだろう。俺への対応を見ればそれが何となくわかった。


 俺に対しては占いの神に選ばれた人物とは理解していたが、正体不明であることが警戒レベルを下げない原因となり、当のルルトも信用していたようだから、注意していたと同時にルルトに喧嘩を売るための保険として見ていたわけか。


 とはいえ……。


「ウィズにとってはルルトの力も、俺の存在も想定外だったってことか」


 納得している俺にルルトがトントンと肩を叩く。


「ねえ、イザナミさ」


「ん、なに?」


「正直ボクは凄いびっくりしているんだ、さっきまでの激情が嘘みたいに消えるほどにね」


「どうしたの?」


「いやいや、どうしたのって、君死んだじゃないか?」


「…………」


「…………」


「あああああぁぁぁぁ!!!! 思い出したぁぁぁ!!!!!」


 そうだ、全部思い出した、ここにいるウィズに攻撃されて、心臓を一突きされてそのまま息絶えたんだった。


 そう、俺は突然眠りから起こされたかのように気が付いたのだ。


 ぼんやりとする頭でここが自室だと理解、いつの間に夜寝たんだっけと思ったが、音が全くしないことに気が付いた。


 変だなぁと思って小城の中を徘徊していた時に、執務室でロード大司教とモストが失神しているのを発見、駆け寄って起こしてみるも、ロード大司教は朧気ながら反応してくれたが、モストは全く無反応だった。


 これはやばいと思い、誰か人を呼ぶも全く反応がなく、しびれを切らしてあたりを調べてみると、同じく失神しているセルカ街長を発見。


 これはただ事ではないと思い、外に出ても全員が失神していたのだ。


 その時に響いた凄まじい轟音、その音がした方向に走ったところ。


 ルルトが妙にテンションが上がっていてウィズを締めあげているのを見てこいつの仕業だと思ったのだ。


 呆然としている俺にルルトは首をかしげる。


「それにしても僕とウィズの神の魅力両方を喰らって、どうして平気なんだろうね、神の魅力は人を正気に保つことができず、防衛するために失神させるはずなのに……まあでもあれだね! 君が異世界人だからな! これは新しい発見だ!」


「…………」


「…………」


「今、理由が分かったけど誤魔化したな?」


「エ!? ソンナコトナイヨ!?」


「…………」


「わ、わかったよ! 睨まないでくれ、正直に言うから、もう、えっとね、ほら、君がロード大司教が怪しいとか言って、カイゼル中将に対して隠密行動をした時に神石を預けたことがあったよね?」


「あったな」


「いや~、気を付けていたんだけど加減を間違えて使徒になったっぽい」


 あっけらかんというルルト、使徒、使徒って言ったの。


「しとって、なったっぽいって、加減を間違えるってどういうことだ?」


「えーっと、神の力は瞬間的に力を与える分には問題ないんだけど、あの時は行動の最中はずっと加護をかける状態だったのね、加護は累積されていくから、大丈夫かな~って思ったんだけど、駄目だったみたいだね」


「みたいだねじゃねえ! しかも使徒って、お前の道具になるってことなのか!?」


「あれは俗説、というかウィズはありがたみを与えるためにわざとリスクを背負わせているんだよ、使徒になったところで別にボクに絶対服従なんてことない、むしろ使徒にするってのは神から人に対して目に見える愛の形なのさ」


「……つまり俺の体はどうなったんだ?」


「不老不死を伴わない不死身になったってこと、実は使徒になる側に欠点が無いんだよ」


「欠点が無いって」


 ここで再び胸を貫かれたことを思い出す。もう痛みすら感じていない。


 慌てて上衣を脱ぐ、ルルトが「キャッ♪」とか両手で顔を覆いつつしっかり見ているベッタベタのリアクションにイラッとしたがそれは置いておく。


 ちなみに痛みを感じていないのとおり、心臓部分は綺麗さっぱりふさがっていた。


「…………」


 言葉が出てこない。


「ルルト、使徒ってウィズ王国では教皇だけなんだよな、確か」


「だね、大騒ぎになりたくなければ普通に内緒にするしかないね」


「……まじ?」


「まじ」


 そうか、そうなのか、ここで再びウィズに視線を落とす。あの時は恐ろしくてしょうがなかったが、今はその欠片もない。


「ウィズ、なんだよな?」


 俺の問いかけにルルトはうんうんと頷く。


 今回の元凶であり、俺を殺したウィズ、先ほどからずっと黙って俺とルルトを見ている。その目に映るのは自分を殺さないでほしいという命乞いの色も入っているように思える。


「……ルルト、制裁を考え直すことってできるのか?」


「む! イザナミ、ウィズは確かにグラマラスな女神だし、男がそういうのを好きなのも知っているが、そういった露骨な依怙贔屓は不愉快なんだが!」


「違うわ! ウィズを制裁したら王国が乱れるだろ、主神を失うことになるし、秩序が乱れる、また戦争が起きて、かつてのウルティミスのように多数の不幸な人が出る!」


「…………」


「それに! 俺の神がイジメみたいなことをするな、ウィズだって懲りただろう、そう言って聞かせろ」


 俺の言葉にキョトンとしたルルトだったが、愉快とばかりに笑い出した。


「あっはは、俺の神か、ボクをそう表現したのは君が初めてだよ、分かったよ、言って聞かせることにする」


 そのまま掌をウィズに掲げると、瞬時にウィズの体が全快した。


 いきなりの処置にウィズはびっくりしたようで言葉も出ない様子。


「さて、ここからは神の言語を使わず会話をしようか、ウィズ」


 とルルトの問いかけに「はいぃ!」跳ね上がるように反応し、その反応を満足気に見つめると、そのまま胸ぐらをつかんでガツンと額を合わせる。


「ボクはこの男に大きな借りがある、よかったねぇ~、彼が辞めろというのならやめよう、これから気を付けたまえよ、気を付けるのは僕にではなくてイザナミにだ、何故なら現時刻をもって最強神ルルトの名において、刑の再執行の判断の権限はイザナミに全権移譲したからね。全権移譲の意味は分かる? 例えばだ、イザナミが「今朝のクソの切れが悪いから制裁してくれ」なんて理由でも喜んでボクは君を制裁することを約束しよう。だからイザナミの不興を買わないように頑張るんだね、君は今から神楽坂イザナミの「奴隷」だ、いいね?」


 凄いこと言ってる、いくらなんでもそれはとは思ったけど。


「はいぃ、かんだいなる、しょち、かんしゃいたします」


 ウィズは震えながら涙を流しながら頷き、ルルトは俺の方を見る。


「さあ、君は掟を破りながら今はこうやって無傷だ、神楽坂イザナミに感謝を捧げ、慈悲を乞うんだ、常に常に、イザナミが気持ちを変えないように、さあやってごらん?」


 ウィズは、そのまま俺に対して仰向けに寝ると腹を出した。


「ありがとうございます、神楽坂様、本当にありがとうございます、私は貴方の奴隷です、なんでもしますので、どうかお気持ちを変えないでください」


 仰向けになり腹を出す行為は、いわゆる「品格のない土下座」と解釈していい、謝罪するときのポーズではあるが、人としての尊厳を捨てた行為でプライドがないとみなされるのだ。


(……恐ろしい)


 ウィズの姿を見て何故かロード大司教やモストの顔が思い浮かんでしまった。


 まあこれにて一件落着……。


「してないぞ、なあ、俺が死んだってロード大司教とモストは知っているんだよな?」


「知ってるね」


「というか、そもそも刺されてから復活までなんでタイムラグがあったんだ?」


「いきなり使徒になるわけじゃないからね、体の一部が神様になると考えてもらえばいいかな、いきなり変わると人の体じゃ耐え切れないからね、ウィズに殺された時は「ほぼ使徒」だったって表現が正しいかな」


 ああそうか、確かここ数日体がだるかったなそういえば。


「じゃあ、ここで俺が復活したら」


「大騒ぎになるね」


「まずくないか? 必然的に俺が使徒だってバレないか?」


「バレるね」


「大変な事じゃないか! というか、俺が刺された記憶をなくすことはできないのか?」


「できる出来ないの話をすればできるけど、洗脳になるね」


「洗脳はアカン!」


 考えろ、ウィズ教にとって使徒は教皇1人のみ、周りを見渡しても全員が失神している。ある意味、一切合切神の魅力で強引にねじふせている状況ではある。

となれば一切合切同じ理由で解決してしまうのいいのだけど……。


「ウィズ」


「は、はい!」


「俺を始末したことについてロード大司教とモストにはなんて説明してある?」


「そ、その、2人を守るために天罰を下したと方便を織り交ぜて」


「その方便の具体的な内容を教えてくれ、出来れば一言一句違わずに」


 ここでウィズはやりとりをすべて説明してくれる。2人の反応や、ルルトにも俺の死んだ時を知った時の状況をすべて話してくれた。


 話を全部聞いた後、俺はもう一度全員が失神している状況を見る。


「ウィズ、2人は俺の死について何か反応をしていたか」


「い、いえ、とくには、教皇になれないとわかって落ち込んでいました」


「なら、それを理由に不合格したと付け加えろ、人の命を軽く見ているとか、お前のプレッシャーに負けない応対が実は真の試練だったとかなんでもいい、それをそのまま俺を復活させる口実に使え」


「わかりました」


 頷いたウィズの横でルルトが話しかけてくる。


「待ってくれ、いくら神でも死んだ人間を蘇らせることはできないけど」


「ウィズが「出来る」と言えばいいんだよ、俺が協力したという立場を知らしめろ、というかロード大司教あたりに吹き込めば無条件に信じるだろう?」


 頷くウィズではあったが、俺の言葉にハッとして何やら思考を巡らせているウィズ、俺はウィズをじっとみる。


「協力したということは、神楽坂様、まさか……」


「まさかって、俺が何を考えているのかわかるのか?」


 俺の言葉にウィズはっと血の気が引くと再び仰向けになり腹を出す。


「私如きに奴隷が深遠なる偉大なる尊き神楽坂様の思考を」


「ちょ、ちょっとまった! 違うから! というか話が進まないから! 言ってみてくれ、大事なことなんだ!」


「…………」


 ウィズはルルトを見るがフンとそっぽを向くものの、大丈夫だろうと判断したのか続ける。


「神楽坂様は、私とルルト様が友好関係であるということを広めるおつもり、ホプッ!」


 いきなり意味不明な語尾、当然ルルトが掌を頬で挟む形でアイアンクローをかましている。


「僕と君が友好? 言葉を選んでデデデデデデデデ!!」


 俺が頬をつねったからだ。


「だから話が進まなくなるの! ビンゴだ、ウィズには俺とルルトが教皇選抜のために協力をしたってことを広めてもらうつもりだったんだよ」


「ボクとウィズが友好関係だとどうなるんだ?」


 俺はちらっとウィズを見る、ウィズはびくっと反応する。


「ウィズ! 説明!」


「はっ! 神楽坂様は、邪教の入信容疑をかけれられていました。これを利用し、異教徒であるがゆえに被る不利益を解消し、今回のことを私とルルト様の問題に置き換えてわだかまりをなくすのです」


 ウィズの説明にルルトが首をかしげる。


「なくすって、それは強引すぎないか? そんな簡単にすり替わる物なのか?」


「何言ってんだよ、周りを見てみろよ」


 俺達の周りは死屍累々、ではないが全員が失神しているという光景が広がっている。


「敵味方関わらず失神させているこの状況を利用させてもらう。ウィズはルルトと仲良くしたかった。だけどロード大司教がウィズの動きを「ルルト教を排除するためだ」と誤解をして茶々を入れたことを怒ったってことがいいだろう」


 俺の説明に渋い表情を浮かべるルルトではあったが「なんか納得いかないけどね」と納得した。


 まあ細かいことはこれから決めることとして、今のウィズのやり取り、やっぱり政略に長けているのは彼女だ。


 そうでなければ、こんなウィズ王国なんて最大の国なんて作ることなんてできないだろう。王立修道院を「政治機関」と言い切る辺りちゃんと考えている。


 しかもこの状況は本当に都合がいい、活用しない手はない。


「ウィズよ、実は一つお願いがあるんだ、結構マジなお願い」


「はっ、神楽坂様のいうことなら何でもします」


「ほーう、なんでもするの?」


「はい、なんでもです、体を捧げよといわれれば捧げましょう、私で良ければお相手いたします」


「い、いや、体は捧げなくていいけどさ」


 という言葉に「そうですか」とちょっと何故か残念そうなウィズ。


 なんで残念そうなんだ、って気を取り直してウィズに話しかける。


「俺の秘書官としてウルティミスに駐在しないか?」


「……え? 秘書官、ですか?」


 ポカーンとしているウィズにルルトはポンと手を叩いて納得する。


「なるほど、味方に出来れば、補助金とかも増額できるね、人員不足も、イザナミがやりたがっていた教育の件も一気に解決だ」


「んなことできるかー、ウィズの国の運営方法は君臨と啓示のみを使って、原則は国民主体で動いているだろうが」


「?」


「ウィズ! 説明!」


「はっ! ルルト様、私はウィズ王国については、神楽坂様がおっしゃったとおりの運営方法を採用しております、神の干渉において最も大事なのは「加減」ですから。そのためにいくつもの、ぴゅぐゆ!」


 ルルトが以下略。


「うるさいよ、微妙な上から目線が気に喰わない、君のデデデデデ!!」


 これも以下略。


「だから話が進まないの! どうだ、もちろん普段の職務優先で構わないが、ウルティミスに常駐してほしいんだよ、お前が必要なんだ」


 俺の要請にウィズは、「光栄です」と笑顔で答えてくれた。


 さて、俺の部隊でのウィズの立ち位置だけどと切り出そうとしたとき、察したウィズは話し始める。


「さしあたって、神楽坂様のサポートですので、階級は下士官でぴゅぐゆ!」


 以下略。


「はあ!? 下士官というのは僕と同等ということか!?」


「しょんなちゅもりは」


「君は二等兵に決まっているだろう、言っておくがボクは規律にも上下関係にも厳しいから覚悟しておくように」


(何が厳しいだよ、適当神のくせに……)


 さて、これで事態の収束するのはいいことだが……。


「神楽坂様」


 ウィズが深刻な顔をして話しかけてくる、何を言いたいのかは分かる。


「説得力を持たせるとなると、実際に俺が人身御供になるほかないだろ?」


「……申し訳ありません」


「いや、まあお前のしたことはある意味自分の目的を達成するための真っ当な手段ではあったからな、今はもう怒っていない、だがあの2人に緘口令は頼むぞ」


「はい」


 ルルトが割り込んでくる。


「どういう意味?」


「ルルトとウィズが友好関係にあり、主神の仲を橋渡しをした人間ってのは、この世界じゃどう見える?」


「あ…………」


「幸いにもそれを知っているのはロード大司教とモストの2人だけだが、一番知られてはならないタイプに知られてしまっているのだよ」


 さっと、顔色が変わる。


 そう、どうしても国家の注目ごとだ、緘口令はどれだけ強く敷いても、絶対に情報は漏れてる。秘密は2人以上知っている時点で情報は必ず漏洩するのだ。


 しかも緘口令を敷いたところでロード大司教がどう動くかも想像がつくのがまたうんざりするが……。




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